戦前、ライカの成功に刺激され、ツアイスが製造したカメラがContax。
ライカは、報道関係では、携帯性、操作性の良さから、広く使われたが、
ツアイスのレンズは、折り紙付きの(超)特級品。
コンタックスが生産されると、その優秀さから、コンタックスに取り替える人が出てきた。
勿論、ライカより高価。
ライカは50mm F:3.5のエルマーレンズ付きがよく売れたが、
ContaxⅡは 50mm F:1.5 のゾナー付きが よく売れたらしい。
主に、購買できたのは、軍関係機関、報道機関や富豪だっただろう。
キャパも 最初のころはライカのSummar 50mm F:2で 撮影していたが、
名作となったノルマンジー上陸作戦時のカメラは、
2台のContaxⅡと、一台のローライフレックス(いずれも、敵国ドイツのカメラ)だったという。
戦後・アメリカのライフ社のカメラマンにもContaxⅡファンは かなり残っていたらしい。
Contaxのカメラは、おそらく同盟国ドイツから、
海軍軍人経由、あるいは直接的に日本光学が入手し、
徹底的に調べていたと思う。
そしてライカの良い点と、コンタックスの良い点のいいとこ取りをして、
戦後S型ニコンを作った。
ニコンはマウントを忠実に再現していると思う。

内マウントは50mmの標準レンズ専用となり、それに合わせネジのピッチが切られている。
外マウントは内マウントの回転をそのままうけ、距離計を動かすが、
鏡胴の方に、距離が合うようネジのピッチが切られている。
フランジバックが同じか否かを測定知るためには、精密な測りが必要だが、その精密機器は手元にない。
ノギスを使って、計ってみた。(フランジバックを測定すべき場所が違うので、この値は絶対値ではない。)

ノギスの精度は0.05mmというかなり粗い精度。
コンタックスⅡaとNikon Sの フランジバックの差は0.2mmなどと吹聴する人がいる。
それが、本当か確かめるためには・・・より精度の高い物差しが欲しいところ。
試しに計って、繰り返し寸法をとりデーターをまとめてみた。
T-検定したが、「同じとして仮定して」も、95%水準でこの仮定を 否定することができないレベルだった。
(25年前、ウィンドウ95,98の時代、エクセルを使って実験データを処理していたが・・・統計処理の手順、判断法 大方忘れた!)
外マウントを使うレンズは、回転角で距離が決まる。
S型ニコンは 国内より米国で販売することを目的(敗戦により日本人は極端に貧乏、金持ち米国相手になる。)
のため、距離の表示はフィート単位となった。
コンタックスは、もとからメートル単位。
角度を分度器で測り、表にまとめる。

なんということない。
回転角と距離は 完全に一致していた。
当時の日本光学の技術者は、ツアイスに敬意を込めて、100%(理念を)コピーしています。
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85mmのレンズも 完全に一致している。
キエフ製のゾナー85mm F:2(Jupiter-9)レンズも 完璧なクーロン・レンズに仕上がっている。(ツアイスの技術者の薫陶もあったのだろうが)






近景(最短近く)、中景、遠景と ピントの位置を変え撮影してみた。
いずれもピントはしっかり一致していた。
これでも、近距離で使うのは勧めませんと・・・言えるのかなぁ?
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- 2020/11/25(水) 22:07:57|
- レンズの眼、カメラの眼
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