「賀茂河の水、双六の賽、山法師。是ぞわが心にかなはぬもの」
今日はハロウィンの日、
渋谷を活気づかせようとして渋谷区は、
ハロウィンを盛り上げてきたのに、
一転して「来ないでくれ」という。
ハロウィンの集団は 山法師と化したのだろうか?


権威という威光があっても、意に沿わないことがあるのは世の常。
これが正解(正義)と独善的になると、騒ぎは絶えない。
どうなるのでしょう?
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- 2023/10/31(火) 22:35:46|
- 都会の景観 Tokyo
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この4ヶ月、青写真を作ろうと試行錯誤中。
紙の種類によって、青写真のトーンが変わり、千差万別。
予期しない現象にぶつかり、思わず「化学者魂」が刺激される。
青写真には秘められた奥深いものがあるなぁと思っている。
それが知りたい。
新たな紙を求めて、新宿の画材屋へ。
紙を数種類購入後、新宿の町をぶらぶらと散歩。


フィルム写真を撮る機会は減っている。
数ヶ月前に使ったあと暗所に保存してあった現像液(軟調)をだして現像した。
劣化していたのか、すこし薄いネガになった。
暗部のディテールがでず、硬調気味なネガになってしまった。
この現像液を使いこなすためには、もう少し場数を踏んだ現像実験が必要だろう。
光で物質を変化させる、
只それだけの化学反応だけど、
やりたいことは、つぎから次へとでてくる。
- 2023/10/30(月) 10:39:47|
- 都会の景観 Tokyo
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閑静な西大井の住宅街を歩いていた。
時刻は午後3時過ぎ、後方右手奥の空から陽の光が坂道に射してきた。
一瞬、石壁が生き返ったように思えた。

デジタルカメラ(カラー)なら見向きもされない被写体だろう。
Retro80Sは 暗部に対し足のあるフィルム。
もし、暗部に注目したら絞り f:4、1/125秒の露光だろう。
フレーミング全体の光のバランスを考えたらf:8/125秒を選ぶだろう。
しかし、石組みの壁にこだわり、敢えて絞り f:8 シャッター速度を1/500秒で撮影した。
これが正解だったか・・・となると、まだ自信はない。
狙うなら、朝。逆光の光だろう。
この時間帯なら、通勤、通学で この坂を降りて来る人がいる。
その人影が長く坂道に伸びた瞬間、シャッターを切る。
そしたら格好いい写真になる。
しかし、見てくれの良い写真をとるため、
わざわざ出てきて 意図した瞬間を待つのは心理的な抵抗がある。
定番過ぎて、新たな視点の発見にはならないから。
たまたま歩いていて、その光景を発見したらシャッターをきる。
それが、カメラを携えた散歩のすがた。
これだけでも充分楽しめている。
それ以上は求めていない。
- 2023/10/24(火) 11:49:24|
- 散歩
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区界を近くを散歩していると、
徳富蘇峰の旧宅近くに出ていた。
今は大田区記念公園になっている。

公園の前は空き地になっていた。こちらは品川区側。
雲の切れ間から、午後の日差しが柔らかく空き地を照らす。
レンズは戦前のゾナーで、最小絞りはF:11、
F:11まで絞ると、イメージサークルが小さくなり、
空(明るい)をいれたフレーミングをすると、隅の光量は落ちて暗く落ちる。
普通は、F:5.6より絞りを開けて使うことが多い。

公園内は木が茂り思ったより暗い。
f:2.8まで絞りを開けて撮影した。
被写界深度は狭くなったが、深度を外れた看板の「のぼらない・・・」の文字のボケ具合は優しい。
像の崩れの少ない綺麗なレンズだと思う。(84年前、ツアイスはこれだけの高性能レンズを既に製造していた。)

微かな木漏れ日が水面を照らす。
被写体までの距離は近い。
パンフォーカスにしたかったので、f:8まで絞った。

紫陽花が木陰に咲いていた。
現像には 一番硬調な現像液(Ⅳ)のなかから(Ⅳz)を選び使用した。
Retro80Sでは この現像液の組成が一番使いやすい。
白飽和、黒潰を比較的よく防止でき、
光の強弱がすくない日陰の撮影では、
キリッとしたコントラストの高いネガを作ることができる。
Retro80Sフィルムは現像液を変えると、トーンは変化する。
市販の現像液だとトーンを変えようとしても選択肢は限られてしまう。
使い慣れた市販の現像液で現像し、
上手くいくこともあれば、トーンがまとまらないこともある。
扱いにくいフィルムという評価になりやすいが、
自分で配合を調整し、自家現像するなら、
選択肢は広い。
使い勝手のいい、面白いフィルムだと思う。
- 2023/10/19(木) 11:24:13|
- 散歩
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カラーで撮ったら即物的。
見た瞬間、「ああそうか」と納得し、さっと違う画像に眼は移る。
一方、モノトーンで撮ると、
色の情報が消失した「アブストラクト」画像、
理解するには少しの努力を強要する。

虫食いされた「ひまわりか」、汚いだけ。
この人はこんなものが好きなのか・・・嫌だねぇ。
綺麗な花を見たいのにと。次の画像に眼を移す人もいるだろう。
でも画像をみていると、
人により、いろいろな見方、感じ方が出てくる。
それは 見る人の知性、理性の違いだろう。
モノトーン写真は見る人に、少しばかりの努力を強要する。
毛虫(幼虫)に葉を囓られたのはいつだろう?
さなぎはどこで羽化したのか?
蝶になり、今はその向日葵の花から蜜を吸っている。
蝶にとって、ひまわりは、卵から孵った毛虫の餌になり、
変態(蛹)の場所となり、蜜を吸う場所なのだろう。
蝶に徹底的に利用されるのが「向日葵」。
あまりに一方的だと思われるが、
おそらく そうではない。
蝶と向日葵は共生している。
毛虫は、葉を全て食い尽くすことはしない。
向日葵は花を咲かせると蜜を用意し、
蝶は蜜を吸い、花粉を、他の向日葵にも届け、
向日葵の繁殖の手伝いもしている。(種の多様性)
これは、単に毛虫に食い荒らされた汚い葉ではない。
ひまわりの葉は枯れようが、生命の輝きを伝えている。
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簡単に理解できるカラーほうが好まれるのは致し方ない。
しかし、嘗てテレビが普及したころ、
「一億総白痴」と苦言を呈した評論家がいたが、
いまはインターネットの普及で、
思い込みの偽情報、フェーク画像(動画も含め)がネット空間を流れていく。
「一億Qアノン化」の時代に入ったようだ。
そのとき、フィルムの眼は人に考え、反省する訓練を強いる。
フィルム写真のほうが、改変しにくい。
読むのは大変だが、フェークが入り込む余地は少ないと思っている。
- 2023/10/14(土) 09:35:55|
- ひまわり
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長い夏が終わったと思ったら、
あっという間に秋が通り過ぎていく。
枯れていく「ひまわり」など 誰も気を止めない。
虫に食い荒らされた枯れた葉など見たくもない。
刈り取られ、綺麗に整地された方がいい。

ひまわりの葉は、
やがて地に落ち、朽ち果て、土に戻っていく。
人間の眼には干からびた単なる「向日葵の葉」だが・・・・
終末の刻、葉は妖しい光を放っていた。
それをフィルムの眼は捉えていた。
- 2023/10/12(木) 17:02:56|
- ひまわり
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昼食を済ませると直ぐカメラを抱え散歩に出る。
夏の日差しは容赦ない。
歩いていると、そのうちボーとなり、なんで歩いているのか分からなくなる。
日陰を探し、立ち止まった。

前方から日傘をさした若い女性が、さっそうと歩いてくる。
あっという間に小生の前を通り過ぎる。
若さとは羨ましいもの、その後姿を一枚スナップ。
女性が来た方向を振り返り・・・奇妙な感覚に襲われる。

見たこともない通りがそこにあった。
錯視だろうか?
- 2023/10/09(月) 16:29:00|
- ある場所、ある瞬間
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Retro80Sフィルムを使い撮影。
D-76より少し硬調に仕上がる現像液(Ⅲd)を使用した。
場所は武蔵小山商店街のアーケード。

コントラスの高い、シャープな画像を得る。

白と黒(明暗)の境にエッジが出る現像液は少ない。
(Ⅲd)では 時とすると、エッジのある画像を得ることがある。
どういう光線状態で出るのか、未だよく分っていない。
エッジの利いたネガを作るなら、二液'(浴)現像だが、
戦前の処方では無理だろう。
乳剤の厚みが違うし、フィルムの感度も高くなっている。
今のフィルムに合わせた改良を行わないと、
エッジの効いた高精細なネガを得ることはできない。

エッジが出て高精細なネガになったが、副作用として銀塩粒子のザラつきがでる。
高精細と銀塩粒子のザラつき、トレードオフの関係にあるので致し方ない。
でも、Retro80Sの銀粒子かなり細かいので、この程度なら大きく伸ばしてもOKだろう。

デジタルカメラのHCB&Wモード(ハイコントラスト黒白モード)で撮影したようなネガも得た。
Retro系のフィルム、現像液によってトーンは大きく変化する。
使ってみると面白いし、楽しいフィルム、
デジタルにはない楽しみと思う。
勿論、デジタルにはデジタルならではの楽しさがあると思う。
デジタルは確かにすごい。
とても素人が捉えることが難しかった瞬間をものにしたり、
綺麗で精細な画像を得ている。
みんなプロではないかと思うような写真を撮っている。
簡単に綺麗に撮れて・・・あと何かすべきところ残されているのだろうか?
そこに引っかかっている。
デジタル写真が趣味として残っていくとしても
先細りになるのではと危惧している。
- 2023/10/04(水) 15:42:06|
- フィルムの眼
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20世紀末まで、フィルムカメラの時代が100年間ほど続いていた。
その中で、白黒フィルムが主流だったのは、1970年頃までだろう。
カラーフィルムの性能が上がり、使い易くカラーの褪色が防げるようになると、
写真はカラーフィルムの時代になっていく。
1990年代の末頃、遂にデジタルカメラの時代に入る。
その頃になると、白黒フィルムは極めてマイナーな存在となる。
それでも、世界を見渡せば、フィルム写真を使って写真を撮る人はまだいる。
日本では、コニカ、フジがフィルムの製造を止めたが、
まだフィルムを製造し、販売している会社は世界にある。
最近使用しているフィルムは、チェコのFomapan100とドイツ(ベルギーか?)のRetro80Sが多い。
武蔵小山商店街の近くを歩いていて発見した民家を撮影した。

現像液は(AⅢn1)を使用した。
出発点は、TRI-Xフィルムに合わせて成分を調整した現像液(A)に始まる。
やや軟調な現像液で、TRI-Xの粒子を荒らさず、白飽和を抑え、黒潰しないトーンを目指し開発したもの。
基本は、現像液の廃棄を極力避けたかったので、補充液を使い現像性能を一定に保つことを考えた。
それにはほぼ成功し、毎回補充液を添加し現像した。
約400本繰り返し再利用したが、いつも一定のネガを得ていた。(6年間ほどは全てこの現像液)
経済的な現像液だった。
10年程前、TRI-Xの価格が高騰し、購入を諦め、当時は安価だったKentmere400に替えたが、
現像時間をほんの少し延ばしただけで、同様に現像できた。
しかし、Kentmere400の価格が上がってきたので、
また安いフィルムを探し、RPX400に切り替えた。
このフィルム、(A)現像液では、被りが出やすく、白飽和もしていたので、成分の調整を行い最適化し(AⅡ)になった。
使ってみるとRPX400フィルム 使いやすいフィルムで、ソラリゼーション現像も 意外と上手くいった。
しかしトーンの幅が少し狭いように感じていた。
更に安いフィルムを探し、遂にRetro400Sにたどり着く。
このフィルム(AⅡ)では トーンを上手に合わせられなかった。
でも個性的なフィルムなので、なんとか使いこなしたいと思い、
リサイクルして使う(A)系統の現像液を諦め、
希釈現像に変え、一回限りで現像液は廃棄することにした。
軟調な現像液から硬調な現像液まで、様々な現像液を作りテスト、現像液を替えると、ネガのトーンも変化する。
それが面白い。興味に連れられ沢山の現像実験をしたのでフィルム現像液に関し、かなりの知見をえることができた。
今年の初め、もう一度原点にもどり、リサイクル現像考え、
(AⅡ)現像液の改良に取り組み、遂に(AⅢn1)を探し当てた。
ことし、3月からは(AⅢn1)を使用、補充液を添加して繰り返し再利用している。
現在まで、16本のフィルム、すべて上手く現像できている。

この現像液の特徴は、粒子が目立たない微粒子現像液で、
白飛び、黒潰を防止した、やや軟調な豊かなトーンのネガを得ることができる。
1300万画素 等倍まで拡大しても、銀粒子のザラつきはかなり軽減できている。
フィルムを使う人は減り、自家現像まで行う人は少なくなって来た。
でも、現像液、現像法を工夫すれば、そのフィルムの隠れた能力を引き出すことができる。
それが、フィルム写真のおおきな楽しみだと思う。
白黒フィルムを使う、最後の世代(ランナー)になってしまったのかも。
- 2023/10/03(火) 12:27:29|
- フィルムの眼
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