嘗ては「鷹の眼」と呼ばれたツァイスのテッサーレンズ。
コンタックスマウントの50mm F:3.5 ノンコートレンズをニコンSマウントカメラ BessaR2Sで使ってみた。
製造はレンズ番号から探したがはっきりしない。
1932年か1933年と推定、 「傷だらけのゾナー50mmF:2」より少し前に作られたことは確か。
いわゆるブラコン(コンタックスⅠ型)の時代に製造されたものだと思う。
なお、2つ前の記事で使ったF:2.8 Tessarは1936年製 コンタックスⅡ型になって製造されたレンズです。

最短の0.9mにピントを合わせ絞り開放のf:3.5で撮影した。
被写界深度内にピントは来ている。
ツアイスとニコンのレンズ、マウントの形状は同じでもピントは微妙に異なる・・・といわれたら
素直な人ならツアイス製レンズをニコンSマウントのカメラで使おうとは思わなくなる。
上から目線で(こんなに沢山知っているのだと)語りたいのだろうが、
その根拠が伝聞の引き写しにすぎないので、拝読する小生は、戸惑ってしまう。
こんなの信用できないと、学術誌だったらチェックが入って掲載できない。
根拠希薄な伝聞なら、事実か否かチェックする、あるいは裏をとってみようとするのが、理性だろう。
根拠が伝聞の薀蓄は、「ノイズ」だと無視すればいいのだが、
そんな薀蓄を語る人のブログが多いのは困ったものだ。(どうも それが人気ブログらしい)
目立ちたい、注目されたいというYouTuberと同じ心境なのだろうか、
品性・品格の問題かなぁ。
(なかにはごく少数ですが、しっかりしたブログもありました。こちらを読む人はすくないと思う。ちょっと専門的。)

古いテッサーレンズ、ノンコートだがレンズの枚数は4枚 内1つは張り合わせてあるので、反射する面は少ない。

昔は「鷹の眼」と称えられたが、現在のコーティングの効いたレンズほど解像度、コントラストは高くないかもしれない。
しかし、逆光にも果敢に挑戦し、画像を記録できています。(4枚3群のテッサー、Simple is the best.です。)
(ハレ切用のフード持っていないので、逆光でもフードなしで撮影しています。)
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凸レンズを使って外の景色を壁や紙の上に投影する。
そんな理科の勉強をしたのは小学校のころ。
合同、相似など幾何の初歩は中学生のころ習ったか。
中学の理科の時間だったか・・・・レンズ焦点の話、像がどの位置に結ぶかの計算を、
黒板に書いた図から、幾何の相似形、比例関係を使って教えてくれたことを思い出す。
それは、簡単な公式になった。
1/a+1/b=1/f
aは レンズから対象物までの距離、bはレンズから紙(映像が写っている)までの距離。
fはレンズの焦点距離。
この公式を使って、15年ぶり、エクセルを開き計算してみた。
無限遠では ニコンのレンズもツアイスのレンズも フィルム面でピントが合っているという事実(精度の問題だが、目視した範囲で正しい)として計算。
ニコンSカメラは 焦点距離50.0mmのレンズを基準にして設計されていると仮定した。
無限遠から1mの被写体まで レンズの繰り出し量はわずか2.63mm。
ツアイスのレンズはそれより0.20mmだけ長い焦点距離のレンズを基準に設計されていると仮定した。
すると無限遠ではあっているので、それをニコンSマウントのカメラに取り付けたら、
ファインダーを覗きピントを合わせると、bの値は、0.2mmだけニコンSレンズより長くなる。
bの値とf=50.2でaの値を求めれば、何処にピントが合った、どれだけピントがずれたか計算できることになる。
その結果は、1m(レンジファインダーのほぼ最短距離)の被写体でピントのずれはわずかに1cm弱。
ニコンの基準にした焦点距離(50mm前後だと思う)と、ツアイスの基準焦点距離の差が0.2mmであれば、
ほとんど無視していい。
もし、それ以上に差があるなら 近距離では ピントがずれる可能性がでてくる。
もし、合うか合わないかの検証するなら。
(1)ニコンとツアイスの50mm標準レンズの正確な焦点距離を測定すること。
(2)無限遠で両社のレンズは両社のカメラで焦点が合っているか否か
この2点の検証が必要だろう。
(1)については ニコン、ツアイス、コシナなどのメーカーに、そのデータはあるはず。
公開して欲しいが・・・・おそらく手の内を明かすことはない。
レンズの修理をする業者なら、測定している(あるいはできる)だろうが・・・そんな金にもならないこと、公表しないだろう。
誰か 実測したことある人いないだろうか?(4桁の精度で測定した。)
(2)は無限遠にピントを合わせ、写真に撮り、拡大して調べることでOKだろう。
フランジバックの長さは、レンズの鏡胴の長さで調整(∞出し)はできるので、本質的な事項ではないとおもう。
でも、コンタックスとニコンS、フランジバックの長さが同じなら、楽しい。
なにか 別の話が隠されているような気がする。
標準の50mmレンズは内マウントを使う。
それ以外の交換レンズは、外マウントのレンズを使う。
外マウントレンズでも、無限遠が一致するなら、
レンズの繰り出し量はレンズの鏡胴に刻まれている。
ピントが合う可能性は高い。
ここで場合に問題になるのが、
ニコンとコンタックスの距離合わせの回転角の差。
この差がなければ、両レンズ、自由に互換できるはず。
無限から0.9mまで270°くらい回転するが、
わずかにコンタックスの方が大きい。目測では数度の角度だが・・・・
近距離ではピント合わせの誤差となってしまうだろう。
望遠レンズを使った場合、そのずれはどの程度か、確認したいと考えている。
ブログのあやふやな薀蓄を真に受け、「使えない」と嘯くのは 抵抗感がある。
駄目と決め付けず、そのメカニズムを解明すれば、工夫でどうにか・・・・ならないかなぁ。
ひまだし、BessaR2Sにツアイスマウントの望遠つけてテストしてみますか。
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考えの根拠は明快に示す。
小生の仮定に問題がある、あるいは この公式を使う妥当性があるか否か?
批判、錯誤の指摘を期待している。
議論を深め、批判し、検討するのが 真実にちかづく 唯一の方法。
なにも自説にこだわるほど 小生 若くない。
間違えたと判ったら、すぐ、自説は取り下げます。
それが サイエンス(科学)というもの。
カメラは科学を基礎にした最新技術で作られてきました。
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- 2018/02/10(土) 11:52:45|
- オールドレンズの密かな楽しみ
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