現在、フィルム現像主剤で入手可能なものは、
ハイドロキノンとメトール酸の二種類だけ。
過去にはフェニドンも販売されていたが、今は棚に載っていない。
白黒のフィルムが販売されている間は、
この二つの現像主剤が棚から消えることはないだろうと・・・希望的観測をしている。
Retro系フィルムの現像液は、この二つの薬剤を使って配合を決めてきた。
現像液のカテゴリーを軟調、中庸、硬調、微粒子などに分け、それをローマ数字で表し、
薬液の組成をアルファベットの小文字にした。
二成分だったので、(Ⅲa)とか(Ⅱf)と表記すれば、どんな組み合わせで現像したか分るが、
フェニドンを加えると主剤は三成分になるので、表記法を変える必要があった。
今までの、表記法と齟齬がないようにするため、
フェニドンを入れた現像液は、
P(Xyy) X:ローマ数字、yy:アルファベット2文字とした。
テスト現像をした現像液は、
新しい表記法で示すとP(Ⅲz)になる。

内蔵の露出計は、これが適正露光だと知らせていた。
素直にその指示に従う。
ネガの一番明るい部分の濃度が、スキャナーの取り込みで220になる条件で現像した。
ネガ濃度は(121-232)の範囲に入った。
濃度範囲は232-121=111と平均的な階調性だった。
少し現像オーバであった。(一絞りオーバーだと思う)

カメラの指示した適正露光より、一絞りアンダー露光。
ネガの濃度範囲は、(89-226) ほぼ適正。
濃度範囲は226-89=137 と高い値。
Fomapan100フィルムのベース濃度(少し色がある)を考慮すると、ベストに近い。

適正露光より、約二絞りオーバー露光。
濃度範囲は(143-236) ベース(Low濃度)が143と上がっている。 236-143=93 階調の範囲が少し狭くなった。
3枚の写真、手前の土の濃度が同じくらいになるよう調整している。
オーバ露光したネガは、背景の明るい部分は白飽和していたが、
暗部の黒潰れはなく、トーンカーブ調整して暗い部分を持ち上げると、
幹の細部まではっきりと出すことができる。
「ネガは作曲、プリントは演奏」
プリントで、
部分的な焼きこみや、覆い焼きの手法がつかえるなら、
この幹を表現する写真を作るなら(作曲)、
すこしたっぷりめに露光したネガが、演奏しがいある楽譜となるだろう。
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- 2021/02/05(金) 11:34:08|
- フィルムの眼
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