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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

二台のスーパー・イコンタ              Super Ikonta Opton-Tessar 105mm F:3.5

マミヤプレスで中判フォーマットの魅力を再認識。
一番軽いマミヤプレスSを手に入れ、修理し使ってみたが、やはり目立つ。
とても気軽に持ち出せるカメラではない。
スナップに使えるカメラが欲しいと新宿の中古屋めぐりをしたが、見つからない。
問題は予算。
そこでネットのジャンク品狙いをした。
見つけたのが、ツアイスのスーパーイコンタ、105mmレンズ付、6.9フォーマット用カメラ。
二台のイコンタDSC04628
最初に落札したのは(A)のカメラ。
戦後、西側に逃れたツアイスが、再び戦前からのカメラ生産を始め、作ったカメラ。
戦前では、一世を風靡した名カメラだろう。
レンズに曇りがあり、そのままではコントラストの低い写真しか撮れないというものだった。
しかし、裏蓋のモルトを交換し、レンズをばらして綺麗に洗浄したら、問題なく使えるカメラだった。
外観は塗装が剥がれジャンク品の雰囲気は出ているが、レンズ、シャッター、ピントとも正常。
これなら、カラー用にもう一台あってもいいなぁと、再びジャンク品に限りなく近いものを落札。
(A)のカメラには、ビューファインダーがついていなかったので、ビューファインダー付を選んだ。
出品者の説明では、機関は全て動作するというもの。
ジャンク品とは明言していないが、
ノークレーム・ノーリターンの決まり文句が記載されていた。
大丈夫だろうと、落札。
手にしてみると、確かにカメラは機能するようだ。
裏蓋のモルトは劣化しているので(あたりまえ)貼り直した。
レンズも前玉は、曇りがほとんどなくOK,ただし、裏蓋を開けてみると、後ろのレンズは、しっかりと曇っていた。
これは取り外し、洗浄したら綺麗になった。
問題は、ビューファインダーのブライト・フレームが欠損していること。
おそらく 硝子に焼き付けたフレームがあったはずなのになくなっていた。レンズ部分はあるので、
模型用の薄いスチレンの板を切り出し、代用品を作って嵌めてみた。
どうにか使えそう。
(A)がOKだったので、このカメラ(B)も使えるだろうと、フィルムをつめテスト撮影。
ピンホール1242-2
フィルム一本、8カット全てが この調子。
ピンホール1242-3
コマとコマの間は、くっきりと透明。
カメラのボックス(箱)ではなく、蛇腹から光が入ったことを示していた。
慌てて、部屋を暗くし、裏蓋を開け、ピンライトで蛇腹を観察。
10箇所ものピンホールを発見した。
ピンホールの補修も、また楽しい。工夫のし甲斐があるというもの。
もし、(A)にピンホールができたときのためにも、ここは補修技術を習得しておくのもいいだろう、
とポジティブ・シンキング(暇なだけ、いい暇つぶし)
酢酸セルローズ系接着剤に使い古した乾電池のグラファイト電極を細かく磨り潰した粉を練りこみ、
ピンホール部分を塞いでみた。
小さなピンホールは塞げたが、少し大きいものは、何回やっても、漏れてくる。
接着剤が固まると硬くなり柔軟性がないからかなぁと考え、
ブタジエン系の接着剤に変えようかとは思ったが、
ブタジエン系接着剤、長時間粘着性が残り蛇腹を畳んで放置すると、
蛇腹同士がくっついてしまう危険性がある・・・・と思いとどまる。
ネットで調べたら、シリコン系に湿気(水)で硬化する接着剤があるという。
化学を専門にしてきたので、硬化のイメージは直ぐ湧く。
なるほど、シリコンの弾性もあるはずと、ネットで調べたら、ヨドバシの通販サイトにも載っていた。
セメダイン(懐かしい名前)のSuper Xブラック(チューブ 20ml入り)を購入した。
接着後に弾性が残りかつ黒い顔料が入っているので、蛇腹のピンホール補修には最適だろう。
再び、フィルムをつめ テスト撮影。
破れ1245-6
しかし、一箇所 ピンホールが塞がらない・・・・というより一箇所、その場所のピンホール大きくなったのでは?
破れ1245-7
再度、ピンホールをチェックしたら、蛇腹の一箇所が5mmくらい裂けていた。
割り箸の先端を平たく削り、そこにシリコン系の黒い接着剤を付けて補修していた。
蛇腹が経年劣化し、弱くなっていたのかも。
薄い黒い紙を1cm幅に切り、シリコン系接着剤を塗り、その裂け目を塞いでみた。
丸一日放置すれば接着剤は硬化する。
再度 テスト撮影。
蛇腹・内面反射1246-2
ピンホールによる光漏れはなくなったようだが・・・・
蛇腹・内面反射1246-8
明るい空が入った写真には、地表部に光漏れのような部分ができる。
ピンホール修理の時は気づかなかったが、全体に被り、暗い部分にも銀塩濃度が出ていた。
裏蓋をあけ観察すると、入った光が蛇腹内で乱反射しているようだ。
そこで、アクリル系の黒塗料で、蛇腹を黒く塗り直した。

4度目の正直、フィルムをつめて再度テスト撮影。
修理完了1247-3
空の光が、蛇腹内で乱反射し、地上の暗い部分を被らせる不具合はなくなった。
修理完了1247-4
暗い部分のネガの抜けもいい。
どうやら 使えるカメラになった。
暇人でなければ、こんなことしないだろうなぁと思う。
二三十年前なら「カメラが趣味です。」と言っても、なんの違和感もなかったが、
今になると「フィルムカメラで写真を撮ってます。」と言ったら、
かなりデープな写真マニアと思われてしまう。
(まだ、フィルムで撮っている?白黒?、それまだ売ってんですか? 好きだねぇ・・・)
-----------------------
先日、銀座を散歩。
東銀座近くにある三共カメラの棚に、6,9判のスーパーイコンタがあった。
使えるレベルのものが4万5千円程度、それより外観の綺麗なカメラが7万円程度で飾られていた。
スーパーイコンタは、クラッシックカメラには入らないのかも。
昔に比べ、随分と安くなったのだろう。
店内の客は小生一人、店主も手持ぶたさ、少しカメラ談義をした。

フィルムカメラを使う人は減る一方。
フィルムの消費が減っていけば、フィルムの値段も上がる。
嫌な循環が進行する。
あと数本使ったら、フィルム代がカメラの落札価格(送料込み)を超えてしまう。
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  1. 2019/11/22(金) 12:33:55|
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Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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