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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

静置現像法

化学を学んだものなら、現像の反応速度Sを
S=A*exp(-ΔE/RT) *[Ag]^m*[HQ]^n*[OH-」^p
と仮定しても 頷くだろう。
ここで Aは頻度定数  立体的な規制や、反応する場所の構造などにより変化
ΔE 活性化エネルギー
R 気体定数
T 絶対温度
[Ag] 銀塩の反応活性点濃度   
[HQ] 現像主剤 ハイドロキノンやメトール酸濃度
[OH-] OH-イオン濃度 

ちゃんとした実験装置 分析器具、機器分析装置を持たないので、正確な測定はできなかったが、
pH 7~10の範囲なら pの値は0.9程度
              nの値は 0.4~0.5程度 であった。
pHが高いほど(アルカリになるほど)反応は早くなるが、
pHが10を超えると、それほど速くならず、さらに高すると 却って 遅くなる。
ハイドロキノンなどの分子の構造が変わり 反応活性が変化、
反応点の銀イオンの構造、あるいはゼラチンなどの乳剤の構造の変化によるものかもしれないが、
その仮定を確かめる実験を 乏しい実験装置でどう進めるか・・・・考慮中。
pH7以下だと、現像に時間がかかったため 検討していない。
nの値(反応次数)が0.5程度になると確認できた。
通常の反応なら一次反応と想定するが、次数が小さいのは、
現像主剤の乳剤に対する吸着、分配が 関係しているようだ。
nの値から、現像液の現像主剤の濃度が半分になっても 現像時間を2倍に延ばす必要がないことを示している。
現像時間を40%伸ばせばいい。 4倍希釈で2倍の現像時間となる。(単なる目安ですが)
反応の経過を追うと 逐次反応(誘導期を認める)なので中間体の生成の後、銀画像が生成するようだ。
反応がそんなに簡単なものではなく、複数の反応が関与しているようだ。
しかし、基本的には 上記の反応式に従うと 考えていい。

生成する銀画像の銀生成量に対応する量の[HQ]を与えれば 
反応が進行するに従い[HQ]の量は減少し、反応は(見かけ上)完了する。
化学的には、現像終了したネガに生成している銀金属の量(モル数)に対応する[HQ]量を反応に加えておけばいい。
実際の現像液D76などは 必要量の何倍も加えて現像している。
一本のフィルム(36枚取り)で実際に使われる現像主剤の量を求めるためには、
現像したネガに残った銀金属(画像)の量を定量分析すればいいのだが・・・・
会社の研究室にいた頃なら 簡単に定量できるけど・・・
それはできないので、現像液を薄めて テストして求めた。
ちょっと 手間がかかったが、概算量は 現像主剤(メトールやハイドロキノン)換算で 一本に必要な量は100mg~150mgあたりにあると判明。
有名なD76(ID11)現像液中の現像主剤の量は7g/1000mlなので、
現像液17ml~20ml程度で一本のフィルムを現像することができることになる。
現像液1リッター作ったら、50本以上のフィルムが現像可能だが、実際は6本程度で止めている。
反応時間をどう決めるか、めんどくさいのでしょう。
化学が苦手な人は、メーカーの説明書にしたがって現像するのが 普通。
説明書に記載された以外のことをしたら、
なにか悪い影響が出てくるのかも知れないと思ってしまう。
わからないから、むやみにありがたがる。
なにか微量の添加物が入っていて、独特の効果を発揮している。
○○社の□□現像液でないと駄目という信者が現れる。

化学を学んだ者なら、現像という固液還元反応を、摩訶不思議な反応として済ますことできない。
今までの反応解析から、希釈現像ができる可能性は高い。
現像液を希釈し 静置現像を検討した人、すでにいてもおかしくない。
条件を詰めて、可能かどうかチェックするのが、科学的態度だと思う。

二段現像のように多彩なトーンコントロールは無理でも、
攪拌せず放置しておくだけの現像法 ずぼらで簡便、老人には優しい現像法になる。
(懐にも優しく、環境にも優しい、現像液の廃棄濃度は原液でCODはかなり下がるがBODは100ppm程度か、器具を水で水洗したら、更に1桁小さな値になるので 環境基準はパスでしょう)

最初のテスト現像結果です。
静置現像1168-7
通常通り、リールにフィルムをまき、現像タンクにいれ、現像液で満たす。
攪拌は最初の一回だけ、タンクの底をテーブルに軽く落とし、フィルム面上の泡の付着を防止しただけ。
あとは部屋のなかに放置した。温度管理もしない。
室温は 17℃から20℃だった。そのまま18時間半 放置して終了。
通常の定着、水洗、乾燥した。
攪拌しなかったが、現像むらは認められない。
ネガの濃度も十分ある。
一部を 等倍で切り出してみた。
静置現像 等倍Trimming
銀粒子のアレもないと思う。
静置現像1168-6
逆光の光の強弱の激しい構図。どうにか暗い部分もつぶれず、白飽和もどうにか防止、ちょっと銀粒子のざらつきがでた。
静置現像1168-3
もう少し条件をつめ、8時間から18時間の間で ほぼ一定の現像結果が得られるようにできたら、
ストレス・フリーの現像法になるだろう。

D-76現像液を使ったテストも考えているが・・・・さて、どうしたものか? 
こんな現像法、使おうと思う人残っているだろうか?
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  1. 2019/02/26(火) 12:28:32|
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Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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