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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

黒塗りの外車が撮りたくて       モノトーンに遊ぶ・・・・あるいは遊ばれる

数年前、写真展で見た森山大道の写真が焼きついている。
氏の作品の多くは、新宿などの猥雑な街角を写し、
あるいはその一部を切り取り、
現代という生活空間を表現する意図、現代を喚起する思想性がある。

それに比べると異質な作品。
銀粒子のざらつきは感じない。
滑(ぬめ)りある黒く光る外車のボディーのトーンが美しい。
あんなトーンどうしたら出せるのか・・・・
なんどかチャレンジするも、今一の結果。
Retro80Sフィルムを使い、も一度挑戦してみようと、硬調現像液(Ⅳz)を開発していた。
黒い車1177-11
最初のテストで撮った一枚。
銀粒子のざらつきもなく かなり滑らか、Retro80Sと(Ⅳz)の組み合わせ、かなりいい。
露光をもう少しアンダーにして、現像時間を延ばせば 幻のトーンに近づけるかも・・・・
黒い車1178-13a
2日後、レンズの違い、カメラの違いが、トーンの違いを生むか、試し撮りしてみた。

カメラは高級一眼レフを使っている人からは軽く蔑(さげす)まされ、
バカチョンと呼ばれた大衆カメラのキャノンオートボーイ。
DXコードを読み自動でフィルム感度は設定されている。
フィルムを入れると、最初のコマまで巻き取り、撮影の態勢になる。
露出、ピントも自動設定、「あなたはシャッターを押すだけ、あとは全てカメラにお任せ」
暗いところでは 自動でストロボが作動する。
必ず、何かがクリアーに撮れている。撮影のミスはほとんど起こらない。
撮りきれば、自動で巻き戻してくれる。
撮影者に残された裁量は、光を読み、フレーミングしシャッターを押すこと、
そしてフィルムの現像からプリントまで。(ネガは作曲、プリントは演奏 アンセル・アダムスの言葉だったか?)

完全機械式のKievⅡ(戦前のコンタックスⅡ型カメラのクーロン)に50mm F:1.5のソナーレンズと
1980年代にキャノンが製造したズームレンズ付大衆カメラの比較。

現像してみたら 二つのカメラの写真表現に目立った差など感じない。
撮影機材を隠し、2つの写真を見せ、
どちらがいいですか?と聞いたら、おそらく評価は分かれるだろう。

写真表現の深い部分にまで カメラやレンズは影響を与えていない。
光画の本質が「暗い箱」にあるからだろう。
光を読み、被写体を、どう切り取るか、
フィルムを選び、現像液を選び、己の裁量で現像し、ネガを作る。
それを紙の上にいかにプリントするか(印画紙に焼くつけるか)格闘する、その過程の良し悪しにかかっている。
結局、写真表現の深い部分に関与するのは、撮る人の見識、覚悟、具現化するための修練という、
ごく当たり前の結論になると思う。

カメラやレンズが、写真表現の深い部分にまで関与できるとは思えない。
必要なら選んで使いこなすだけだろう。

最終的なプリントまで、自動化が進もうとしているデジタルカメラ、
それを、どう捉えたらいいのか? 
写真の質は確かに高くなっている。
デジタルカメラをもって半年も経つと、
うまいものだと感心する作品を作る。
しかし、どの写真も同じような美しさで、金太郎飴のよう。
誰が撮っても同じでは・・・・綺麗な写真も、薄っぺらな写真表現に思えるようになってしまった。

5年分のフィルム代で かなりいいデジタルカメラを手にいれることができる。
10年分なら最高級も可能だろう。
一時は フィルムからデジタルの時代だろうと 購入を考えたが、
デジタルカメラを主(メイン)に使っていいだろうか?疑問に思うようになっている。
厭きやしないか?
デジタルカメラ、まだよくわからない。

白黒写真のトーンで遊んでいるようなもの。
最新の高価なデジカメでしか出せない白黒のトーン あるだろうか?
ないだろうなぁと 勝手に思っている。
それなら 少々古い機種になったが、
Sony のNEX-3,-5でも充分でないか、と自分に言い聞かせている。
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  1. 2019/03/28(木) 10:46:35|
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Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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