目黒川の方向から、けたたましいエンジン音が聞こえる。
足早に目黒川へ。
川面を覗くと、花筏の白い帯が見えた。

しかし、まだ花筏の時ではない。
眼を凝らしよく見ると、川面に浮かぶ桜の花びらは少ない。
白い帯は細かな泡だった。
あの轟音は水上バイクだった。
更に上流へ向かう。

雅叙苑まで来たら、意気揚々と川を下っていく水上バイクの群れに出会う。

上流には 白い偽花筏の帯が、長く続いていた。
地球を弄び(食べ)、自然を搾取するのが、経済活動。
もうすぐ観光船が来て、本物の花筏を蹴散らすだろう。
観光船に乗り、花見を楽しむ人と、観光船を運営する人の間にはwin-winの関係が成り立つ。
しかし、川沿いの遊歩道をぶらぶら歩き、
現れるかもと・・・花筏の出現を期待する人にとっては 悲しいこと。
声なき声は聞こえないことにし、
経済活動優先が、現代なのかなぁと思う。
コロナパンデミックで、世界の先進国は、金融政策を緩め、お金を市場に流している。
そのため、株価は上がり、高額なマンションや、資産価値の高い芸術作品、高級な装飾品が、売れているという。
資産を持てる者は、更に富み、持たざるののは、置いてけぼり。
また、経済格差は一段と広がったようだ。
「花筏」
日本人の愛した風流な言葉だけど、
現代では通じなくなっている。
スポンサーサイト
- 2021/03/31(水) 10:25:12|
- 桜
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0