使い慣れたTri-Xフィルムと違った諧調性があるので、
Retroフィルムを使い出した当初は戸惑ったが、
使い慣れてくると、その特性が段々わかってくる。
使いかた、現像法をあわせていくと、光のダイナミックレンジが広く、豊富な諧調性を持っていることに気づく。
ネガに記録された諧調性をそのままプリントに出そうとすると、時として眠い写真になってしまう。
白黒のコントラストをあげてプリントすると、中間のトーン(諧調性)は潰れて乏しい印象を与えてしまう。
暗い部分を黒く焼きこみ、白黒の美しい写真を好む慣れた人には、
中間の諧調性が乏しい使いにくいフィルムという印象をもつようだ。
暗室で格闘し、印画紙に 焼きこみや、覆い焼きできる昔のやり方なら、かなり使い勝手のいいフィルムだと思う。
残念ながら、(小生の持っている古い)デジタル・レタッチソフトだと、
トーンカーブでコントロールできるのは画像全体、残したい部分のトーンまで、処理されてしまう。
(現在の最新のレタッチソフトではできるかも知れませんが)
しかし、ダイナミックレンジが広いので、
光の強度差の大きなフレーミングで撮影しても、たっぷり目に露光し、やや軟調な現像液で現像すると、
トーンのなだらかな(豊かな)ネガを得ることができる。(複数枚の画像データからデジタル合成するハイダイナミックレンジに比べると劣りますが・・・)

おそらく、露出計内蔵のカメラなら f:5.6/125秒が適正と表示されるだろう。(f:5.6/60秒かも)
たっぷり目の露光を選んだ。
軟調現像したネガを調べると、光の強い部分の銀塩でも飽和はしていない、(フィルムは オーバー露光に対し耐える力がある。)
暗い部分にも銀塩の画像は充分残っていた。

空の調子を出したかったので、f:8/250秒とした。
水面と森のディテールにこだわるならf:8/125秒を選ぶと思う。
画像化するとき、トーンカーブを操作し明るい部分を焼きこむようにした。
暗い部分のディテールは少し失われたが、それでも黒く潰れてはいない。
空にザラッとした銀粒子がでてしまったが・・・・致し方ない。
Retroフィルム 面白い、まだまだ 遊べそうだ。
写真は 画像(プリント)で評価される。
フィルムだろうが デジタルであろうが、
大型カメラか、スマホか、子供が撮ったか、女性が撮ったか、プロが撮ったか・・・・
それらの項目で、写真は評価されるべきではない。
たんなる属性に過ぎない。
その属性に過ぎない白黒フィルムになぜこだわるのかねぇ?と 時々思うが、
フィルムの面白さに嵌っていることは確か。
趣味なのだから、途中の経過も含め、とことん遊ばにゃ損損、
いつしか、いい写真の一つも撮れていれば、それでいいではないか・・・
と自分に言い聞かせている。
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- 2018/05/28(月) 12:40:08|
- ある場所、ある瞬間
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