最終目的地、不忍池でスナップ写真。

花の季節はとっくに過ぎているが、不忍池といえば、蓮だろう。

トーンを意識して逆光からやや逆光の光線を狙うことが多い。
強い光がレンズに入ると、ゴーストがでたり、コントラストが低下する。
でも、フードは殆どの場合つけない。
携帯に邪魔(かさばる)だし、光を上手に逃げれば、どうにかなると思っている。

10年前くらいなら、デジカメを肩からぶら下げて歩いている人をよく見たが、
この頃は殆ど見当たらなくなった。
若い女性が二眼レフを首からぶら下げて歩く姿もあった。
あれは一時のブームだったのだろうか?
散歩がてら撮るならスマホ(Phone-Camera)だろう。
この頃は、一枚の写真より、スマホで撮った動画(Movie)にトレンドが移っているのかも。

スマホ無しの生活は考えられないようだ。
デジタルカメラは、今後も衰退し、一部のどうしても必要な人(仕事として)のカメラになる。
おそらく価格は急騰し、趣味で使うレベルではなくなる。
道楽者が手にするカメラになる。

映像機器の発達が、(人の)写真表現を深化し、さらに豊なものになるのか、
AIによってコントロールされた画像表現になっていくのか、(機械の奴隷)
まだ、判然としない。
綺麗で上手い、でも金太郎飴のような(均一な)デジタル画像を沢山見ていると、
使っているのは人?それとも人が使われている? どちらなのだろうと危惧してしてしまう。

意識の底でうごめいている大切なものはどこへ消えたのだろう。
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- 2022/10/31(月) 12:24:09|
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三崎坂を登っていくと、古い店舗を見る。

嘗ては造り酒屋だったのだろう。

若い女性がでてきて坂を登っていく。
釣られるように、その後を歩く。
女性は数軒先の店舗へ消えた。

坂はT字路となり、右に曲がり上野公園の方向を選ぶ。
道なりに歩くと「岡埜栄泉」の前にでる。
この日は定休日だった。
歴史のある老舗だが、
今は東京の各地に店舗を構える。
ここが発祥の店かもしれない。
数年前、小石川に店舗があったので、
そこで豆大福を買った覚えがある。
店員に、谷中の「岡埜栄泉」とどういう関係か尋ねたが、
全然関係ないような素振りだったが・・・どうしたものかと思った記憶が残る。
小石川の店舗のほうが新しく綺麗で立派だったことは確かだけど・・・
ここまで来ると、上野公園は近い。
芸大の裏を歩き、不忍池を目指す。

途中 樹木で覆われたビルがあった。
スーパー・パンクロフィルムの威力。
Retro400Sを使用しているので、照らされた葉が白く輝いたトーンになる。

上野公園の環境に配慮したビルなのだろう。
上層階の生活感もいいポイントになっていると思う。
- 2022/10/30(日) 09:55:52|
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お彼岸の一日、
白山のお寺にお墓参りをした。
墓参りを済ませ、妻と近くで食事。
其処で別れ、小生はカメラを肩にぶらぶらと散歩した。

都営地下鉄「白山駅」で下車し、白山坂上へ。
ここで右に折れ、谷中の方向を目指す。

気持ちのいい秋晴れの日だった。
本郷台地を下ると、千駄木に入る。

ちょっと洒落た喫茶店もある。

白山から上野まで 江戸の街を囲むようにお寺が並んでいる。
当時は、江戸の郊外だったのだろう。

家に立て籠もり、二液(浴)現像法の開発を行っていた。
本命と思っていた(Ⅱnf)現像促進剤に欠陥が見つかり、四苦八苦していた。
ミニセルのテストでは評価できないと、実際の現像タンクで現像し、評価していたころだった。
フィルムを短く切り、12コマから18コマになるようにしてテスト撮影、テスト現像を繰り返していた。

この写真も その頃のもの。
短く切ったフィルムをパトローネに詰め、3本持っていった。
その最初のフィルムから、選んだ。
- 2022/10/29(土) 12:09:00|
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コロナやウクライナの戦争があってか、
この2,3年 遠出することが少なくなった。
出たとしても、長居は無用とすぐ帰宅する。
閉じこもりは、次の飛躍(この歳になって、そうなものあるかとは思うけど)の準備と、
7月の中頃から、二液現像法をテストしていた。
森山大道氏の「黒光りするアメ車」(小生が勝手に名付けている)のような、
艶やかな黒いアメ車のボディが 再現できないかと思って始めた現像実験。
ようやく、3つのフィルムで その現像実験は終了。
実践でトーンがどのようになるか試している段階に入った。
時間、手間は掛かるけど、趣味なので期限は決めていない。
厭きたらストップすればいい。
黒いアメ車のボディはRetro系のフィルムがいいだろうと思っていたが、
Fomapan100でも、かなりいいトーンが出せていた。

二浴目(ここで現像が始まる)の(BⅢ)は やや硬調な現像促進液、
トーンはそろい、黒潰の部分はないように思える。
でもその分、黒光りの点で少しおとなしい感じがする

二浴目に一番硬調な(Ⅱkf)を使うと、黒潰した部分が出てくる。
しかし、この黒光のトーンは豊な感じがする。
でも、この辺りになると、プリントの善し悪しで決まる部分も多い。
上手に覆い焼きできたら、綺麗なプリントが完成するかも。
ネガは作曲、プリントは演奏。
まだ試していない促進液はある。
順次試すつもりでいる。
- 2022/10/28(金) 11:37:32|
- フィルムの眼
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Fomapan100で こんなトーンの写真ができるとは思わなかった。

戦前の写真家、Paul Strandの作品の中に、似たトーンの写真があった記憶が残る。
大きな乾板写真の時代、乳剤層が厚いので、
黒が締まり厚みのある白が表現できるのだろうと 思っていたが、
この方法でも それに近いトーンが出せたのが驚き。
二液現像法の精細感(Acutance)と粒状感はトレードオフ、
精細で粒子のない写真を撮るなら、
大判カメラで撮るか、粒子の細かな低感度フィルムを使えば、こんな表現も可能になると思う。
ISO:400の高感度フィルムより、ISO:100以下の低感度フィルムに向いた現像方法だろう。
- 2022/10/25(火) 10:58:18|
- ある場所、ある瞬間
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一つの現像液の成分を、
現像主剤(ハイドロキノンやメトール酸)と 現像促進成分の二つの液に分けて現像するのが二液現像法。
効果としては、現像の進む明るい部分を抑え、暗い部分の現像を促進する効果があると言われている。
フィルム(あるいは乾板)の乳剤層が厚い時には、有効な現像方法で、
第二次世界大戦前には 写真家(あるいは写真愛好家)の間では 使われた現像法だったらしい。
有名な風景写真家、アンセルアダムスもこの方法を使用していたようで、彼の著書でも紹介されている。
しかし、戦後、フィルムの乳剤の性能が上がり、乳剤層は薄くなり、高感度になってからは、
有用性が感じられなくなり、今では使う人は ほぼいないのではないか?
15年ほど前、散歩にカメラを持ちだした頃、自家現像しようと、この方法を試したことがあったが、
現像主剤のみの液といっても、軟調なD-23現像液の組成と似たもので、最初の液で、現像は進行していた。
漬す時間が少ないと、ネガの濃度は薄く、漬す時間を延ばせば、ネガ濃度は上がるので、
二液現像法とは言うが、そんな特別な魔法の現像法ではなく、普通の一液現像と それほど異なるものではない。
現像促進液に漬せば、少しコントラストが上がるだけだった。
もう一度やって見ようと思ったのは、現像主剤の入った液を pH6以下にすれば、
現像の進行を、ほぼ無視できる速度まで低下することが分っていたからである。
(数年前、Retro系フィルムの現像条件を検討して判明していた。)
今回 現像実験の結果を示すと、

二液現像で使用した促進液は(Ⅱnf)、現像成分の入った液は(Afx)、
二つの液を混合すると(Ⅱzf5)現像液の組成にちかいものになる。
ミニセルでの現像結果は 一液現像の(Ⅱzf5)のほうが、二液現像(Afx)-(Ⅱnf) より、
グレースケールのピークは整っていて、かつピークの分離もいい。トーン幅も広い。
二液現像すると、暗部と明部の二つの山になっていた。これが二液現像の効果だろう。
でもトーン幅は、少し狭くなったし、ピークの切れもちょっと悪い。
一液現像(Ⅱzf5)では、

二液現像法に見られるエッジ効果はない。黒い部分の微妙なトーンは二液現像のほうが良いように思う。

これなど「アメ車」の滑りとした輝きが出たかなぁ・・・と一瞬よろこんだが、しかし、黒が潰れすぎ、未だしとそのときは思った。

二液現像は白黒の境界でエッジが出やすく、精細感がでるが、
一液現像では、エッジはでないが、
明るい部分に対する独特の表現力はあると思う。
二液現像ではエッジがでるので、石畳の目地や階段、手すりなどがくっきりと出る。


反射光の輝きを、独特のトーンで記録してくれる。
従来の一液現像では達成の難しいトーン。
あらたな選択肢が広がったと思う。
- 2022/10/23(日) 22:18:11|
- フィルムの眼
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9月14日に撮影している。
この頃は、第七波のコロナ感染が峠を越え、ようやく減少してきていた。
それでも第七波の波が大きすぎたので、安心できる気分ではない。

午後4時過ぎ、まだ会社の勤務時間が終わる時刻ではないが、
初老の男性が一人、ビールを飲んでいた。
おそらく自営業の方だろう。取引先と打ち合わせが終了し、ここで一息。
ジョッキの残りはあと僅か。
飲み干したら、帰宅するのだろう。
この情景・情感を、どう切り取ったらいいのか、
光を読み、その効果を考た。
男性にピントを合わせることを止め、
ビア樽にピントを合わせた。
ビア樽の存在感を増すよう、
露光(を切り詰め)と現像液の選定を変えたほうが良かったかもしれない。
これ(切り取り方と狙い)が正解だったかは分らない。
それがフィルム写真の難しいところ。
- 2022/10/20(木) 11:34:20|
- ある場所、ある瞬間
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用事があり、スカイツリーの見える曳舟に行った。
用事が終われば、辺りをぶらぶらと散歩する。

東武・曳舟駅から見たスカイツリー。

区割りのためか、スカイツリー方面へ向かう道が多い。
通りごとにスカイツリーが見える。




あてもなくぶらぶら歩いていると、こんな医院にも行き当たる。

昔は栄えた商店街だったようだが、
スカイツリーに吸い寄せられ、
人の流れも変化したのかもしれない。
ちょっとした変化が、大きな変化を生む。
栄枯盛衰は抗しがたい。
- 2022/10/18(火) 14:20:18|
- 都会の景観 Tokyo
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コロナで、外出は家の周囲、電車に乗り遠くに出向くことも減った。
ウクライナの戦争も有り、連日 PCの前で、外国の新聞社やYouTubeの動画をみている状況。
家のなかにいる時間が増えていた。
老人は閑居すると、なにかしたくなる。
二液現像をもう一度見直してみようと思い立ち、
7月の後半から その作業をしていた。
100フィート巻きのFomapan100缶 半分と、Retro400S缶 一缶を使い切ってしまった。
結局、2ヶ月半で、100フィート一缶半使い切ったことになる。
あとの残ったのは、ミニセルで現像したテストストリップと、試し現像したネガの束が残った。
テストなので 失敗ネガも多い。

(小生の)勘に頼った露出では正確な比較にならないと、
露光計が内蔵されているBessR2S(ニコンSマウント用)か、BessaR(ライカ・スクリューマウント用)のカメラを使用した。
露光は追尾式(自動ではない)、絞りあるいはシャッター速度を変えて合わせた。

(Afx)と(BⅠ)を混合したら、(Ⅰfx)に近い組成の現像液になる。
D-76より少し軟調な現像液になるはずだが、それより少し硬調で、D-76に近いトーンだと思う。
白飛びを防ぎ、暗い部分のディテール(屋内の様子)もしっかり表現できている。


この現像法は エッジが立ち精細感がでる。
デジタルカメラの画像に近くなると思う。
でもデジタル・モノトーンより 白飛びは抑えられると思う。

新橋のライオンに比べ、こちらの方が風格があるように感じる。
でも、いつになったらマスクが取れるのだろう?
- 2022/10/15(土) 12:04:10|
- 都会の景観 Tokyo
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10年くらい前になるだろうか、
森山大道の写真展で、「黒塗りのアメ車」の作品を見たことがある。
黒いボディーに滑らかな光沢が出ていた。
大きく引き伸ばされているのに粒状感はない。
美しいものだと思った。
氏の作品としては異質。
写真でも、あれだけの黒い輝きを出せる。
できるものなら、車の輝きを同じように出したいもの。
Retro80S、あるいはRetro400Sフィルムを硬調な現像液(Ⅳ)で現像し、種々試みたが、余り上手くいかない。
どうやら、文献複写(保存)用のマイクロフィルムを使ったらしい・・・と今では考えている。
大画面に引き伸ばされていたが、粒子は感じない。氏が常用するTRI-Xではないだろう。
もう35mmカメラで使えるマイクロフィルムは販売されていない。
でも二液(浴)現像法なら 近づけるかもしれないと思い、
調整液を硬調な(Ⅱ)液で試してみた。

(Ⅱkf)は黒い部分の表情がすこし不足している。

(Ⅱnhq)では、物足りない。

結局(Ⅱnf)が 一番期待に答えてくれそうだが・・・使うのが難しい、非常にデリケート。

でも段々と、「コツ」らしきものを掴んできた。
暗い部分に光を残し、精細(Acutanceの高い)現像をすればいいようだ。
とすると・・・何も硬調な現像に限る必要ないように思う。
「黒いアメ車」には、他のルートがあるかも。
粒状感を減らすには、感度が低く、粒子の細かなフィルムがいい。
おそらく、Retro80Sを減感現像し、ISO:25かISO:50で使えばできるかもと、期待している。
Retro80Sフィルムとオルソ25フィルムが、いまその候補に上がっている。
探せば まだ いろいろなフィルムが市販されている。
頂上(「黒いアメ車」)を目指し、さらにその先一歩、挑戦こそ趣味の醍醐味。
- 2022/10/12(水) 17:24:59|
- フィルムの眼
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近所の戸越公園で撮影。

赤外線フィルター(R72)をつけて撮影してみた。
21mmの広角レンズだが、フレーミングによっては、どこで撮ったものか、知る手がかりになるものを消せる。
風光明媚な高原を散歩し、そのとき撮ったものとフェーク情報を流すことも可能だろう。

柵があるので観光地かも・・・いえ、品川区の公園です。
ススキにはまだすこし早い。

逆光では赤外線効果は期待できないが、葉は更に白く輝く。

二液現像で処理したので、エッジがでて文字がくっきりとする。
Retro400S ISO:400の高感度フィルムだが、意外と粒子は目立たないネガもできる。
まだ、その条件を掴んだわけではないが、表現力の豊かなフィルムだと思う。
こんな看板がそこかしこにある公園です。
子供の頃、この公園で遊んだものにとって、
綺麗に整備されるほど、この公園が、よそよそしいものになっていくと感じる。
管理されたなかで「くつろげ」ということか?
- 2022/10/09(日) 11:17:00|
- 黒い花 怪しい花
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エッジが立ち、コントラストも高い。

でも、光の当たり具合の差なのだろう、違った印象の写真になる。

単純にハイキーに調整する、
あるいは、ローキーにするではないように思える。

ちょっと不気味な感じが漂う。

エッジが立ち、葉の文様がくっきりとでる。
硬調な現像液でも似た感じはできるが、ここまでくっきりとは出ないと思う。

これは、(Ⅳ)あたりの現像液でも出せるトーンだと思う。
Retro400Sと二液(浴)現像法、相性がいいように感じる。
特に、(Ⅱnf)、(Ⅱkf)、(Ⅱnhq)の組み合わせは面白い。
- 2022/10/06(木) 21:17:21|
- 黒い花 怪しい花
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光を読み、構図を決め、現像液を意識して露光を決める。
そして現像。
これでネガのトーンは決まる。
意図したものになったり、違ってしまったりするが、
そのネガを写真の濃度や、コントラストを調整し、プリントする。
ネガは作譜(作曲)、プリントは演奏。
Retro400Sとカテゴリー(Ⅱ)の現像促進液の組み合わせは、
思いがけないトーンになることが多い。

白飛びはしていないと思う。
黒潰も僅か。
絵画的?といえるだろうか。
童話の世界を表現できるような気がする。

エッジを強調した鉛筆画だろうか?

トーンが圧縮され、エッジも立った奇妙な写真になっている。
どのような光を、どの角度から捉えたらいいのか、いま試行錯誤中。
レタッチソフトのフィルター・アプリケーションを使えば、
このような写真、簡単に作れるかもしれないが、
あくまでもアナログなフィルムに拘っている。
そのほうが圧倒的に面白いから。
- 2022/10/04(火) 18:14:28|
- フィルムの眼
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月のかけらのように浮遊していた。
普段なら眼を背けているだろう。
でも何かがあるとシャッターを切る。

きれいは汚い、汚いはきれい。
美しいものを美しく撮る。
デジタルカメラになり、それが当たり前のことになる。
手軽にできることに、人は厭きる。
またかと評価(価値)は下がる。
そこに新しい「美」はあるのだろうか?
- 2022/10/03(月) 07:50:57|
- 立会川
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小さな庭の葉が濡れていた。


空から弱い光が入る。
試しに撮ってみる。
反射した微かな光も逃さない。
それが、この現像法の特徴の一つだと思う。
- 2022/10/01(土) 23:07:38|
- 黒い花 怪しい花
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