桜が散ると、
公園や民家の庭には、
丁寧に手入れされ、
配色を考えて植えられた春の花が一斉に咲き出す。
花は花の自然に従い、開花する。
人の手の届かない場所でも、
雑草が葉を広げ、ひっそりと、小さな花を咲かせていた。
御殿山の下、嘗て東海寺のあった所を歩いていると、
東海道線の高架橋の石組みに、覆い被さるように
淡い赤紫の小さな花が群生していた。
何の花?これは雑草だろうか?

持っていたカメラで撮影。
35mmの広角レンズ、
レンジファインダーカメラなのでクローズアップの接写撮影はできない。
モノトーン写真では・・・どんな花か、分かるはずもない。
たまたま鞄には、カラーフィルムを詰めたカメラを持ってきたので、
それで撮影してみた。

人の手で栽培されたものではないだろう。
どこからか運ばれ、
場所(競合する植物がいない)と気候が合致し、
石組みを覆うように繁茂していた。

生き残る場所があるなら、どこへでも。
すごい生命力だと思う。
何の花だろうと図鑑を調べたが、
似た花が多くて、これではちょっと分からない。
クローズアップした写真が必要だろうとおもう。
二日後、たまたま下神明近くを歩いていると、
新幹線の高架下の道路脇に、同じ花が咲いていた。
採っても、誰もとがめないだろうと、茎を取り、鞄にしまう。
家に帰って、接写撮影を試みた。

花の接写にはミラーレスのデジタルカメラは最適だろう。
50年ほど前は、Nikon Fに延長リングをつけ、三脚に固定し使ったが、オートの絞りは使えず、
構図を決め、ピントを合わせるだけでも大変。
慣れるまでフィルムの無駄使いした。
手持ちの露光計で光の強さを読みとり、接写の度合いから、露光倍率を算段し、絞りとシャッターを決める。
細心の注意を払うが、風に揺れボケた写真を撮ってしまう。(当時使ったのはISO:100のカラーフィルム)
成功するのは・・・半々くらい。満足できるのは、何コマあったか・・・
その点、ミラーレスは、簡単。
液晶画面で確認し、シャッターを押すだけ。
沢山撮れてしまうので、あとで画像を選ぶのに苦労するほど。
レンズは暗室で使っていた、引き伸ばし用のレンズを使用。
マクロレンズより使い勝手はいい。
広角レンズほど、花に近づけるので、拡大率は高くできる。(等倍以上、4倍くらいまで可能)
ほぼ1cmの小さな花だった。
(花の接写には、三脚を使うのが原則だが・・・これは、手持ち撮影。すごいと思った。残り2つの撮影は、三脚を使用している。)

更に近づいて撮影。
露光の補正倍率を考えなくてもいいのは、楽。(カメラ任せ)

もう少し下がって全体を撮っておこうと、藤本工業の引き伸ばしレンズ Lucky 75mmレンズに交換して撮影してみた。
(引き延ばしレンズは、全て古いライカマウントの規格に従っているので互換性は高い)
さて、何の花なのでしょう?
まだ、分からない。
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- 2021/04/22(木) 07:25:04|
- 樹、草、花
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