場所は下神明の駅に近い。
傍を新幹線が走る。
逆光だが、太陽の光が直接レンズに入らないように構図を取り撮影した。

戦前のフィルムは まだ発展途上、乳剤層が厚く、解像度は60~80本/mmだった。
そのときツアイスのレンズ性能は高く、ゾナーの解像度は150本/mm程度はあった。
フィルムの性能が向上し、
ようやく ツアイスのレンズに追いついてきたということだろう。
戦後 コンピューターの発達で、煩雑な(手間のかかる)計算が容易になった。
コーティング技術の発展、レンズに使用する硝子の種類も増え、
レンズ設計技術は飛躍的に向上している。
しかし、可視光を使う限り、解像度には限界がある。
可視光の波長は0.35~0.64ミクロン
赤い光、0.64ミクロンを識別するには
その2倍の波長(1.2ミクロン)が解像度の限界だろう。
これは830本/mmに相当し、写真用レンズの設計限界になると思う。
物理的には解像度7ミクロン程度(150本/mm)のレンズでも、
デジタルカメラに内蔵された画像ソフトが自動的に鮮明化(エッジを出し、シャープ化している)するので、
物理限界以上の2500万画素とか3000万画素の画像を生成している。
(NEX-5に60年以上前のオールドレンズをつけて撮影したが、極めてシャープな画像を得ている。)
150本/mmのレンズでも、画像処理を施せば300本/mmのレンズに変身か?
デジタルには、うまいこと「だまされている」のではという ちょっとした不信感がある。
人工衛星から地表の画像を送ってくるが、そのまま見たのでは、地表に何が写っているかよく分らないが、
コンピューターによる画像解析で生成した写真の解像度は0.5mまでアップするという。(軍事目的だろうが・・・)
その写真ならば、地表になにがあるか判明するという。
画像処理のアルゴリズムはプログラマーの技量であって、撮影者の技量にはならない。
ここに人間の介在する所は少ない。
見たいものを、望むように自動で生成してくれる。
すごい時代になったものだ。
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- 2023/09/30(土) 18:59:53|
- 新幹線の見える街 品川
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嘗てここにはお医者さんの家があった。
医院は閉められてから 年月は経過したが、
あるじなき後も、庭木は綺麗に刈り取られていた。
数年前、遂に家は解体され空き地になる。
春先になると、どこから持ち込まれたのかは不明だが、綺麗な花が咲く。
やがて夏になると雑草が生い茂り、花は覆い隠され、なくなる。
冬になると雑草は刈り取られ、また綺麗な地面が現れる。
春先、小さな花が咲き、やがて雑草が伸び、花を覆い隠す・・・・その繰り返し。
今年は雑草より背の高い「ひまわり(向日葵)」が数本 空き地で開花した。
道路を挟み三ツ木小学校の塀ぎわに、毎年「ひまわり」が植えられる。
秋になり、その種を、ネズミなどの小動物が食べ、
この空き地に持ち込まれたのかもしれない。

曇りだが 明るい空の光を感じ、逆光で撮影。
空を少し入れ、やや離れてフレーミング(約2m)した。
猫じゃらしの穂が明るくでるようハイキー狙いで焼き付けた。

そのまま近づき、腰を少しかがんで撮影。(約1.2m)
全体を少し焼き込んでみた。

別の角度からフレーミングし撮影。
やや焼き付けを濃くしてみた。

空き地のスペースを意識したフレーミング。
白飽和、黒潰しないようトーンをコントロールして焼き付けた。
たかが一本の「ひまわり」だが、撮り方はいろいろ。
その向日葵に何を感じで撮ったかで、撮る人の感性は試されると思う。
フィルムを選び、カメラを選び、レンズを選び、光を読んでフレーミング、現像しネガを作る。(作曲)
それを 表現に合わせ(解釈し)プリントする。(演奏)
「お洒落」な写真、「エモい」写真、「素敵」な写真は デジタルで撮ればいい。
フィルム写真は「ノスタルジック」だからいいとは 少しも思っていない。
モノトーンフィルムは選択肢は大きい。
撮る人の姿勢が強くでてしまう。それが面白いと思っているだけ。
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レンズは1939年製 ツアイスのゾナー50mm F:1.5
カメラはウクライナ、キーフ製 KyivⅡ(ContaxⅡ) 1951年製
レンズは84年前、カメラは72年前のものだが、今でも問題なく使用できている。(業者に頼み修理したが)
デジタルカメラに組み込まれた電子部品の耐用年数は10年くらいだろう。
上手に(大切)に使っても20年くらいが限界ではないか?と思う。
長く楽しむなら、純機械式のフィルムカメラだと思う。
- 2023/09/28(木) 12:29:44|
- ひまわり
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武蔵小山商店街、
小さい頃からこの商店街を歩いている。
店舗は少しずつ変わっていったが
商店街の印象は昔とあまり変わらない。
明るく華やかな一番賑わいある商店街というイメージがある。

記憶をたどると、やはり様変わり。
目蒲線は地上を走り、画面中央には踏切があった。
その手前に一間幅くらいの小さな店舗あり、電気部品を扱ていた。
今はその踏切もなく、その店舗もない。

この辺りは細い道が入り組み飲食店が多かった。
昼はそれほどの賑わいはなかったが、
夜は飲み屋街になり、喧噪が道に漂っていた。
駅前の再開発により、綺麗に整備されたが・・・むかし通った飲食店がなくなったのが、少し寂しい。

小学生の頃だから70年くらい前だろうか、
初めて見た屋根付きのアーケード街にびっくりした。
映画やニュースで見たアメリカの繁栄を見たような気がした。

今は、アメリカ風落書きもある。
時代の最先端を走っているのだろう・・・それが武蔵小山商店街?
- 2023/09/25(月) 09:46:28|
- 散歩
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今から9年程前、
2014年5月末からほぼ一ヶ月、青写真に挑戦したことがある。
どうすれば青写真を作ることができるかは、すぐに分ったが、そこで壁にぶち当たる。
青写真にかんする情報が不足している。
共立図書から出版された「写真の化学」(著者:菊池真一 東大教授)を開いても、
ほんの二ページの説明しかない。
三価の鉄イオン(キレート化合物)に光が当たると、
二価の鉄になり(ラジカル発生して?光還元!が起きている・・・・酸化されたものは何?)、
ターン青、不安定なFerrous-ferro-cyanide、プルシアン青に至るという生成メカニズムが示されているが、
この説明では(相転換が起きるということだろうが・・・・)何が条件か雲を掴まえるようなもの、
どのような実験を組んで調べたらいいのか?
泥沼に嵌まった感じになった。
反応は簡単そうだが・・・青色は結晶の構造が大きく関わるし・・・やはり難しいもの。
家では分析機器もないし、とっかかりが掴まない。
まぁ、青写真はできるようになった。
一旦撤退と、そのまま放置していた。
9年後 もう一度再挑戦、再検討してみようかという気になった。
(1)コロナの影響で、遠くまで散歩しなくなった。(内向き)
(2)暑い
(3)暇、「悪人閑居して不善を為す」その防止をかね、もう一度 青写真に挑戦。
ネット出調べたが、25gとか50gの「クエン酸鉄アンモン」瓶
最早 ヨドバシでも ビッグカメラでも 販売は中止していた。
森田化学で販売しているが 500g瓶では高すぎる。
遊びにそんな金額はかけたくない。
外国では青写真キットとして販売されている。
YouTubeを検索すると、日本でもそのキットを購入し青写真を楽しんでいる人がいる。
しかし、市販キットを購入して 遊ぶ気は最初からない。
家の薬品棚(主に、フィルム現像用の薬品を置いている)を探したら、
赤血塩(フェリシアン化カリ)はあった。(前回の残り)
磁性粉(マグネタイト)を作って遊んだ時の薬品、苛性ソーダ、塩化鉄(三価)、アンモニア水が残っていた。
これなら、クエン酸を入手できれば、クエン酸鉄アンモンは簡単に合成できる。
クエン酸は百均ストアーへ行き、ポットの滓取り用一箱(12g10袋入り)買ってくればいい。
今回は、クエン酸鉄アンモンと赤血塩を混合した感光液を 作らず、
「三価の鉄を含む感光液」と「赤血塩を含む現像液」に分けて
それぞれの役割を調べることから実験を開始した。

「赤血塩を含む現像液」は バッファー塩でpHを調整しただけ。
アルカリ側 現像液-4(Dev.4)> 現像液-3(Dev.3)> 現像液-1(Dev.1)>現像液-2(Dev.2) 酸性側
の順になっている。
「三価の鉄を含む感光液」は
9年前の実験ノートを参考に、そのとき効果を認めた物資(薬剤)を添加して12種類ほどの感光液を作り、試してみた。
5番の組み合わせ(添加物)が 一番濃度がでたが、
ディテールを調べると、濃度は薄いが、細かなディテールがでたのは9番だった。
まづ最初の候補は、その9番に注目し(A9)とし、組成の最適化を行った。

0番は スタートの組成、組成を変化させ(鉄、クエン酸、pH、アンモニア、添加物など)6つの組み合わせ作りテスト。
2番か3番の組み合わせが 青濃度、ディテールとも 良かったので3番を選び(A9)3の感光液とした。

青写真の評価に 小さなデジタルネガを作り、読書に使う卓上蛍光灯で感光させている。
入射光式露光計で照度測ると、ISO:100フィルムで f:3.5/60秒 EV値9.5 だった。
おそらく2000ルクス程度の明るさだと思う。
冬 自然教育園で撮った「八ツ手の蕾」の写真(ネガ)が、青写真にすると一番難しいと思っている。
なんとか、これを青写真で綺麗にプリントできないか 検討している。
青写真を作っていて難しいのは、紙によって発色、濃度、トーンの出方が変わること。
紙を替え、感光液を塗布し、実際に青写真を作ってみる。
その印画紙を、四種の現像液を作って現像し、評価する。
手間のかかる方法だが、手早く簡単にできたら 面白みはない。
どれだけ失敗できるかを 楽しんでいるようなもの。
徐々に分ってくると思うが、感光液、紙の質、現像液との関係性は 把握できていない。

できればA4 あるいはそれ以上の用紙に感光液を塗布し、壁に貼って鑑賞できるものをと 思うが、
感光液の塗布法にも、問題は山積している。
テクニック、コツという個人の技量に依存する部分も多い。
場数踏まないと、見て楽しい写真にはならないと感じている。

「塗りむら」を味わいとする人もいるが、なるべく均一に塗布できてから、塗りむらを作るならいいが、
均一に塗布できないのに それで良し(味わい)とするのは 如何なものかと思う。
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例示したなかに E-3とかEM-GP2という感光液があるが、
これは(A9)3感光液を基に PETフィルムに塗布することを考え乳剤にしたもの。
EM-GP2は、残念ながらPETに塗布できても現像で剥離し使えなかった。
今のところPET(ポリエステル)フィルムに塗布できたのは、E-3乳剤。
PETフィルムに塗布し 直接カメラに装填し撮影するには、E-3乳剤の改良・最適化は必要と考えている。
(Sunny16の条件で、f:4×30分の露光で撮ることができるのではと期待している。)
(A9)3を乳剤化するため使用した薬品は、全て家庭にあるごく普通のもの。
なければ 近くのスーパーマーケットや百均ショップで入手できるものばかりです。
(A5)の感光液は、更に改良し高感度化を図り、
フィルムネガから直接 感光液を塗布した印画紙で、青写真を作ることができればいいと 思っている。
道のりは 長そうだが、やってやれないことはないと 思う。
駄目だとしても、何かは得ているとポジティブに考えている。
それにしても 青写真 奥が深い。
まだメカニズムは不明のまま。
- 2023/09/20(水) 18:22:11|
- 青写真
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ドイツのアグファ社とベルギーのゲバルト社は合弁しているので、
Retro80Sフィルム、どちらの製品か よく分らない。
しかし、どちらの部門であれ、技術開発力のあるフィルムメーカーの製品だと思う。

カメラは、日本光学製 Nikon SP.を使用。
そのカメラにドイツ・ツアイス社製のSonnar T 50mm F:1.5 レンズ 1939年製をつけて撮影した。
戦前のレンズでコーティングが施された初期のレンズだと思う。
最小絞りはf:11。
しかし、絞るとイメージサークルは小さくなるので、
とくに明るい空を入れて撮ると、四隅が欠られたようになる。
絞りを開け、f:5.6より小さくすると、イメージサークルは広がり、欠けることはなくなる。
コンタックス用に開発された明るいレンズで、開放絞りf:1.5だった。
初期のレンズは 最小絞りf:8で f:1.5
その後改良され f:11、更に後期(戦前の)ではf:22が最小絞りになる。
ゾナータイプではf:1.5が限界だったようで、それ以上明るいレンズは出していない。
それが 旧ツアイスの技術陣の結論だったようだ。
戦前のレンズと侮ることはできない。

本堂の屋根の上に鳩が5羽とまっていた。
ピクセル等倍まで拡大し確認すると、しっかりと姿を捉えていた。
Retro80Sフィルムは戦後になって開発されたポリエステルに
赤外部まで感光領域を広げた乳剤を塗布している。
銀粒子は細かい。
現像液を選ぶと、粒状感を余り感じさせないネガになる。

中景の部分を拡大すると、キリッとした精細感は余り感じないが、
それでも人の表情は判読できる。

近景もディテールはでている。
戦前 既に解像度は高く、コントラストのあるレンズが生産されていたことに驚く。

暗い部分を拡大、黒潰の具合をチェック。
現在のレンズに比べたら、レンズ性能は劣るだろうが、四つ切り、半切程度までの引き伸ばしなら、
気になるようなプリントにはならない。、
写真を楽しむのなら、レンズの解像度、シャープさ、
フィルムの粒状感、トーンの広がり、これで充分だと思う。
デジタルカメラなら、2000万画素、4000万画素が 当たり前だろうが、
そんな高画素を欲しがるのは、仕事で大画面のプリントが必要なプロの写真家だけだと思う。
パソコンのモニターだと200万画素程度。
4Kモニターで約800万画素 8Kでようやく約3300万画素。
大型の液晶モニターで 写真を楽しむとしても・・・1200万画素もあれば充分ではないだろうか?
高性能なデジカメと、最適化したデジカメ用レンズを何故求めるのか 小生にはよく分らない。
デジタルカメラは 12年前に購入したSony NEX-5 を持っている。
それで充分。いまでも満足して使っている。
これ以上のスペックのデジカメ 必要だろうか?
遊ぶなら フィルム写真だとおもう。
- 2023/09/18(月) 23:00:30|
- レンズの眼、カメラの眼
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本門寺への散歩の途中で撮ったもの。
美しい花を求める人、きっちりとした構図を求める人、
市井の生活を記録したい人、風景写真を求める人、
人それぞれ。
自分の興味に従い「出会い」を待ち、写真を撮る。

鎖に繋がれた囚われ人?
悪い連想はしたくない、
これは、黒い「てるてる坊主」だろうと納得させる気持ちが強い。
2022年2月26日、ロシア軍がウクライナへ侵攻し、戦争が勃発した。
そのほぼ一年後に、この写真を撮っている。
やりきれない気持ちが 被写体を選んでしまうのか。
綺麗な花より、醜く萎んだ花にレンズを向けたり、
不気味な樹の文様を 探す自分がいる。
- 2023/09/15(金) 12:03:12|
- 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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戦争末期になると、
各地の軍需工場地帯は、
連合国(米国)の標的となり、空襲を受ける。
品川区、大田区は
1945年3月ころから5月あたりまで、
幾度となくB29の空襲を受け、
品川区で消失した家屋は、6万8400棟に及んだという。
8月に日本はポスダム宣言を受け入れたので、
その数か月前のことである。
戸越銀座駅、戸越公園駅、下神明駅で示された三角形の地域は、
焼け野原になったという。
武蔵小山、荏原、旗の台あたりも火の海になり、ほとんどの家は消失している。
今、散歩中、古い家を 見つけると、
ここは焼夷弾の落ちなかった地域だろうと想像する。

おそらくこの家の人は、愛着を持っているのだろうと思う。

更地にして建て替えたほうが合理的だろうが、
「これは残す」という意思を感じる。
おそらく内装は新しくして住居の一部として使用しているようだ。

この土蔵は、江戸時代、品川宿からの桐ケ谷に至る道筋に建っている。
三ツ木という場所の、土地の記憶になっていると思う。
- 2023/09/12(火) 18:49:41|
- 都会の景観 Tokyo
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桜が散ると、春の花が一斉に咲き出す。
木蓮に始まり、コブシ、チューリップと咲く。
公園巡りして撮ろうと思っていたが、
どう撮ればいいか 悶々として アイデアも浮かばない。
横を通り過ぎても、ほんの一カットか二カット、シャッターを切るだけ。
結局 季節が過ぎてから撮っておけばよかったなぁと嘆息する。
藤の花も良かったが・・・・
このところ散歩で歩く公園に藤棚が少なくなってきた。
嘗ては戸越公園にも藤棚が二カ所あったが、
今は 公園内の整備が進み、全て撤去。
苔脅かしのようなものが建っている。
品川区内を探せばあるのかもしれないが、
藤棚がある公立公園を、見たことはない。
居木橋近くに、神戸製鋼の大きなビルがある。
敷地内が庭園になっていて、一般に開放されている。

あそこなら、と出かけた。
藤の花の季節も短い。
期間はおそらく一週間程度。
撮ろうと思ったときは、すでに花はなかった。
歳月人を待たず、果たして来年 逢えるかどうかだな。
- 2023/09/08(金) 11:23:58|
- 樹、草、花
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荏原中延の駅を曲がり
横町に入ると、短い飲屋街があった。
まだ、夕暮れのゴールデンタイムには早い。

こんな場末の飲み屋街に、
ユニオンジャックの旗とは 洒落たもの。
英国風パブ?
そうは見えなかったが、面白いとカメラを構える。
「あの お爺さん 何しているのだろう??」
傍を訝しそうに少女が過ぎて行く。
・・・・決して怪しい者ではありません。
- 2023/09/07(木) 19:03:01|
- Street Photograph
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今年は紫陽花を撮ろうと思っていた。
湿った薄暗い場所に、ひっそりと咲く紫陽花か、
あるいは、醜く萎み 心を苛つかせるような紫陽花を イメージし、探していた。
外に出る機会が少なくなり(言い訳です)、イメージした写真は、撮れなかった。
林試の森で出逢った紫陽花。

現像液に微粒子現像液(AⅢn1)を使用した。
トーンの破堤はない。整いすぎている。
何かが足りない。
硬調な現像液(Ⅳ)で、葉を鈍く輝くようなトーンにし、葉脈を強調させたほうが良かったかと思う。
この紫陽花、林試の森のどこで撮ったか、どの枝かもよく覚えている。
9月になった。
台風の影響で雨の日が続きそうだが、
もし 花が枯れたまま残っていたら・・・・もう一度チャレンジしてもいい。
そのときは 同じカメラ、同じレンズ、同じフィルムで撮るつもり。
- 2023/09/04(月) 11:51:43|
- 樹、草、花
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7月になってから 暑い日が続いていた。
すると急に左膝が痛み、正座することができなくなる。
初めての経験だった。
暑さと膝の痛みは、老体には、厳しい。
ようやく膝の痛みは消えてきたが、
長い時間の散歩は、まだ自信がない。
夏の日差しのきつい午後、リハビリを兼ねて戸越銀座商店街を歩く。

戸越銀座商店街は東西の方向に長く伸びている。
西空の夏雲を撮ってみた。
時刻は午後2時頃、一日でも一番暑い頃だが、それでも人出はある。

東空の夏雲を撮った。
フィルターはUVを使用。
コントラストの調整に使うY(黄)フィルターやオレンジフィルターは使っていない。
明るい雲の白から、光の弱い軒先までトーンは繋がっている。
デジタルならHDR(ハイダイナミックレンジ)処理を少し施したようなトーンと呼べるだろうか?
カメラはウクライナ、キーフ製のKyivⅡ、レンズは同じキーフ製のJupiter-12 35mm F:2.8を使用した。
カメラもレンズもオリジナルは戦前のツアイス製のもの。
フィルムは、アグファ製のRetro80S(今はRolleiブランドで販売)を使っている。
全てドイツ由来のものを使用していた。
このフィルム、ハーフトーンから明るい部分、トーンは急に上がりコントラストが高いが、
ハーフトーンから暗部は徐々に緩やかになり軟調なトーンになる。
暗い部分のディテールを潰さないよう軟調な現像液で現像を押す。
軟調な現像液としてD-23は有名だが、市販はされていない。
戦前から、沢山の処方が開発され、雑誌等に公開されている。
D-76にしろ、ロジナールにしろ 全て古い現像液だと思うのだが、、
この頃は、淘汰が進み、手軽さから市販の現像液を購入して使うことが多い。
そうなると、成分表示がブラックボックス化され、
ロジナールなど(D-76より古い処方)が魔法の現像液のような印象を与える。
現在のロジナールには、なにか重要な成分が入っていて、
この現像液でないと 上手く現像できないのではないかという気分にさせる。
市販の現像液を使うつもりはなくなっているので・・・・
今更 ロジナールという気にはなれない。
SPDもD-76も使うことはないだろう。
- 2023/09/03(日) 12:37:22|
- 都会の景観 Tokyo
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今使っているフィルムスキャナーはエプソンのf-3200という機種。
もう15年くらいは使い続けている。
約1600本ほどのネガをスキャンしている。
3200dpiでフィルムをスキャンしている、(メーカーの保証値は3200dpi)
35mmフィルムの場合 約1300万画素のデジタル画像を得る。
これで充分だというのが、購入するときの判断。
当時使っていたフィルムはTRI-X。
ISO:400の高感度フィルム。このフィルムの解像度はそれほど高くない。
120本/mmあるかないか程度だと思う。
(昭和30年頃のマイクロコピーフィルムの解像度は僅か300~400本/mm、昭和40年頃で600本/mm程度だった記憶がある。)
120本/mmで計算すると、35mmフィルムで約1200万画素が限界。
小生の使っているオールドレンズは 当時の最高級品、ゾナーの解像度は150本/mmはある。
中心部は高いが、周辺部になると落ちるが、それでも100本/mm以上ある。
フィルムの解像度と、スキャナーの解像度を比較し、問題なく使えると判断した。
勿論、スキャナーの解像度はネガの銀粒子まで克明に記録、画像化できるので、
高いほど最終画像は良くなる。
その分取り込みの時間、ファイルのサイズが大きくなるので、このあたりが現在の限界。
(将来、技術が進めば、6400dpiあたりが狙い目になる。)
なるべく、スキャナーの設定した条件でスキャンすることにしている。

スキャナーの基本設定は、
白黒フィルム
イメージタイプ 16bitグレー
解像度 3200
アンシャープマスク にチャックを入れておく。
ヒストグラム調整で取り込む範囲、Low値とUp値を決め、
出力範囲を、それより少し多めに設定。
トーンカーブを見ながら中間値をスライドさせ、なるべく直線になるよう取り込みの設定を行う。
(ここまで手動)
ライティングの濃度調整は、スキャナー任せだが、Retro系フィルムの場合、ほぼ「浅い感じ」に近い設定になっていることが多い。
(ハーフトーンから明るい部分は直線、暗い部分をほんのすこし持ち上げる設定になっていた)
Fomapan100だと、コントラストを高めにする設定になることが多い。(そのようなプログラミングが為されているようだ)
スキャンは同梱されていたPSE(PhotoShopElement)から利用する形になっている。
画像はPSEに取り込まれる。
PSEには画像処理のプログラムも各種入っているが、
画像の濃度調整(明るくするか、暗くするか)とコントラストの調整を使うくらいに留めている。
シャープ調整や画像フィルター(沢山の処理プログラムが入っている)の機能は使っていない。
画像の一部を 焼き込んだり、覆い焼きする機能は、暗室時代を思い出し、時たま使う。
なるべく 印画紙に焼いていたころの技法が使える範囲でPSEを利用することを心がけている。

スキャナーの濃度補正設定を「コントラスト強く」に設定して、
同じフィルムを、スキャンした。
PSEに取り込んだ画像を、スライドバーで、
暗い部分のディテールがなくなるまで 全体濃度を上げて画像を調整した。
モノトーン写真は、暗い方が なにか曰わくありげで(自己主張?)キャッチーと考える人は多い。

スキャナーの濃度補正設定を「重い感じ」に設定し、スキャンした。
PSEに取り込んだ画像を、暗部のディテールを覆い焼きを施して出したが、
スキャナーの濃度補正設定を「シャドー部を出す」の設定(覆い焼きに近い)で取り込み、
PSEで画像濃度を暗くしていったほうが良かったかもしれない。
濃度設定を「リニア」(直線)にしてスキャナーで取り込み、
あとは優秀なレタッチソフトで、トーンを作ってけばいいという考えもあるが、
レタッチソフトで、トーンを弄(いじ)るたびに、トーンの豊かさは減っていく気がしてならない。
豊かなトーンの写真を見たい、作りたいと 思っているので、
ネガからスキャンしたら、その後のレタッチソフトの使用は最小限になるように心がけている。
2003年頃のPSEだけど、小生はこれで充分満足している。
最新のレタッチソフトは、高機能で望みの画像を作ってくれるようだが、
レタッチソフトに遊ばされているだけのような気がしてならない。
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使ったフィルムはRetro80S 現像液は微粒子現像液(AⅢn1)を使用した。
- 2023/09/01(金) 10:45:45|
- 写真の技法
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