デジタルで撮っている人には無用・無益な話です.。
でも、フィルムでは、こんなトーンコントロールもできるという話、
興味があったら試してみてください。
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今、ポートレート写真を撮ることに集中している。
「散歩にカメラ」で慣れたトーンでは、人物の皮膚のトーンを綺麗に記録できない。
もっと微妙なコントロールが必要だと感じている。
どんなフィルムを使ったら好いのか、どんな現像液が好いのか、
テストしながら進めている。
ポートレート用に開発した現像液(Ⅶ)
Retro80S、Retro400Sのフィルムでは、
トーンの豊かなネガを得ることができるようになったが、
Ortho25フィルムでは、期待したほどの結果は得られなかった。
テストでは、コダックのグレースケールを撮影し、所定の現像液で現像し、
そのネガをスキャナーで取り込んで、評価している。

(Ⅶ)現像液は、中庸の現像液(万能)で、液の組成はコダックのD-76とは異なるが、現像結果はD-76に似たトーンになった。
Ortho25フィルムを現像すると、充分綺麗なネガ(画像)を作れたが、ほんの少し被りを生じていた。
(Reto80Sの最低濃度は35、Orthoフィルムでは71と少し濃度が高い)
また、ピークの谷の部分も埋まっていて、
トーン(解像度)はでても、大きく伸ばした場合、細かな像のコントラストは不鮮明になるだろう。
Ortho25フィルム、低感度フィルムで銀粒子は大変細かく、大きく伸ばしても像は滑らか。
このフィルムの特性を生かすために、被りを防止し、
かつピークの切れのいい(ピークの谷の深い)ネガを得ようと、現像液の調整に四苦八苦していた。
軟調と硬調の2つの種類の現像液を開発した。

Ortho25フィルムを軟調現像液で現像すると、トーンは Retro80Sフィルムを中庸現像液で現像したトーンに似る。
Ortho25フィルム 硬調なトーンになりやすいので、この軟調現像液、使い勝手は好いだろう。
オルソタイプのフィルムなので、赤に対し感光性は弱い。
ポートレート写真では唇のトーンが暗く落ち、くっきりとでる。それだけでも、かなり効果的。
硬調現像を使って現像すると、
肌の微細なテクスチャーがくっきりで、
Retro80Sフィルムでは捉えることのできない調子になった。
テスト現像した結果です。

軟調現像だと、暗い部分のディテールも潰れずにでてくる。

赤紫の花を撮影、硬調現像液で現像した。
パンクロフィルムだと白く写るところだと思う。
白飽和も黒潰れもなく、なだらかなトーンのネガになった。
銀粒子も細かく、ざらつきもでない。人物向きであることは確かだし、
風景写真(山岳など)にも向いたフィルムかもしれない。(扱いにくいけど)
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ポートレート写真は、
被写体の許諾がないと ブログに載せるわけに行かないので、
載せるようになっても だいぶ後のことになると思う。
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- 2017/11/17(金) 23:34:45|
- フィルムの眼
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