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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

人を写すとは? スナップショットを考える。

人を写すとは どのような行為か?
もともとの出発点は、肖像画だと思う。
肖像画は、時の権力者、貴族、大富豪が、工房に依頼し描かせたもの。
下絵の道具に、カメラ・オブスキュアがあった。
フランス革命後、権力の中心は民衆へ、そしてサイエンスの時代に入り、感光剤が発明されると、カメラとなる。
肖像は、職業絵師からその職を奪いから、写真館の技師が描くようになる。
肖像写真、古い呼び名、今なら、ポートレート写真である。初期のポートレートは、依頼主の求めに応じ、絵画を模倣した構図で撮られている。できればそれに彩色を施すものもあった。
初期の写真は、絵画の下僕に過ぎなかった。
絵画とは違う写真表現の可能性に、最初に気づいたのは、ステーグリッツだろう。彼は、絵画的写真(Pictrial Photo)を完成させ、更に、写真には絵画とは違う表現が可能だという運動を起こす。絵画の下僕を嫌い、解放運動を起こす。20世紀初頭のことである。
重要な概念は、スナップショットではなかったか・・・と思う。
移ろいいくものを、瞬時に捉えるのが写真の本質。偶然と偶然のぶつかり、それを捉えた瞬間、それは必然となる。この機能は、絵画にはないと、彼は宣言しているよう思える。
有名な作品に「The Steerage」(1907年)がある。
日本語では三等船客と訳されて紹介されているようである。
The Steerage
彼はその様子を、生き生きと書き連ねている。
写真に撮らねばと、船室にもどり、Graflexを掴み、残り1枚の乾板写真を手にする。
もし、麦藁帽の男、サスペンダーの男、子供を膝にのせる女性が、動いてしまったら、構図は台無しなると心配。この光景に出くわした瞬間、レンブラントが心に降臨したと 後年述懐している。
一方、印刷技術が発達すると、本や雑誌に有名人のポートレートが載るようになる。
写される人物には了解をとってある。お膳立ては済み、職業カメラマンが撮影する。
これは、Pictrial Photo時代と、本質的には変わりはないだろう。写される人物は、撮影されることを充分心得てる。写すカメラマンにしても、依頼主の意向を尊重し(依頼主が、写される人物の場合もある)撮影しなければならない。ファインダーで四角く切られた世界の主役は、被写体であって、撮影しているカメラマンではない。偶然性、移ろいいくものを、捉えるのだという意識は薄い。 
前回載せた記事(12月5日 人を写すとは?)に載せた、お祭りに参加してた2人の女の子。撮影の許可をもらい、撮影していた、高級デジカメを携えていた人の作品、おそらく写真のクオリティー高く、見栄えする作品に仕上がったと思うが、写された2人は、四角い写真の中で、可愛く閉じ込められているだけではないか、とおそれる。
クライアントのいないアマチュアカメラマンが、なぜ、職業写真家の真似し、了解をとり、モデルを使ったような撮影を撮りたがるのか? 近代写真にたいする知識、覚悟と理解は如何なぐあいか? 古いPictorial Photoに引きずり戻されるようで、なんとなく違和感を感じている。
ベルゲンDCP01624
もし、この子に了解を貰い、撮影するとしたら、一番見栄えよく、喜ばれるよう撮ろうと努力する。目はカメラのほうに!とか、声を掛け、ポーズを取ってもらう。あたかもプロのように・・・撮影した小生は、片膝を地面につけて、しゃがんで写すことになる。
ベルゲンDCP01626
スナップでは、立ったまま、きづかれないようシャッターを押す。
スナップショットの達人、木村伊兵衛の真似をしている。技術は教わるのではなく、盗むものである。
氏のスナップショット写真を見れば、すべて、同じ高さ、立ったままの高さで撮影していることに気づく。
ベルゲンDCP01623
西洋絵画に出てくるようなおばあさん(失礼、まだおばあさんではないかも)のようで、思わず1枚。隣の青年は気づき、訝しげな顔をしてこちらを見ている。
2000年春、出張でノルウェーのベルゲンを訪れたとき、港では、お祭りをしていた。使用したカメラは、コダック製DC-10、100万画素カメラ。当時は、まだ、デジカメ珍しい時代でした。使っていると変なカメラ使っているなという顔をされました。
バーゼルDCP02689
このスナップは、同じ年の9月にスイスに出張したとき撮影したもの。バーゼルで撮影。
犬を連れた奥さん、小生が撮るのをニコニコみています。自慢の愛犬なのでしょう。プロのカメラマンなら、こんな写真撮りません。首のところに橋の道路がきて、分断していると、駄目ダシでしょう。
女性が微笑んだので、そこに反射し、シャッターを切っていました。・・・移ろい行くものを留めたいという感覚、それがスナップ。写真の大事な機能と思っています。

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  1. 2013/12/07(土) 17:42:13|
  2. 人物 ポートレート 踊り
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Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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