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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

フィルムと現像法

散歩にカメラを持ち出し、行き当たりばったりの撮影だけど、
撮るときは、出来上がった写真のイメージを想像しシャッターを切る。
若いときは、絞りやシャッター速度などの撮影条件を記憶できていたが・・・・この頃は駄目、
すぐに忘れてしまう。
こまめにメモ帳に書き留めることにしている。

どのような被写体を、どう撮ろうとしているか、その記録を作っている。
一種の備忘録、それに最適なのが ブログに載せるという行為だろう。
なにに興味を惹かれたのか、どのように撮ったか、どのような工夫をしたのか・・・・蓄積すると 判ってくる。

TRI-Xフィルムを使っているときは、現像液は決まっていたので、現像温度と時間を記録するだけだった。
Retro系フィルムを使うようになって、現像液の種類は増えた。
そこで、現像ノートには現像液の種類も書き込むようにしている。
福生寺1107-6
Ortho25フィルムで撮影、軟調現像液(Ⅴ)で現像。
Orhto25フィルム 赤い色に対しての感度が低いので、硬調なネガになりやすい。
軟調な現像液で現像することにより、
白とびもせず、黒潰れもない(豊かな)諧調性のあるネガを得る。
これが 小生の好みのトーン。
でも今の流行ではない。
福生寺1108a-4
柔らかな陽が射し込んでいた。
同じOrtho25フィルムで撮影、硬調現像液(Ⅳ)で現像。
フィルムと現像液の組み合わせが、この場の光にマッチしていたと思う。
コントラストの効いたネガを得た。
ただし、梅雨時期のしっとり感が石畳にでていない。
福生寺1108a-3
更にYA2フィルターをつけて撮影していた。(比較に撮っていた・・・研究員だった習性です。)
Nikomart FTnの露光計の指針はf:3.5/30秒を指していた。
そりゃない、露光不足では?・・・と思ったが、f:3.5/15秒では手振れしてしまうかも・・・と自信ない。
露光計の指示に従って、1/.30秒でシャッターを切った。
梅雨空からくる柔らかな光線に浮かび上がる石畳と紫陽の花、
この時期の雰囲気を写しとめるなら、このほうがよかったかも知れない。
白黒のコントラストは更に高くなる。(やはり1/15秒のほうが・・・よかったか、迷うところ)
お堂の硝子戸のディテールは失われていた。
---------------------------------
デジタル写真のHCB&Wに似たトーンの写真を撮ろうとしていた。
Retro400Sフィルムを使い、(Ⅳo)現像液で現像すれば、似たトーンになることは、既に確認している。
(Ⅰ)液軟調と(Ⅱ)液硬調を使う二段現像で試した。
HCBW1082-15.jpg
(Ⅰ)液でほぼ像をだし、(Ⅱ)液でメリハリをつける。
こうすることで暗部も潰れず、白飽和も防止し、諧調を詰め(少し省略)た硬調トーンになる。
面白いことに、エッジがでて、物の輪郭がくっきりする効果もあった。
HCBW1083-33a.jpg
エッジ効果がでたので面白いと思ったのだろう、次の日はOrtho25フィルムをつめたカメラで 同じ場所を撮影している。
現像液は(Ⅳ)硬調現像液を使用していた。
トーンの調子は Retro400Sで撮影したものに似る。HCB&Wのトーンだろう。
大きく伸ばしたら、差は歴然、Retro400Sでは銀粒子がでてしまうが、Ortho25は銀粒子が細かく、滑らか。
でも物の輪郭はRetro400Sのほうがエッジが出てくっきりしている。
そんな表現の差はでる。

光に反応するものの発見と、光の映像を記録できるプレートの発明が写真の出発点。
高価なカメラと高価なレンズ・・・・後からの付け足しにすぎない。
写真の本質は カメラの眼でも、レンズの眼でもない、
フィルムの眼であり、現像の眼だろう・・・・・と密かに思っている。

デジタルの時代になり、電子素子で組み立てられた集積回路に「光の映像を記録できるプレート」の座を譲ったが、
それは、技術の進歩で、喜ぶべきことと思う。
気がかりなのは、映像素子の個性の無さと、現像(ソフト)の種類が限られていることかなぁ。

筆を持ち、墨で手紙をしたためた時代は終わった。
鉛筆、ボールペン、タイプライター、ワープロ 筆記具の進歩は、
同時に、筆で記す「書」の美しさを衰退させた。
書展に行き、書を見るが、小生には全てが上手な「書」に思えてしまう。
妻は それをしっかり判別し、誰の書を真似ているかがわかり、誰がその人の師匠か見抜いてしまう。
筆を持ち墨で字を書いたのは、小学生の習字の時間くらい。
妻は、小学生のときから、現在まで、筆を持ち 字を書き続けている。(あくまでも趣味として)
妻には 字を見る眼があり、小生に、書を見抜く力はない。

ワープロ・ソフトのフォント(書体)は読みやすく綺麗だが、
誰が書いたものか、見分けることはできない。

デジタルになり、綺麗な写真が氾濫している・・・・
素人グループの写真展に行ってみたが、みな綺麗な写真を撮っている。
だれが撮った写真と、判別できなくなっている。
みな、指導してくれたレッスンプロの構図になっていた。
まるで、ワープロ・ソフトのフォント写真でないか?
これが個性だろうか?
書展で見たのと同じ感想しか言葉にできない。
「上手ですね。」
そして心の中で、この程度なら、チャンスさえあれば、撮れる思ってしまう。

綺麗だけど画一的な写真に、感覚が麻痺、
写真を見分ける力が衰退・鈍感になっているのかなぁと思う。


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  1. 2018/07/06(金) 14:29:06|
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Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
Phone-Cameraの時代、フィルムで撮ることの意味合い、意義はあるだろうか?と懐疑的になっている。写真の置かれている場所・期待・求められているものが根底から変わってしまったのかもしれないと思っている。
それでも、もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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