フィルムの時代、森山大道風写真を
「作る」のは大変なことだった。
暗室で悪戦苦闘を覚悟しないとできないだろうと、戦う前に戦意喪失「無理」と後ずさり。
手を出せなかった。
いまでも、黒光りするアメ車の写真や、花ビラの写真、
キャベツの写真などは、とても作れるものでないと 思っている。
デジタルの時代になり、優秀なレタッチソフトが利用できるようになる。
白黒の対比の美しい写真を、簡単に作れるようになってきた。
今年 撮った写真をから4枚選び、
森山大道風トーンになるよう
レタッチソフトを使って作ってみた。




テーストは似せても、対象を切り取る「眼」は 真似ることできない。
似ているが、訴えるものがない。
ここに超えがたい壁がある。
当然のことだと思う。
じっと見ていると、撮影者の卑しい魂胆が見え隠れしてくる。
撮影者の立ち位置が見えてきてしまう。
写真とは 恐ろしいところがある。
時として、撮影者自身も写しこまれてしまう。
こころざし、腹に一物あるか否かが境目。
ないものが、受け狙いして、安易にレタッチソフトを動かしたら、
キャッチーな写真を作れるかもしれないが、
すぐに鍍金ははがれてしまうということだろう。
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- 2017/10/15(日) 15:40:34|
- 写真の技法
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