見たものを伝えたい(記録)か、記憶に残しておきたいか、
で写真を撮るスタンスが違うのかもしれない。
伝えたいと思うと、圧倒的にカラー写真を選ぶ。
素敵なレストランへ行き、おいしい料理を食べたとしたら、
カラーで撮影(Phone-Camera)し、SNSで直ちに友に伝える。
カラーは情報量が大きい。白黒写真で撮ったら、どんなおいしい料理であったか、判ったものではない。
でも、記憶に残すとしたら、余分な情報量を少なくし、
エッセンスを抽出(アブストラクト)した白黒モノトーンのほうが合っているように感じる。

記憶は思い出すたびに更新され純化して新たな記憶となる。
脳はそんなに沢山の情報を一時に処理できないのかもしれない。
情報過多は脳を疲れさせるだけだろう。
カラーで撮られた美しい写真、
もう一度見てみようと、写真集あるいは写真雑誌を探そうとはしない。
カラー写真は氾濫している。しかも みんな綺麗、あるいは定番のキャッチー写真。
こんなものだったろうと勝手に想像し、それで終わってしまう。
だけど白黒モノトーンであれば、
あの写真、何に心が動いたのか?と、記憶を反芻する。
気になり、その記憶を確かめようと、本棚をひっくり返す。
カラー情報が無い分、受け取り方の自由度は広い。
昔見ていいなと思った写真を再度見てみる。
何に心が動いたかを反芻して見ていると、
その時の感動を再確認したり、違った意味合い(よさ)を発見したりする。
その瞬間、記憶は新たなものとなる。
それが 白黒モノトーン写真の魅力なのだろう。
即物的な思考が得意な人は、カラー、
隠されたものを想像するのが好きな人は 白黒モノトーン
どちらが正解というわけでないが、
今はデジタルカラーが主たる写真表現、時代は、即物的な思考に 傾いているのだろう。
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- 2019/11/07(木) 21:50:36|
- 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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