11月の終わりの休日、息子が結婚した。
新郎の父親がカメラを抱えて、式の様子を撮影するのは如何なものか・・・と思えど、
どうしても撮っておきたい。
フィルムで記録しておきたかったが、ここはデジタル・カラーだろうと、
密かに、ソニーのNEX-5、18mm-55mmのズームレンズ付を持っていく。
式の合間、披露宴の合間にスナップ、それでも50カットほど撮影していた。
その中から写真を選びPhotoBookを作って、
これを息子夫婦と、相手の御両親にさしあげたら喜ぶだろうと、
20カットほど選び、Dummy Bookを作ってみた。
妻と娘にできたDummy Bookを見せ、チェック、最終的な校正をする。
画像データ(JPG)をUSBメモリーにいれ、戸越銀座の写真ショップに行く。
できたDummy Bookを見せ、このようなPhotoBookを作って欲しいと頼んだ。
「それなら」と・・・入力用のPCを示し、「御自分でやってください」という。
表紙は、妻が書いた金文文字にしたかったが、
本のカバーのデザインは、決められた中から選び、
文字の入力はできるが、決められたフォントから選ぶことになると・・・説明を受ける。
画像(金分文字)をカバーに印刷はできないとつれない対応。
「うちではできないが、○○ならサービスできるかも知れません、そちらに相談されてみては・・・・」
という言葉を待ったが、それもなし。
これで商売しているのかと・・・若い(30歳くらいか)の店員の顔をみる。(割合美人です)
じゃ自分で作ると捨て台詞して店を離れた。
便利・簡単なのは、システムに乗ったことだけ。
マニュアルにないことはできない、
これがAIの行き着く先に・・・・ならないかなぁ。
デジタルカメラ そのものの功罪ではないか?とも思う。
自分で考えない。
ネットで調べ、わかった気になり、思考は停止する。
確かに、デジタルカメラになり、簡単にクオリティのたかい写真を、誰でも写せるようになる。
でもそれはシステムの中だけ、それを外れると、途端にだめになる。
きれいで美しいが、金太郎飴のような写真ばかりになっている。
とうわけで PhotoBookを作ってみた。

妻の助言で二つ折りした写真、重ねて作る綴葉装(てっちょうそう)にしたが、
糸で止めず接着剤で固めたので、
粘葉装(でっちょうそう )に近いだろう。
問題のカバーは和紙を使うことにしたが、
妻の出す和紙はビックリするくらい高価だった。
失敗したら大変と、その中で一番安い和紙をいただく。
薄いので、丈夫な画用紙で裏打ちしたが・・・・職人ではないので難しい。
できたカバーに 妻の書いた金分文字を印刷した。
写真は 顔料プリンターを使用。
写真諧調にこだわったので、厚手光沢のクリスピア(エプソン)を使う。
しかし紙の厚みでうまく折れない、製本するのも大変だった。
そこで、薄い光沢紙のライト(エプソン)を使う。
これならどうにか上手に製本できそう。
作るたびに改良点に気づき、うまくなる。
3部つくった。
最初のPhotoBookは家に保存、あと2部は、一つは息子夫婦へ、もう一つは嫁さんの実家へ送るよう作る。
8日土曜、息子夫婦が挨拶に来たので、そのとき手渡しした。
式場では、専属のカメラマンが2名ほどつききりになって撮影していたが、
その写真ができるのは、年が明けてからになるという。
喜んでいた。

PhotoBookを作る。
新しい体験だった。
写真を選び、配置、効果を考え校正する。
それを手作りで製本する。
なんでもないカットが意外とアクセントになる。
何を撮りたかったのか、どう撮ったか、足りない点はなにか・・・が次第に明らかになる。
これも 写真の楽しさの一つ。
PhotoBook作成ソフトを使うより、ずっと面白いと思う。
PhotoBookの形式は、自由。
型があって、その中なら選ばねばならない不自由さはない。

コツがわかってきたので、3年ほど前 撮った阿波踊りの写真をPhotoBookにしてみた。
モデルになってくれた人に、Dummy Bookだがと断って見せると、
喜んでいたので、そのまま渡してしまった。
モデルになってくれた人とは、その後 約6ヶ月の間、9回ほど踊りの練習を撮影している。
膨大(フィルムで30本くらいあるだろうか〕なネガが残っていたので、
いま それでDummyBookを作っている。
作ると 今までは気づかなかった新しい発見がある。
これを、完成させ見直せば、人物写真の撮り方・・・・少しはわかるのではないかと思っている。
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- 2018/12/19(水) 22:16:19|
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