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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

大崎にて       作る写真、合成する写真

遠くから爆音が聞こえてくる。
空を見上げると、羽田へ向かう航空機が通り過ぎようとしていた。
慌ててファインダーを覗き、シャッターを切る。
大崎にて1380-16
こんなフレーミングではない・・・と10歩ほど前に進む。
大崎にて1380-17
しかし、そのとき機影はビルに遮られ見えなくなっていた。

写真は見た瞬間を正確に記録するもの。
子供の頃のテレビ番組に「日真氏飛び出す」というドラマ番組があった。(記憶のある人、少なくなったと思う。)
写真家の素人探偵だが、事件現場で撮った写真をもとに、事件を解決していくという筋立ての話が多かった。
写真は証拠になる!!
それが、小さい頃の小生には衝撃的な事実としてすり込まれたのかもしれない。

写真家 土門拳も戦後「ノイエザッハリヒカイト」(新即物主義)を声だかに唱え、演出して作る写真を排除した。
共感する写真愛好家も多かったが、
戦後の混乱期のこと、上野公園辺りにいた乞食をスナップした写真の応募が増える。
乞食写真と揶揄されるようになる。
大崎にて1380-17 合成写真
複数枚のネガを使って、一つの写真を作る。
これは合成写真。
前に2つの写真があるので、どこが合成した部分か分るが、
この一枚だけだったら、合成とは分らないだろう。
航路によっては、このフレーミングで通過することもあるだろう。
等倍に拡大しても、切り貼りしたところがどこかわからないくらいレタッチソフトの性能は高い。(10年くらい前のPSE Ver.6)
(事実をねじ曲げていることは確か、でも、こんな瞬間があっても当然と・・・開き直り、嘯くことはできる。)

「ノイエザッハリヒカイト」は第一次世界大戦後に起きた美術運動。(ドイツ中心か?)
「シュールリアリズム」も 同時に起きた美術運動。(これはフランスが中心だろう)
欧米の潮流を掴むことが、当時の日本の関心事。
「ノイエザッハリヒカイト」には合成写真はないと思う。
「シュールリアリズム」の影響を受けた写真には、沢山有る。

「シュールリアリズム」の影響を強く受けた植田 正治は、戦後の一時期、肩身の狭い思いをしたのではないだろうか。
報道を重視した名取洋之助の時代が終わり、土門拳が古都・仏像に向かうようになると、作る写真が見直されてくる。
(コマーシャルフォトの需要が急増していた。)

複数のネガを使って一つの写真を作ることは、写真の創生期からある技法。
カメラは画家の構図を決める補助道具に過ぎないが、
なんとかして見返しさせたい・・・これも芸術と認知させたかったから。

写真に合成はつきもの。
特にデジタルになって 親和性は増した。

明らかに合成、明らかに演出と分かるなら断る必要もないだろうが、
分らないように為された合成写真、演出写真は、「いやすごくいい写真、良く撮ったなぁ」と思うが、
よくよくじっと写真を見ていると・・・これは嘘だろうと、分ることもある。
そのときの裏切られた感情がわく。

これは合成です、あるいは演出ですと表示しておけばいいと思うが、
それ(だます、だまさない)は、写真を撮っている人の考え次第だろう。

「日真氏飛び出す」で育った小生のような人間にとっては、
写真は真実を記録していると 思い込んでいるので、
一言 断り書きが欲しいところ。

小生にとって 作る写真と合成写真の線引きは、
一つのネガに記録されている画像を(最大限)利用し、焼き込み、覆い焼きなどして一枚の写真を作ることが 作る写真。
「作る写真」は、じっと見ていると、暗室で格闘している姿が想像でき、こんな工夫しているのかと、その現場を想像してしまう。

ネガに記録されていない画像を、別の複数のネガから取りだし、一枚の写真に仕立てるのが合成写真。
キャッチーな写真に仕上がっているが、複数のネガが何か不明、どのように処理したのか追えな。
程度のいい合成写真は、「すごいなぁ」と受け入れるが・・・この頃はレッタッチソフトが良くなったのか、
みんな同じようにすごい写真を作るようになってきた。
喜ぶべきだろうが、少々食べ飽きたような気もする。
明暗合成、とかHDR合成の写真 一時流行っていたようだけど、今も盛んに撮られているのかなぁ。
明暗合成とかHDR合成の画像処理は、科学技術研究で使うもののように思えるのだが・・・
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  1. 2021/06/11(金) 15:20:03|
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