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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

二液現像法 テスト(8)      (BⅡsx)/Retro400S

Fomapan100を使い、同じような構図でスカイツリーを撮ったことがある。
同じ二液現像(あるいはニ浴現像とも呼ばれている)液でも 
Retro400Sでは現像の進みかたはずっと遅い。
Fomapn100なら一サイクルで終わるが、Retro400Sは二サイクル現像した。
Retro400S (BⅡsx) 二液現像1495#1-13
ツリーの日陰に入り構図を決める。
曇りがちの空だったが、空と雲越しの太陽にカメラは反応し、
ファインダーに適正露光を知らせる赤い○の記号がでたのは、f:11で1/2000秒だった。
もし、露光計に従わないなら、小生の勘なら、f:11で1/500秒を選ぶところ。
そんなに明るいかなぁと思いながら、まず、カメラに従い、シャッターを押す。
Retro400S (BⅡsx) 二液現像1495#1-15
シャッターは切ったが、足りないのでは?の疑念がわく。
f:11で1/1000でも撮ってみた。
空の粒状性は すこし落ちるが、
暗部の階調性と粒状性は、露光を増やした1/1000秒のほうが断然いい。
Retro400S (BⅡsx) 二液現像 等倍 1
1/2000秒では、鮮鋭度、トーン、粒状性は 劣っている。
Retro400S (BⅡsx) 二液現像 等倍 2
Rteto400Sのフィルムの銀粒子は、意外に細かく、Fomapan100とほぼ同じではないか?
使い方のよっては、Fomapan100より細かいような写真もできてくる。
このフィルムを、ISO:100で使用し、減感現像すれば、粒子の見えない豊かな階調の写真が撮れるかもしれない。
面白いフィルムだと思う。

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  1. 2022/08/31(水) 21:54:21|
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二液現像法 テスト(7)      (B)/Retro400S

戦前、アンセルアダムスが二液現像を使っていた頃は、
まず軟調な液で現像し、
ネガに、ほぼ像が出てきたら(それを確認し)、
現像主剤の入っていないアルカリ成分の液に交換し、
現像を完了させるというものだった。

アンセルアダムス法の改良を行っているが、
彼の方法との違いは現像成分を含んだ液のpHを弱酸性にし、
現像性を失った状態の液にしたこと。
現像成分はフィルムの乳剤層に浸透させるだけにした。(現像は休眠状態)
液をアルカリ成分を含む液に交換し、休眠状態だった現像性を目覚めさせる。
交換後、放置するだけ。攪拌はしない。
現像ムラがでるのではないかと心配したが、
すでに現像成分は乳剤に均一に浸透している。
液からの現像成分の拡散・浸透はない。
ムラはでなかった。
放置しておけばいいというのは、ずぼらな小生の好みである。
ネガ濃度が足りない時は、アンセルアダムスも指摘しているように、同じ操作を繰り返し、最適な濃度のネガを得るようにした。
現像タンクの中は見えないので、あらかじめミニセルによる現像を行い、現像条件を掴んだ。

Retro400S (B)1496#1-4
現像成分を含んだ液は(Afx)の組成で、ほぼ決まった。
(Afx)と(B)液を混合したら、ほぼD-76あたりの現像液になると思う。

ネガから約1300万画素で画像をデジタル化している。
その一部を 等倍まで拡大してみた。
Retro400S (B) ピクセル等倍-1
エッジがもう少し立って欲しいところ。
Retro400S (B) ピクセル等倍-3
ISO:400の高感度フィルムだが、粒状性は悪くない。
かなり精細なネガになった。
Retro400S (B) ピクセル等倍-2
黒と白の境界にエッジが少し立つ。
もうすこし欲しいところだ。
(B)液はまだ少し改良すべき点があると思う。

(BⅠ)は D-76より少し軟調、通常使用している(Ⅰ)系の現像液に近い。
(BⅡsx)は(Ⅲ)系のD-76より少し硬調な現像を狙っている。
(BⅢ)は(Ⅳ)系の硬調現像液に対応している。
(Ⅱ)系に対応したアルカリ成分を検討しているが、これが難しい。
本命と思われる組成の現像結果が不安定、気にしていなかった別の因子が有りそう。

  1. 2022/08/30(火) 10:50:19|
  2. フィルムの眼
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二液現像法 テスト(6)      (BⅠ)/Retro400S

Retro400Sは Fomapan100に比べ現像速度が遅い。
一回では無理で、サイクル現像を繰り返しネガ濃度を上げた。
Retro400S (BⅠ)1495#2-10
粒状性は悪くない。
寧ろ、Fomapan100よりザッラとした粒状感は少ない。
トーンの面白いコマ(ネガ)も混じる。

サイクルを4回繰り返しさないと、適正なネガ濃度のならないのが欠点。
一サイクルは20分だが、(B)液から(A)液のに交換するとき、洗浄操作を挟むので、25分ほどかかる。
4回だと、一本処理するのに2時間ちかく掛かる。

市販の現像液を使用したら、現像は10分以内に終了する。
自家現像している人でも、市販の現像液を使っているなら、敷居のたかい現像方法だと思う。

ましてデジタル慣れした人には、前世紀の遺物、かったるい作業と写るだろう。



  1. 2022/08/29(月) 12:40:47|
  2. フィルムの眼
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文庫の森にて

カラー写真の選択肢(表現範囲)は意外とすくない。
見たように撮れていることが前提となる。
しかし、光の色温度の影響で、見たような発色にならず、違和感のある写真になりやすい。
デイライト用のフィルムを室内の照明で使う場合、補正の色フィルターをレンズにつけた。
フィルム時代は、蛍光灯の光は鬼門だった。

デジタルカメラになり、色温度補正が容易になる。
補正された綺麗な(違和感のない)写真が普通になる。
彩度を上げたり、輝度を変化させたり、パートカラーにしてみたり、HDR処理してみたり、
現実でみたもの以上に画像を盛ることできるようになる。
一見すると写真表現が豊になったような錯覚を覚えるが、
カラー写真は、現実から乖離することはできない。
やがて厭きられ、収斂し、どれも同じ金太郎飴のような綺麗な写真ばかりになる。
写真の表現範囲となると・・・人の介入できる部分は少なくなったと思う。
散歩 文庫の森1492 #1 Retro400S-9
その点、モノクロのほうが、写真表現の範囲が広いように感じている。
現実から色をなく、白黒の世界、現実を抽象化したものがモノトーン写真。
トーンが少々変でも、それが現実の一面を捉えたものと受け入れてくれる。
散歩 文庫の森1492 #1 Retro400S-12
赤外部まで感光性のあるフィルムで撮影した。
緑の葉は、順光の光を受け、白い方にトーンが傾く。
散歩 文庫の森1492 #1 Retro400S-15
白飽和しないよう、また暗い部分が潰れないよう 注意してフィルムを現像する。
トーンは豊かだが、少し眠いトーンかもしれない。
でも「遠い夏の日の記憶」を捉えたいと思った。
このトーンでいいのでは?

白黒のトーンをはっきりさせ、今風にしたいなら、レタッチソフトで、もっと硬調なトーンにすることもできる。
印画紙に焼き付けるなら、4号(硬調)を選択する所だと思う。
撮影者(表現者)の選択肢は広い方がいいと思う。
  1. 2022/08/26(金) 12:06:53|
  2. 散歩
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二液現像法 テスト(5)      (BⅠ)/Fomapan100

前回の(Afx)-(BⅠ)の二液現像では、
2回サイクルでも少し現像オーバーだったので
サイクルを減らし、一回でテストしてみた。
本来なら、この使い方が正統だろう。
結果は、狙った濃度のネガになった。
二液現像(BⅠ)1494-28
粒状性と画像の先鋭性を確認するため、等倍まで拡大した。
ものの境界にエッジがでて、先鋭性は高いが粒子の境界もはっきり出てしまう。
二液現像(BⅠ)等倍拡大 1
この辺りが、この現像法の特徴(限界)だろう。
二液現像(BⅠ)等倍拡大 2
白飽和を防ぎ、黒潰もそれほど大きくない。
しかし、銀粒子のザッラと出た写真は・・・あまりいいとは思えない。

デジタルカメラが本格的に普及し20年は経つ。
デジタルに画素はあっても、
画素の間は補完し埋めて、滑らかな画像にしてくれる。
エッジ処理も、(レタッチソフトで)簡単にできてしまう。
デジタル・モノトーンに慣れてしまった眼には、
フィルム写真に良い評価がでるとは思えない。
致し方なし。
  1. 2022/08/25(木) 17:54:03|
  2. フィルムの眼
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二液現像法 テスト(4)       (BⅠ)/Fomapan100

前回のテスト現像では、(BⅡsx)を使用した。
一回のサイクルで少し現像オーバーになっていたので、
(B)液の組成を調整し、それより少し軟調な(BⅠ)を作った。(現像速度も少し遅くなる)
(BⅠ)液では、ミニセルを使った先行実験結果から、2回~3回のサイクル現像(繰り返し)が必要と思ったが、
実際の現像タンクのほうが、現像は良く進むので、2回の繰り返し現像とした。
二液現像法テスト(4)1493-#2-24
2回のサイクル現像では、少し現像オーバーとなった。
画像に精細感があり、使えないことはないと思うが、
銀粒子のエッジがでて、粗粒現像の印象を受ける写真になる。
この辺りの微調整は必要だと思う。
暗い部分も潰れずディテールはでているし、白飽和も感じさせない。
市販の現像液では、ここまでできないと思う。
まるでRetro系のフィルムを使っているような気になる。

  1. 2022/08/24(水) 17:34:57|
  2. フィルムの眼
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二液現像法 テスト(3)       Fomapan100

二液現像法を実施すべく、その条件をFomapan100フィルムを使いテストしていた。
これまで、条件を変えた現像サンプル(ネガ)を40枚以上作っている。
ようやく 何が因子なのか分ってきた。
しかし、もうフィルムの時代ではない。
デジタルで写真を撮っている人にとってはどうでもいい話。
物好きでないと、こんな手間の掛かる現像実験はできないだろうなぁ。

まだ完璧と呼べる状態でないが、実際の散歩でテスト撮影し、評価できる状態になった。
長巻を短く切り、パトローネに詰め露出計内蔵のカメラに装填し、カメラの露光計の指示に従いテスト撮影することにした。
ローダーのなかに残っていたフィルムは、ほんの僅かだった。(8回転分)
たいした枚数撮れると思わなかったが、
テストはテストと、カメラに詰め使ってみた。

先日、恵比寿の写真美術館へ行った時、ついでにとテストで撮影したもの。
二液現像法テスト(3)Index 1493 #1
各コマの露光(絞りとシャッター速度)と、現像後のネガ濃度は括弧のなか、(Low濃度、Up濃度)で記載した。
Fomapan100のベース濃度は60-70程度、Low濃度が100を越えると、現像被りがあると判断している。
Up濃度は210を基準にしている。210以上でも、鋭いピークになっていれば、明るい光(反射光)が入ったとしOKだが、
210以上の部分が多い場合は、オーバー現像(あるいは露光オーバー)だと判断している。
二液現像法テスト(3)1493-#1-3
(A)液は現像剤が入った液でpHは6以下、実際には5.6程度に調整している。
このpH(弱酸)では、現像性はなく、ネガを浸けても像がでてくることはない。
(B)液は活性剤(アルカリ成分)の入った液で、現像液は入っていない。
ステンレスのリールにフィルムを捲き、タンクに入れる(暗室操作)。
(ここから明るい部屋で)タンクに(A)液を入れ、4分浸したあと、現像タンクから(A)液を排出し、良く液を切ったら、(B)液を入れる。
25℃で16分現像して終了。
通常の現像操作通り、定着液で定着し、水洗いした。
ネガをスキャンしてPCに取り込む。
見た瞬間、Retro系フィルムで撮影したものかと思ってしまった。
Fomapan100では出せないトーン、Retro系フィルムのトーンによく似ていた。
二液現像法テスト(3)等倍拡大
拡大して見ると、エッジが立ったネガになっていた。(Retro系フィルムなら二段現像で出せる)
エッジが立つと、鮮明な写真になるが、大きく伸ばすと銀塩の粒状感がでてしまう。
戦前なら、大きなフォーマットの乾板を使ったので、粒状感は気にすること無かったが、
現在は、小さなフォーマットが主流、もう少し粒状感を減らすほうに(B)液を改良した方がいいだろう。
二液現像法テスト(3)1493-#1-4
二液現像のメリットは、白飽和を避け、黒潰しないネガをつくることにある。
(それがコンセプト・・・願いのようなもの・・・)
少しオーバー気味に現像するか、露光を増やせば、黒潰はかなり防げそう。
明暗差のあるフレーミングでテスト撮影。
空に合わせたら、f:8~f:11で1/250秒。
屋根の下に合わせるならf:4で1/250秒だろう。
f:5.6/250秒で撮影したコマには、建物の陰の黒く潰れる部分に、画像が微かに残っていた。
エッジが立つ現像液は少ない。
Fomapan100なら(Ⅰaf)現像。でもエッジが立つ場合は少ない。
この現像法なら、かなりの確率でエッジの立ったネガを得られるだろう。
面白い現像法だと思う。


  1. 2022/08/21(日) 18:28:39|
  2. フィルムの眼
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戸越銀座        Retro400Sフィルム

地元 戸越銀座商店街。
戸越銀座1491-26
カメラは写真表現の深いところにまで影響を与えるだろうか?
そうとは思えない。
使用したカメラ、BessaR2Sは、
コシナ社が2000年代の初め頃、S型ニコン用のカメラを製造した。
新しい設計のカメラなので、「すごい写真」が撮れるかといえば、そうではない。
レンズは そのとき同時に購入したSkopar 35mm F:2.5レンズ。

露光計が内蔵され便利になったが、いいカメラ・・・となるとちょっと疑問。
戸越銀座1490-38
Jupiter-12をKyivⅡにつけて撮影。
ビオゴンは1936年に作られたもの、その設計のままJupiterR-12は生産されてきた。
いまでも 解像度、コントラストは充分あるレンズだと思う。
KyivⅡは戦前作られたContaxⅡと同じもの。
カメラ本体の違い(Bessar2SとKyivⅡの違い)や、レンズの違いが(Skopar 35mm とJupitre-12 35mmの違い)、
写真表現の深い部分にまで、影響を与えるだろうか?
そうは思えない。必要に応じカメラを選び、レンズを選ぶ 只それだけだろう。
戸越銀座1492 #1 Retro400S-17
s型ニコン用の21mmレンズは、中古市場になかなか出てこない。
あったとしても高くて手に届かない。
コシナがSkopar 21mm F:4のレンズを出してくれたので、すぐに購入。
21mmはレンジファインダーカメラでは超広角、被写体に合わせ使うことが多い。
戸越銀座1492 #1 Retro400S-21
逆光で撮影したが、ゴーストはでにくく、コントラストの高いネガを得た。

写真のトーンとコントラストに、
カメラやレンズの与える部分は少なく、
フィルムの選定と現像液、現像法を選ぶことのほうが大きい。
トーンを考え、コントラストを考えるのは撮影者、本人に依存する。
結局、写真表現の一番深い所に関係するのは、シャッターを押す撮影者だろう。
  1. 2022/08/17(水) 15:25:25|
  2. 散歩
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スダジイ   文庫の森

この3年 家の周りを散歩する生活になっている。
同じ道を、同じように歩き、眼に付いたものをカメラに収める生活が続く。

このスダジイの樹の下も、幾度となく歩き、カメラに収めていた。
スダジイ・文庫の森1480 #5-7
暗部を出そうと二段現像した。現像オーバー、濃度の高いネガを得る。
スダジイ・文庫の森1480#5 減力処理(2)-2
太陽の当たる家の壁を考えたら、明るい部分はf:11/500秒だろう。(ISO:200)
暗い樹の葉の部分を潰さないようにするため4~5絞り分 露光を増やしてシャッターを切った。
できた露光オーバーネガを減力処理してみた。
スダジイ・文庫の森1490-3
幹のテクスチャーを出すなら、軟調現像液でなく、硬調な現像液で処理すべきだった。
スダジイ・文庫の森1491-12
光のダイナミックレンジが広い場合には、軟調現像液で処理するのが良さそうだ。
スダジイ・文庫の森1492 #1 Retro400S-8
今 開発中の二液現像のテストで撮影したもの。
被写体の光のダイナミックレンジは広い。
現像の上がったネガは、くっきりとした解像感もあり、意外と銀粒子は目立たない。
二液現像法、最適化できれば いい現像法になるかも。

しかし、現像液や現像法はテクニカルなこと。
写真の「主たる」ものではない。
一番必要なのは、この樹を表現するなら、どう撮ればいいのだろう?と考えること。
技術(テクニカル)は、その後を追うだけ(従)。

まだ、これがこの「スダジイ」だと呼べる写真を撮った気になれていない。
だから、フィルム写真は面白い。
まだ挑戦できる。
  1. 2022/08/12(金) 20:32:02|
  2. フィルムの眼
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二液現像テスト(2)

二液現像法は 80年以上昔に開発された現像法で、
昭和10年に発行された写真全書「アルス最新写真大講座」11巻にも、その説明がある。
二液現像 紹介
5つの二液現像法が列記されていたが、
5番目に紹介した「現像主薬とアルカリとを別に作っておく場合」が最も効果的として詳しく紹介されている。
現像液
第一液 
 水         200cc
メトール         1g
無水亜硫酸ソーダ   2g
第二液
水           200cc
無水亜硫酸ソーダ   2g
無水炭酸ソーダ     2g

露光した乾板を第一液にいれると、1分くらいすれば画像が淡く見える。さらに30秒から1分間その液におき、
しかる後、一寸通して(水にくぐらせること)第2液に浸す。
(ネガの)調子がよくなったところで現像を打ち切ればいい。
当時は オルソタイプのフィルム/乾板が主だったので、暗室内を赤い電球で照らし、皿(バット)現像をしていた。
乳剤の性質もかなり現在と異なっていたようだ。
第一液は、D-23で代表される軟調現像液の配合に似ている。
この現像液で、途中まで現像して、その後トーンを整えるため現像主薬を含まないアルカリ液を使用する方法だった。

いまでも使う人がいるようで、ニ浴現像法とか、シュテックラー式2浴現像法としてブログでも紹介されている。
第一液は、数分浸すだけ。浸す時間はかなりアバウトな記述。(飽和すれば それ以上の濃度にはならないというイメージだろう)
現像タンク内を目視できないので、直接確かめることはできない。
2液目の処理時間もかなりアバウト、乳剤内の現像成分がなくなれば、現像はストップする。
そのまま適当に放置しておけばいいという。かなり手軽な方法のように思える。
2液目の現像効果が喧伝されるので、現像の進行は二液目で起きるとイメージしてしまう。
何回も繰り返し使えること、(第一液の劣化はないと思いたいのだろう)
フィルムの種類やフィルム感度にあまり影響を受けないので、使い勝手がいいとされている。

15年ほど前、試したことがあったが、第一液を何回も使えるか・・・となると、
そうでもなく、使うほど画像は薄くなり、トーンの安定性に欠けてきた。
結局 「第一液で ほぼ現像を終了させ、第2液でトーンを調子を整える」が結論だった。
10本くらい現像したと思うが、なんだこの方法と思い、すぐ使うのを止めた。
(二液現像の亜流、二段現像法を開発し、使っているが、特殊な効果を狙った現像法。)

現像が、どういうメカニズムで進むのが分らないまま、
すごい現像法として 使う人がいるように感じる。
考え方は魅力的、乳剤内に残った未反応の現像液が
低照度の銀塩部分の現像を進行させ、豊かなトーンのネガを作る。
「講釈師、見てきたような嘘をつき」にならないよう、検証可能なエビデンスが必要だろう。
すくなくとも、戦前の「アルス最新写真大講座」では、
第一液でも、現像は進むとしている。
第一液を何回も繰り返し使えるという記述はない。
暗室内で 現像の進行を目視し、適当と思うところで第二液のバット(皿)へ移動させ、現像を完成させるのが二液(浴)現像法、
乳剤の薄い、そして乳剤の構造(架橋構造技術の進歩)も違うフィルムに、
昔の二液現像法をそのまま適用すのは無理があると思う。
(ネガに浸しただけなので、第一液の品質の変化はほぼなく、何回も使えると思いたいのは願望で、エビデンスのある話になっていない。願望か事実かはっきりさせるべき。)

フィルムの乳剤の構造は戦前と異なり、乳剤の厚みも薄くなっている。
二液現像を行うなら、現代のフィルムに合わせた方法を探すべきだろう。

第一液と第二液に分けたことで、検討すべき項目が増えている。
第一液と第二液の効果を分けて評価するため、現像操作も煩雑になる。
テストピースを30個作ったが、まだ、条件を掴んだわけではない。
一応、できそうな方法が見つかったので、Fomapan100フィルムを使用し、テスト撮影してみた。
二液現像テスト(2)Index 1492-#2
(A)液は 現像成分を含んだ液。(B)液は 現像成分を含まないアルカリ水溶液。
メトール、ハイドロキノンなどの現像成分を含んだ液は、pH7以上で現像性を示す。pH6以下になると、殆ど現像性はなくなる。
(Af)液のpHは6以下、pH5.5近くに調整した。(B)液は、Boraxをアルカリ成分にし少量の亜硫酸ソーダとKBrを加えている。
(Af)液は現像性がないので、(Af)液に浸す時間を4分とし、よく攪拌し均一にフィルムに浸透するようにした。
処理時間は2分もすれば充分だと思うが・・・まだその時間を確定する実験は完了していない。
(Retro系フィルムでは2分では不充分、6分くらいか・・・)
4分後、(Af)液を切り、水で洗うことはせず、(B)液に交換し、攪拌せず放置する。(現像むらが 起きるかと心配したが、そのようにはならなかった。(B)液の処理時間を延ばすと、更にネガのUp濃度は上がるが、「被り」も増加する。
処理時間を6分とした。Retro系では被りはかなり抑制できたので15分まで延ばせた。
操作は ①水洗浄→②(A)組成から現像成分を除いた液で安定化、処理1分程度→③(Af)処理4分→④(B)現像6分で 1サイクル
再び①に戻り、同じ操作を繰り返す。
一回ではネガが淡く無理だった。
結局7回のサイクル現像となった。

一回の二液現像で求めるネガ濃度になるだろうか?
第一液に現像性を持たせない限り、(今までの実験結果から、)それは難しいと思う。
第一液に現像性を持たせない、この方法こそ二液現像法のコンセプトに従っていると思う。
二液現像テスト(2)1492 #2-15 Ⅱ
ネガに浸透した現像主薬で現像した結果です。
ブログ等、ネットで喧伝された「シュテックラー式2浴現像法」ではありません。
違い分りますか?
二液現像テスト(2)1492 #2-22
どんよりと曇り、ものにコントラストのない日だったが、ネガのアキュータンスは高いと思う。
エッジの立った、すっきりした写真になっている。
二液現像テスト(2)ピクセル等倍
一部を拡大してみた。
この方法でも エッジが立ったネガになった。
一回現像の「シュテックラー式2浴現像法」では無理だと思う。

濃度のあるネガを得るためには7回のサイクル現像が必要だった。
これでは煩雑すぎて、使いにくい。
2回で減感現像、3回で中庸なネガとなり、4回で増感現像になる条件を探そうと思う。
現像主剤の物質収支を正確に測定できるようになったら(定量分析)、
現像のメカニズムに更に一歩踏み込め、
2、3回のサイクルで可能か判断がつくのですが・・・
機器分析装置を、持っていないのが残念。

  1. 2022/08/09(火) 12:24:03|
  2. フィルムの眼
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五反田

五反田周辺の光景。
五反田1491-37
まだ日は高いが営業中。
五反田1491-40
駅前の歩道を逆光で狙う。
例年 広場の花壇にひまわりが植えられる。
まだ開花していなかったが、一本だけ飛び抜けて成長が早い。
五反田1491-38
ひまわりを逆光で撮るなら、
ガード下の暗がりをバックにフレーミングしたいところだが、
35mmの広角レンズでは、収まらない。
太陽の光が直接レンズには入らないよう注意して近づきフレーミングしたが、
レンジファインダーカメラでは不向きなフレーミング。
パララックスのない一眼レフで行うの普通だろう。
------------------------
二液現像法のテストを行っているが、要素が多くて、ちょっと足踏み状態。
乳剤の薄さが、この方法を複雑化し、煩雑な操作になっている。
現像液(A)だけでなく、促進液(B)の配合も検討しないと、
アキュータンスのいいネガは得られないようだ。
夏休みの自由研究にはもってこいだろう。


  1. 2022/08/07(日) 11:09:35|
  2. 散歩
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大崎の空

日本海側から来る飛行機は、銚子沖の海に抜け、羽田に着陸していたが、
発着回数が増えたため、東京上空から直接羽田に入る空路が設定されるようになる。
コースは複数用意されているようだが、一番内陸を通るコースは、
大崎から百反坂上空を通り、三ツ木通りを横断し、勝島運河上空を飛んでいく。
大崎上空1491-30
散歩にでると、飛行機をよく見かけるようになった。
百反通りで撮影した飛行機、三ツ木通りから区役所上空を通過していく。
35mmの広角レンズで撮影したが、かなり大きく写る。
大崎上空1491-31
大崎のビジネス棟ThinkPark近くで見かけ、撮影した。
大崎警察署近くの上空を飛んでいた。
大崎上空1491-32
大崎駅東口近くのビジネス街、山の手線の内側を飛んでいた。
青物横丁付近から東京湾へ出るコースらしい。

望遠レンズで機体を切り取ると、どこで撮影したものか分らなくなる。
飛行機そのものが好きな人なら、それもありだろうが、
散歩にカメラを持ち出し、気ままに撮っているだけ。
記録だからと広角レンズをつけて撮っている。

Retro400Sを軟調な現像液(Ⅵsx)で現像すると、白飽和、黒潰を防止でき、トーンの広い風景の撮影に向いている。
アキュータンス(フィルムの精細感)も、いいように思う。(確信はまだ持っていないが・・・)
トーンは、フィルターを交換することにより、かなり変化する。特にオレンジフィルターや赤外線フィルター(R72)を使用すると、
トーンが崩れ、時に写真に面白い効果がでる。

写真で重要なのは、カメラでもレンズでもなく、フィルムだと思えるようになった。
ライカでなければ、キャノンでなければ、ニコンでなければ写真が撮れないということはない。
ツアイスのレンズでなければ、ライカでなければ、ニコンでなければ、キャノンでなければ 写真にならないという訳でもない。
機種の違いがあったとしても、写真にはごく僅かな差しかでないだろう。
「もの(ハードウエアー:カメラとレンズ)」に拘るより、フィルムに拘り、現像液に拘り、現像法に拘った方が、
写真のトーン、精細感の表現範囲は広い。
フィルムは、簡単に結果を得られるものでないので、
簡便さが売りの時代には逆行している。
奥の深い趣味だと思うのだけど・・・先細り傾向が続いている。
先細りの市場、フィルムの入手が段々難しくなっていることが、今、小生の関心事。
  1. 2022/08/05(金) 10:15:41|
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アキュータンス          二液現像法

acuitance と言う言葉 知っていますか?
普通使う英語辞書には、6万語程度の単語が収められている。
しかし、それには載っていない。
14万の言葉を載せたWebster’s New world Dictionary of the American Language(英英辞書)にも
載っていなかった。 
acuitanceという単語、もはや使う人のいない死語となり、掲載されなくなったのだろうか?

アキュータンスという言葉を知ったのは、ゾーン現像法を開発した、アンセル・アダムスの手引き書。
いかに、鮮鋭度の高いネガを得るかというなかで、盛んに「acuitance 」という言葉が使われていた。
レンズの性能を表す指標としてレンズの解像度が上げられるが、
フィルム現像では、いかに先鋭に見えるネガを作るかで、「acuitance 」という言葉が使われていた。
当時は 4×5、あるいは8×10(いずれもインチ)の大きなフィルム(乾板)で写真を撮っていた。
乳剤の層は厚く、印画紙にネガを密着させて焼き付けるのが主流だったので、フィルムの粒状性は特に問題にはならなかった。
この時開発されたのが、二液現像法。

しかし、戦後になり、小型カメラが主流になると、写真は、印画紙に大きく引き伸ばすようになる。
ネガのアキュータンスは、粒状性とトレードオフの関係に有り、
アキュータンスのいいネガは、引き伸ばすと、銀粒子のザラつきが大きくでる。
アンセル・アダムスも戦後になると、ブローニー判以下の小さいネガ現像では、二液現像法を使用しなかったようだ。

現在の白黒フィルムは乳剤層が薄くなり、銀の含有率も少なくなっている。
昔の二液現像法の条件で現像しても、良い結果は得られない。
だめだと分ると、でもそれは昔の条件に固執しているから、
難しいなら、それを どうにかして乗り越えようと考えるのが、化学を学んだ者の本能。
もう一度、二液現像法を見直してみようと思った。
二液現像法1492 #1 Retro400S-16
個々の薬品の機能の分析・評価し、条件を見極め、それに基づき最初のテスト撮影を行った。
「acuitance 」とは、写真がいかに先鋭に見えるかを指す言葉。
白黒の境にエッジが立つと、写真は先鋭に見える。
難しいのは、同時に粒状感をあまり出さないようにすること。(トレード・オフなので 其処が難しい)
PCのモニター画面では わかりにくいので、文字の部分を等倍まで拡大した。
二液現像法 等倍拡大1
文字にエッジが立ち くっきりしている。
二液現像法も 条件の最適化を行えばかなりいい結果を得る。
この方法、市販の現像液では実現は難しい。
自分で薬剤を扱い、現像液(A)と活性化液(B)を作る必要がある。
まだ 試行錯誤の状態で、何が重要要素で、どうコントロールすべきか、不明な点は多い。
ちょっと再現性に欠けていることもあった。
それ(メカニズム)が判明すれば、実際に使えるよう改良できるだろうが・・・今のところ操作が煩雑で、汎用な現像法にはならないと思う。あくまでも趣味の領域。

白黒の境界にエッジが立つようにするのは、フィルム現像では難易度はかなり高い。
旧来の二液現像法では、今の乳剤層の薄いフィルムでは実施が難しいと判断し、
そのため開発したのが、二段現像法だった。
エッジを出すことには成功するが、トーンのコントロールは難しい。
(2022年6月6日、建設用重機の文字を写した二段現像法の記事を載せている。)
Fomapan100フィルムだと(Ⅰaf)現像液で処理すると、エッジの立ったネガが 得やすかった。
(2021年2月23日の記事参照)

でも デジタル写真ならどうだろう?
レタッチソフトでエッジの検出はできる。
エッジ検出し、それを元の画像と重ね合わせれば、エッジの立った写真はできる。
もっと手軽にするならアンシャープ・マスクを解除する。
あるいは、シャープネス調整をクリックし
その人が、好ましいと思えるよう調整しても、
エッジの立ったアキュータンスな写真をつくることができる。
すごい時代になったと思う。
小生も、しばらくそれで遊んでみたが・・・すぐに厭きてしまった。
いまは、そんなことする気にもなれない。

二液現像法まだ、もう少し伸びしろがありそう。
もうちょっと 検討を進めるつもりでいる。
  1. 2022/08/01(月) 15:12:32|
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未だフィルムカメラの沼から抜け出せない。
もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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