Fomapan100フィルムを使ってみようと思い立ったのは、一昨年の暮れの頃。
(このフィルムが入手可能な100フィート長巻で、一番安価だった。)
その頃は、まだコロナ感染が、始まっていなかった。
約一ヶ月かけ、現像液の検討と、現像条件を詰めた。
年が明けた、去年の1月、
ダイアモンド・プリンセス号の感染が報じられたが、
まだ、対岸の火事かと思っていた。
しかし、3月になると、現実の脅威となっていく。
「散歩にカメラ」の機会は徐々に減り、
範囲も、自宅から徒歩で済む所に限定されていく。
行き場がなくなると・・・小人閑居、不善を為す。
そうなっては駄目だろうと・・・フィルムで遊ぶ機会が増えていく。
このフィルムを、トコトン使い切るぞ。
そのためには・・・更なる現像実験は必要だろうと、
思い出したように、現像実験を再開した。
テスト・ピースを使った現像実験を重ねれば、
それだけ、フィルムの特性と現像液の関係もよく分かるようになるのだが・・・
実際使ったら、どんなネガを作れるのか、どんな写真が撮れるのか、
確かめの撮影は、まだ終了していない。
一昨年暮れ、すでに、Fomapan100用の軟調現像液(Ⅵf)の組成と現像条件は決まっていたが、
しかし、未だ一回も使っていなかった。
これが初めての実践。

軟調な現像液なので、明暗差の大きな被写体向きだろうと思っている。
拡大すれば、道を行く女性の表情までトーンは豊かに記録できていることが分かる。
黒潰れ、白飛びは殆ど感じない。
この状態の光を、硬調な現像液で現像したら、白飛び、黒潰れすると思う。
ただし、白黒の効いたすっきりとした写真になるかも。

桜の太い幹のディテールを出したいため、少し露光を多めに加えた。
この程度なら、明るい空もギリギリ・セーフ、白飽和しないだろうと・・・思ったが、
手前の白く枯れた笹の葉は・・・意外、白飽和? 意識していなかった。

(Ⅵf)現像は、明暗差の大きな光線向き。
白飛びを抑え、黒潰れのない豊かなトーンが記録できる。
Fomapan100 なかなか、使い勝手のいいフィルムだと 感じるようになってきた。

白い看板や白のマスクの目立つ所では、なかなかの描写力だと思う。
白と黒の境界で、ちょっとエッジが立っているようにも感じた。
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- 2021/03/12(金) 11:44:35|
- フィルムの眼
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