写真の趣味が高じると、
いろいろなカメラに触れ、どう撮れるかと手にしたくなる。
被写体に合わせて、
どう撮りたいか、どのような品質(画質)で撮りたいかによって
カメラを選ぶのが理想だが(もし、金銭的、体力的に許すなら)、
やはりカメラは高価なもの。
使うのは写真を始めた頃購入したNikon SPやNikon Fだった。
2000年頃、ソ連邦崩壊から旧共産圏の中古カメラが、安く手に入るようになる。
その中にContaxⅡのクーロンカメラKievⅡを発見、
その辺りから、操作の似たツアイス系カメラやレンズに手が伸びるようになる。
そのときは、カメラの沼に嵌まっていたのかも。(今は抜け出たと思う)
レンジファインダーカメラ用の50mmレンズはいろいろ試したので、
おそらくレンズの沼にも嵌まっていたのだろう。(今は抜け出たと思う)
結局ライカ系より、ツアイス系を選ぶことが多い(沢山レンズを持っているので)
今は、フィルムの沼に嵌まってしまったのか?
そろそろ卒業し、写真を撮ることに集中したいと思っている。
去年はFomapan100に嵌まっていた。
おそらく去年撮った写真の80%はFomapan100で撮影したもの。
フィルムの入手が意外と簡単で、価格的には一番安価。
しかも、現像液に敏感に反応しトーンが変わるので、
面白い、面白いと使っていた。
現像液を適切に選べば意図したようなトーンになる。
写真表現の幅の広いフィルムだと思う。
-----------------------
今年2月になり、Superpan200を試していた。

ISO:200のフィルムなので、Retro400Sに比べ粒子のザラッとした粒状感は抑えられる。

赤外線写真もOKだが・・・使った感じは、以前使用したイルフォードSFX200フィルムに似ていると思った。
現像液によるのだろうが、SFX200より粒状感は抑えられていると思う。
でも、赤外線フィルムとして使うならRetro400Sの方がいいかもと思っている。

こういう写真が撮れると・・・Retro400SよりSuperPan200かなぁと思ってしまう。
冷蔵庫にはReto400SとSuperPan200の未開封の100フィート缶が一缶ずつ保管してある。
新年になったら、どちらかの缶を開けようか迷っている。
赤外線写真を撮るなら、やはり赤外400だろう。

このフィルムはRetro400Sと同様の「スパーパンクロフィルム」で、
感度が更に赤外部の深いところまで伸びている形になっている。
赤外線フィルター無しなら、Retro400Sのように使用できる。
しかし、赤外線フィルムとして使用することしか考えていなかったので、
Retro400Sほど、現像データは整っていない。
(Ⅳ)系や(Ⅱ)系の硬調現像液のデータがない。
使うとなると、また現像実験してデータを集める必要が出てくる。
実験するかなぁと躊躇(少々面倒)はするが、おそらく現像実験してしまうのではないかと思う。
化学を勉強した宿命か、フィルムの沼から抜けだせない。
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- 2021/11/30(火) 11:41:28|
- フィルムの眼
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目黒川沿いに桜並木が続く。

駅周辺の道路にも桜が植えられている。

桜の季節になると、駅周辺を歩き、目黒川沿いの遊歩道を歩く。

「はな」と言えば、桜の花を指す。
桜と聞けば咲き誇った桜の花見を思い浮かべる。
そんな刷り込みがある。
紅葉した桜の葉をみようと大崎駅近くを散策した。
カメラにはRollei赤外400フィルムが入っていた。
R72フィルターをつけて撮影、現像し、画像を確認して驚く。
まるで花見の頃のように思えた。
今年の春、同じ場所で撮った記憶がある。
写真を探してみる。

3月31日同じ場所から撮っていたが、21mmの広角レンズを使ってフレーミングしていた。
フィルムはRetro80S, レンズ保護用にUVフィルターをつけていた。
現像はD76より少し硬調な現像液(Ⅲo)を使用した。
花見の季節、桜は白く、常緑樹は暗く写っている。
これが、みなれたはずの光景だろう。
上半分をトリミングし、50mmの画角に近づけた。

赤外線フィルムだと、常緑樹まで白く写り、全てが桜の樹になってしまう。
写真に対する理解の乏しい人に見せたら・・・・だまされてしまうかも。
でも、それなりに撮ってきた人ならこれがどんな写真か分るはず。
写真の恐ろしさはそこにある。
具眼の人が見たら、撮った人の品性まで見抜く。
奇を衒っているのか、受け狙いしているのか、
どうだすごいだろうと目立ちたがりたいのか、
玩具をもらった子供のように遊んでいるのか、
誠実に見ているか、伝えるべきもの撮ろうとしているか、
写真への態度(品性・理性・覚悟)が分ってしまう。
小生は、「これ撮ったらどんなトーンになるだろう?」と、
写真で遊んでいるだけの人間、
腹に一物もなければ、覚悟もない。
具眼の人を、小生は怖れる。
- 2021/11/29(月) 10:18:37|
- 桜
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午後2時頃、散歩。
三ツ木通りを曲がり、品鶴線沿いに坂道を上り、大崎に出ようとしていた。
空に雲はなく、青空が広がっていた。
高架線を新幹線が滑るように疾走していく。

レタッチソフトで作ったイメージではない。
あくまでも、ストレート・フォトに拘っている。
闇を突き、疾走するイメージ。
このような写真表現も可能。
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Rollei赤外400フィルムで撮影。
レンズには、R72フィルター(720nm以下の短い光:可視光をカット)をつけている。
一眼レフだと、ファインダーが暗くなりシャッターチャンスを逃しやすい。
赤外線写真は、レンジファインダーカメラ向きだと思う。
使ったカメラは1951年製 キエフのKievⅡカメラ。
戦前ツアイスが製造したContaxⅡのクーロンカメラ。(ネームプレート以外、全て同一仕様)
操作はS型ニコンに似ているので、(S型ニコンはContaxⅡを先生にして真似て作っている。)
小生にはなじみが有り、使いやすいカメラ。
レンズも共用して使えるメリットがある。(マウントは同じ仕様)
- 2021/11/27(土) 08:14:14|
- ある場所、ある瞬間
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祖父は戦前、写真を趣味にしていたので、
その場の光を見て、絞りとシャッター速度を決めて撮っていた。
母も、娘時代(戦前)兄の影響(地方の都市で、写真館を開いていた)
写真を撮っていたので、ごく自然に同じように絞りとシャッターを合わせ、撮る。
父も たまにカメラを持ち、撮っていたが、同じことをしていた。
小学校高学年になると、見よう見まねでカメラを使うようになる。
祖父の助言が多かったが、露光で大きな間違いはなかったと思う。
そんな刷り込みがあるので、古いカメラとの相性はいい。
なんの写真か分ればいいというレベルなら、
露光にそんな気を遣わなくてもいい。
第一京浜国道が、目黑川を越えるところに日蓮宗の本光寺がある。
墓地に三重の塔が建っている。
午後遅く、その場に立つ。
光は弱い。
空の明るさと三重の塔の暗さを考えると、f:5.6/125秒が適正露光かなと思った。(あくまでも、今までの経験からそう思っただけ。)
レンズはNikkor 28mm F:3.5が付いている。
パンフォーカス狙いのf:8/60秒も考えたが・・・縦位置撮影だし、遠くの部分が主役でないしと、f:5.6/125秒とした。

空の明るさに合わせ、二段分シャッター速度を速くする。
空にトーンはでるが、暗い部分に黒潰が見られた。

暗い部分を出そうと、二段分シャッター速度を遅くする。
暗い部分のトーンがでて、何が写っているのかはっきりとする。しかし、
空の部分、トーンカーブを抑え、出すようにしたが、銀粒子のザラッとした粒状感が出てしまう。
空を、白一色にすると(それが普通の写真)すっきりするが、それでは、小生の写真(好み)にならない。

最新のカメラは自動露光が当たり前。
露光で苦労することはない。
しかし、なんでもやってくれるカメラに頼りすぎると、
人間の感覚は鈍くなる。(人間阻害)
カメラの進歩で、人が為す部分が少なくなる一方、
誰もが簡単に美しい写真が撮れる。
それ自体、悪いことでない。
しかし、写真の社会的価値は、相対的に低くなっていることは確か。
日本語のワープロができる前、字は手書きだった。
印刷にするには、それなりの費用がかかった。
活版印刷ができる前は、墨をすり、筆で紙に字を認めていた。
その頃の人は、字のうまい下手が、重要なポイントになっていた。
「字は筆で書く」が当たり前の時代、
人々の字の美しさに対する感覚は研ぎ澄まされていく。
明治時代の人なら、字を見て、その良さを正確に評価できただろうが、
PCのキーボードで文章を書くようになり、
その便利さに慣れ、字の美しさを(正当に)評価できなくなっている。
それが達筆な人の手による書であるか、
まだ駆け出しの人の書いた書であるか・・・見分けできない人が増えている。(小生も見分けが付かない)
人が見ている前で、さらさらと数秒で書を認める。
それをみて、「字」など簡単に書けると思ってしまう。
しかしそこに至るまでには長年の研鑽が必要だったことには気づかない。
書の美しさなど・・・綺麗に書ければいい程度、たいした関心を持たないのが現代の人。
「書」の社会的価値は低下している。
「写真」も そうなってきているように感じている。
便利なデジタルカメラの出現で、
フィルムカメラは先細りの傾向が続く。
写真を評価する眼も劣化してはいまいか?
フィルムカメラには人間に委ねられた部分がまだ沢山残されている。
デジタルにない人間部分の復活。
人間は間違えるもの、寧ろ間違えた時のほうが、
ごくたまにだが、今まで見えてこなかったものが、見えてくるような写真が出現する。
それが楽しいのだ。(デジタルカメラに対する、ささやかな抵抗をしています。)
- 2021/11/26(金) 10:44:51|
- フィルムの眼
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戸越公園のススキ。
池の際に一株植えられていて、例年この時期になると、綺麗なすすきを見せるが、
この頃は年ごと、徐々に勢いがなくなっていくのを感じる。
そうはいっても「ススキ」は「ススキ」 秋の名残とカメラに収める。

秋の陽が明るく照らす。
株の後ろにまわり、直接の日差しを避けシャッターを切る。
ほぼ逆光。
カメラには赤外線フィルムが入っている。
空を暗く落としたかったのでYA2フィルターをつけて撮影。
順光なら空は暗く落ちるだろうが、逆光だと赤外光も豊富に入っている。
それほど暗く落ちないかもしれない・・・

更に二絞りほど露光を切り詰めて撮影してみた。
暗く落ちたが、暗い部分は黒潰れてしまった。
どちらが良いかとなると・・・好みの問題だろう。
小生の好みはf:8/125秒で撮ったほうかなぁ。
- 2021/11/25(木) 21:46:40|
- 樹、草、花
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北品川の旧東海道沿いにあるこのビルの入り口に設けられたモニュメントを、
どのように撮ろうか、前を撮るたびに考える。
光の状態を読み、
カメラに入っているフィルムを考え、
そして胸ポケットに入っているフィルターを確認する。(胸ポケットに一枚、何らかのフィルターを入れている。)
これなら、今までとは違った写真が撮れるかも・・・とおもうと、フレーミングしてシャッターを切る。

よほどのことがないと交換レンズは持ち出さない。
今日はこのレンズと決めて家を出る。
ズームレンズも持ってはいるが、
カメラにズームレンズをつけて散歩にでた覚えはない。
あったとしてもレアケースだろう。
動き回ってフレーミングするのが好き。
これはおそらく小生の思い込み、偏見かもしれないが、
ズームだと、歩き廻らないでもフレーミングできてしまうので、
安直と思えるのかも。

持ち物は少ないほどいい。
カメラに入っているフィルムの残りが少ない場合は、予備のフィルムをポケットに入れる。
露光計は意外に重量があるので持っていくことはない。
中判カメラのSuperIkontaやMamiya Pressを持ち出すときは、
バックにいれて持ち出すので、そのときは入れていく。

露出は勘で絞りとシャッター速度を決めるが、
それほど狂うこともない・・・でも、たまには露光を間違えることもある。
それもまた楽しいという心境になっている。
現像は、D-76よりやや硬調な現像液(Ⅲd)で行った。
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別の日、この前を通る。
カメラにはRollei赤外400のフィルムが入っていると思い込んでいた。
一眼レフカメラなのでR72フィルターを装着すると、ファインダーは殆ど真っ暗。
YA2のオレンジフィルターをつけていた。
このフィルターならファインダー越しに焦点を合わすことも、フレーミングもできる。

空に雲はない。
青空なのでバックの空は暗く、植物は白く写るだろうと予想した。
帰宅し、いざ現像しようとフィルムを確認したらRetro80Sフィルムだった。
もともと赤外線フィルムと思っていたので、軟調な現像液で現像するつもりだった。
D-76よりやや軟調な(Ⅰ1)現像液を使った。
軟調現像液(Ⅵ)より増感現像向きな現像液、
2プッシュした現像を行った。(現像時間をほぼ2倍に延長しただけです。)

手前のマンホールから後ろのビルまでパンフォーカスにしたかったので、
28mmの広角レンズで、f:11まで絞って撮影した。(f:11まで絞る必要あったか・・・?ちょっと疑問だが)
いつか赤外線フィルムで撮ってみるつもりで居る。
まだまだ、このモニュメント、撮りようはある。
それを考えるのも面白い。
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PCニッコールレンズ持ってはいないが、シフトして撮ったらまた違った写真になるだろう。
「あおり」が自由に利く大判カメラだと、別な表現になる。
デジタルカメラに合う自由に「あおり」ができるレンズがすでに出ているらしい。
うらやましい限り。
- 2021/11/23(火) 11:04:19|
- 品川宿
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赤外線フィルムで撮影した場合、
可視光をカットし、
赤外光のみを通すフィルターをつけているため、
光の窓は狭い。
そのままではかなり硬調なネガになるのではと思い、
赤外線撮影したフィルムは、(Ⅵ)系の軟調現像液か、
やや軟調の(Ⅰ)系現像液で処理していた。

数日前撮影したツワブキの花。
(Ⅰf)現像液で現像する。
ネガをスキャナーでPCに取り込む。
じっと画像を観察する。
花の部分より葉の部分に注目してしまった。
葉が白く写るのは当然だが・・・葉脈が浮き出て、少し輝いて見えた。
これなら・・・もしかすると硬調な現像液を使えば、白く輝く葉を撮ることができるかも。
黒光りするツワブキの葉は撮ったことがある。
トーンが微妙に狂ったツワブキの葉もある。
赤外線撮影で、ツワブキの葉を撮ったことはあったが、
薄紙のようなぺらぺらの白い葉で、存在感は薄い。
白びかりした存在感のあるツワブキではなかった。
できるかも。
小生の撮影はいつもTry&Errorの繰り返し、
また課題を発見した気がする。
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撮影に使用したレンズはレンズ番号から1941年製と推定している。
赤いTのマークが付いている初期のコーティングレンズ。
F:1.5の明るいレンズで、当時としては最高峰のレンズだった。
それでも、現在のレンズと比較したら、解像度、収差、コントラスト いずれも劣っていると思う。
しかし、その優劣が写真表現で大きな差を生むかというと、そうでもないと思っている。
写真表現で大事なのは、
その場の光を読む、撮影者の理性・知性・感性と、
使うカメラの性能を知り、最大限有効に使用する撮影技術であって、
カメラは最新・最強のこれ、レンズはこの神レンズでなければならないというものではない。
高価なデジカメを購入すると、
最初は熱心に撮影するが、
数年で、取り尽くした感がしてくるのだろう、
だんだんと、撮影枚数が減っていく。
10年、20年と、長くデジカメで遊び続ける人、どれだけ残る/居るだろう?
スマホでもいい写真は撮れるから、
デジカメはそれを必要とするプロ御用達のカメラとなり、
アマで使う人は「オタク」(もの好き)の部類になってしまう。
スマホの撮影は動画中心に移り、写真表現という言葉は死語になる・・・・
そんな変な予想をしている。
- 2021/11/22(月) 11:11:14|
- 黒い花 怪しい花
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総武線の高架伝いに歩き、隅田川に出た場所は、
両国橋と蔵前橋の中間点だった。

川面の波の輝きを、綺麗に撮れたらいいのだが、それが、なかなか難しい。
いつか、必ず撮ってやるぞ・・・そうはいつも思っている。

レンズは1936年製と思われるツアイスのテッサーレンズ。
当時の宣伝によれば「鷹の目」と呼ばれたレンズ。
確かに解像感は高い。
ノンコートだけど、今使っても、それほど駄目なレンズという評価は受けないだろう。
今のレンズは、確かに十分高性能になっている。
それでも、新しいレンズをメーカーは提供し、
それをありがたがっている人がいる。
あのレンズは神レンズ、あれは駄目レンズと新しいレンズを評価する人は多い。
その神レンズさえ使えば、波の輝きを納得できるほど綺麗に撮影できるのだろうか?
(小生)レンズの善し悪しが、写真表現の深いところまで関係してくると思っていない。

隅田川は、都会の川。沢山の舟が蔵前橋を通過していく。

爆音が聞こえたとおもったら、水上バイク数隻、橋をくぐり、通り過ぎていく。

晩秋の気持ちのいい散歩だった。
- 2021/11/21(日) 15:47:10|
- 都会の景観 Tokyo
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江戸時代、武蔵の国は善福寺川/神田川を境に荏原郡と豊島郡に分かれていた。
神田川の河口を見ようと、都営地下鉄に乗り、東日本橋で降りぶらぶらと散歩した。

浅草橋には沢山の屋形船が係留されていた。
三浦屋という屋号は、目黑川の河口付近でも見た記憶がある。
親戚?のれん分け?
確かに目黑川河口より舟の数は多い。

行き当たりばったりに歩いていたので・・・・神田川から離れてしまう。
神田川にかかる柳橋を撮る予定だった。
柳橋一丁目に来ていた。
もう隅田川の護岸(階段)が見える。

登ると、隅田川。

隅田川の遊歩道に出ていた。
- 2021/11/19(金) 09:09:01|
- 都会の景観 Tokyo
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意図したものではないだろう。
ただ場所の記憶として残そうとしたもの。
しかし人は、その一部を切り取り、何かを見ようとする。
なにか意味を与えないと不安になるのだろうか?
-------------------------
古いビルがあった。
誘われるように、その中に足を踏み入れた。

壁があった。
そっと押すと壁はゆっくりと動く。

細い通路が広がっていた。
進むと、螺旋状に降りていく階段があった。

下へ降りる。
同じような空間が広がる。
明治の頃つくられたものと思うが、いまは、忘れられた空間となっていた。
人影はなかったが、埃もなく綺麗。
この場所に気づき、
つい最近、探索した人がいたようだ。
この空間を何に利用しようとしているのだろう?
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そんなことありません。
JR線路のガード下が再開発され、店舗(主に飲食店)街ができていた。
そこで拾ったアブストラクトをつなげたもの。
見方、感じ方を優先し、
切り取り方、トーン、質感、材質感で・・・なにかを表現したくなる。
単に写真、されど写真。
単なる記録媒体を超えたいという願望はある。
- 2021/11/17(水) 08:50:41|
- ???
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26号線の存在を知ったのは60年以上前のこと。
武蔵小山商店街に平行して広い道路が走り、
パチンコ26号線というパチンコ屋があった。
その印象が強烈で、26号線という名を覚えた。
当時は、中原街道から、
武蔵小山商店街を平行して走り、
目黒通りの目黒郵便局に至るまでの区間、
道が広くなっていたと記憶している。
その後、娘が小学生のころだったから30年程前だろう。
中原街道から、大崎高校までの区間が拡幅されてきた。(工事に10年くらいかかったのでは?)
計画では、大崎高校から大井町へ抜ける区間、トンネルを二つ作る計画になっていたが、
難工事だったのか、
予算が付く毎にか、少しずつ建設されていた。
今年の10月の初めに見たときは、
まだ、工事は続いていた。

脇の遊歩道は3年ほど前から通行できるようになっていたが、
自動車道は完成していたが、閉鎖されたまま。
品鶴線(いまは、湘南ライン、横須賀線が通っている)をくぐるトンネル工事の完成を待っていた。
このままだと、来年の初め、3月頃完成か・・・と思っていた。
ところが先日、近所の方から「もう、繋がって、自動車が走っている」と聞く。
慌てて、カメラを持ち、下神明へ。

カメラには赤外線写真を撮ろうとRollei赤外400のフィルムが入っていた。
夕方の曇天だったので、フィルターを外し、パンクロフィルムとして使用した。

先日10月22日に開通したとのこと。

このごろは町内会に出て行かないので、
地元の情報に少々疎くなっている。
町名に従い、「ふたばトンネル」という名がつけられていた。
二葉という町名が、がどういういきさつで付けられたのかは分らないが、
この辺りの地は、嘗て、蛇窪と呼ばれていた地域。
トンネルの名に「蛇」あるいは「窪」の字が入っていたほうが良かったと思う。
豊トンネルは、蛇窪トンネル、
ふたばトンネルは、間窪トンネルでどうだろう。
短いトンネル、トンネルの名など誰も気にしないだろうが・・・
---------------------------------
町内会の回覧板を見たら、
区からのリーフレットが付いていた。
回覧板が回って来たのは、先週の初め。
若干 情報の伝達は遅れているが、
生活に支障をきたすほどのものではない。

ああそうなんだという確認。
10月22日に開通、その後、住吉踏切は自動車が通れなくなり、
線路の上に歩道橋を設置し自転車と人間のみ通行可能となるとのこと。
エレベーター付き歩道橋(この頃はこのタイプが増えている。)になると思う。
工事エリアとなっている斜線部分は、
おそらく緑地帯を含んだ公園のようなものになるのではないかと予想している。
- 2021/11/15(月) 12:06:12|
- 都会の景観 Tokyo
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以前も、この場所で撮ったことあるなぁと思う。
昔の写真を探してみる。
何枚か出てきた。

最初のショットは2010年2月、11年ほど前のネガにあった。
天の明るい部分が多く入り、気に入らないのでトリミングしていた。
この頃から、ニコンSPに、ツアイス系マウントのJupiter8キエフ製(Sonnar 50mm F:2.0 相当品)をつけて使っていた。

次の年の10月にはKievⅡ(Contax Ⅱ相当)にJupitrt3(Sonnar 50mm F:1.5 相当品)をつけて撮影していた。
天の明るい部分を、生い茂っていた葉で隠している。
それでも明るい部分は少しカット(トリミング)している。
この頃になると、線路の耐震化補強工事が始まり、
また前を走る山手通りの拡幅工事も始まっていたようだ。
10年前は、まだTRI-Xの値段は、まだ手の届く範囲。
メインに使っていた。
--------------------------------
今回撮った一枚。
今は、TRI-Xを使うことはなくなった。
値段と効果(トーン)を考え、フィルムを選んで使っている。

Nikon SPに戦前のツアイスのTessarレンズをつけて撮影。
当然のことながらコーティングはされていない。
フィルムはFomapan100、それをフェニドン系の現像液で現像した。
線路の耐震化補強工事は終了。山の手通りの拡幅工事も終了していた。
街路樹は切り倒され、違う場所に樹が植えられていた。
後ろにはユー・ポートのビルが有ったが、
今は解体され空がむき出しに出ている。
ユーポートへは、完成してから間もない頃、
小学校時代のクラス会で入った覚えがある。
40年くらいまえのこと。
それが解体され、また再開発。
コンクリートのビルの寿命、意外と短いのかも。
奈良時代の木造の寺院、戦国時代の城など何百年も経っているのに・・・
効率を求め、利益を求め、地球を喰い尽くす。
近代建築の遺産など、どんどん消えていく運命にあるのではないか?

空の明るい部分邪魔と、トリミングしてみた。
これでいいのかなぁ?
疑問は残る。
- 2021/11/13(土) 12:35:22|
- ある場所、ある瞬間
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3時過ぎになってから散歩に出る。
天気は曇り、時々雲が割れ、青空が見えた。
その度に絞りとシャッター速度を調整する。

光のダイナミックレンジは狭い。
硬調な現像液向きの天候だろう。
少したっぷり目の露光をして、黒潰れを防いだが、
白飽和もしていない。(晴れた陽の光なら、白飛びしていた。)

軟調な現像液だったら、しぼんだ白い花は目立たず、陰に紛れ、ぼんやりとした写真になっただろう。


横町の暗さと空の対比。
白飛びも、黒潰もどうにか防げた。
デジタルのHDR写真なら、横町の暗い部分と明るい空の明暗差を、もっと少なくできると思う。
そのほうが肉眼で見た印象に近いかもしれないが、小生には不自然に思える。
---------------------------------------
別の日、同じ中延の横断歩道を撮影した。
この時は、D-76よりやや硬調に仕上がる現像液(Ⅲd)で現像した。

厳密に言えば、そのときの光の状態が違うので、そうだと断言はできないが、
硬調な現像液(Ⅳd5)で現像したものは、
ハーフトーンの部分が少なく、明るい部分と暗い部分に分かれる。
でもいずれの部分もディテールが残り、全体は硬調な印象を与える。
(Ⅲd)は中間のハーフトーンが(Ⅳd5)より豊かに出ていると思う。
どちらも白飛び黒潰はないレベルだろう。
フィルムによって写真は異なる写りになる。
現像液を替えても違ったトーンの写真になる。
レンズを換えたり、レンズを換えたりすれば・・・撮した写真も変わるのだろうが、
その違いは、どれほどのものか?
Nikon SPにNikkor 50mm F:2をつけたカメラと、
BessaRにライカのSummicron 50mm F:2を付け、
同じ被写体を、同じ露光で一本分、36コマ撮り、
現像して比較したことがある。
注意深く見たところ、
明らかに判別が付いたのは、36コマ中2,3コマだけだった。
それは、画面端のボケ具合から判断できたもので、(ゾナー特有の収差)
写りは、どちらのカメラも優秀。
ライカ使いは、一瞬で、ライカのレンズか、それ以外のレンズか見分けると言うが、(木村伊兵衛)
だからライカが優秀ということではないだろう。
どちらのレンズでも、小生はOK。
ライカのカメラとレンズは高いので手を出せないだけだ。
- 2021/11/11(木) 10:10:41|
- 散歩
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この階段が気になっていた。
場所は、散歩コースから少し外れ、区界を少し越えた大田区にある。

上を第二京浜国道が走っている。
階段を登ると、左すぐ近くには都営浅草線・馬込駅の入り口がある。
電車の時間に合わせようとしてか・・・女性が走って行く。

昭和15年竣功の文字が刻まれていた。
その頃には、東京と横浜を結ぶ第二の道として整備されていたのだろう。

広角レンズを使った、このフレームが撮りたかったのかなぁ・・・

ちょっと昭和レトロ感の漂う場所だと思った。
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現像はD-76よりやや硬調にしあがる(Ⅲd)現像液を使用した。
曇天だったので、もっと硬調な(Ⅳ)系の現像液で現像した方が良かったかも。
でも、家を撮影した4枚目のトーンは、うまく合ったと思う。
黒潰をなるべく防止し、また白飛びもない写真が好きだ。
しかしデジタルのHDR写真は、
作り物のような感じがしてあまり好きになれない。
なかには、自然でHDR処理したとは思えない画像もある。
そういう写真を見ると・・・いいなぁと思うけど。
加工しすぎの画像が多い。
HDR処理は、やり始めたら、止まらない・・・麻薬的な技法かも。
- 2021/11/09(火) 10:26:30|
- 散歩
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青空がでたら使おうと、
Rollei赤外400のフィルムをNikon用フィルムマガジンに詰めた。(F,SP 共用で使える)
Nikon Fに、そのマガジンが装填されていると思っていた。
好天だったので、機会が訪れたと、Nikon Fのカメラを持ち出す。
撮り終わり、フィルムを巻き戻し確かめたら、Retro80Sのフィルムだった。
(この頃は こんな思い込みの失敗が増えている。)
Retro80Sは通常ISO:100で使っている。
Two Push 4倍増感現像をする必要がでた。
使えないことはない。
やや軟調に仕上がる(Ⅰ1)現像液で、増感現像した。

小生、「撮り鉄」ではない。
「撮り鉄」には「撮り鉄」の文化が有り、
狙いや撮り方、構図に それなりの思想が込められているようだ。

門外漢なので、その読み方は分らない。
飛行機が飛んでいれば、空に向けカメラを構えるし、自動車が走ってきたら、カメラを向けることもある。

品川は昔から交通の要所。
鉄道の通っている場所は多い。
この八ッ山付近も、旧東海道とぶつかり、踏切が密集、
思わずカメラのシャッターを切っていた。

リックを背負い、デジタルカメラを持った人が一人、写真を撮っていた。
この方はおそらく「撮り鉄」、
小生の撮影は、電車が過ぎ、竿が上がれば踏切を通り、次の撮影スポットへ。
「撮り鉄」の方は、そこに留まり、次のシャッターチャンスを狙っている。
おそらく、通過した電車が、期待したものでなかったのだろう。

小生には、その場に留まり一番いいカットを撮るという執念がないことは確か。
赤外400フィルムだと思っていたので、
YA2フィルター(オレンジ色)をつけて撮っている。
北品川の駅は構内が暗かったので、YA2フィルターを外して撮影した。
それ以外はYA2フィルターをつけて撮影している。
光は1/4分に減るので、二絞り分露光を増やす必要があった。
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Retro80Sは、使い始めの数年前
ISO:25,ISO:50,ISO:100,ISO:200,ISO:400と感度を変え撮影し、
トーンの豊かさ、粒状性をチェックしたことがある。
トーンの豊かさは 感度を低く設定した方がいいが、
ISO:100でもそれほどISO:25と変わらず、粒状性もほぼ許容範囲、
解像感はむしろISO:25より良かった。
ISO:400では、トーンの豊かさは減り(黒潰しがち)、粒状性も若干だが見劣りした。
使えないレベルではないが・・・あえて使うほどでもないと思っていた。(Retro400Sを使えばいい)
今回現像してみて、使えないレベルではないと 改めて思った。
- 2021/11/07(日) 12:27:28|
- 品川宿
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勝島運河へ散歩するときは、
大井町から鮫洲にでるか、立会川へ出るか、いずれかの道を選ぶ。
今回は、鮫洲へでて、北品川へ向かう散歩をした。

江戸時代の品川宿は
京成線北品川駅から青物横丁駅あたりにあったようだ。

鮫洲神社の横の出口から鮫洲駅を撮影。

鮫洲神社には何度も訪れている。
そのたびに1,2カットは撮っている。
撮り慣れているので、
今までにない光を発見するのが難しくなっている。
度々訪れる場所を撮るときは、記録写真だと思うことにしている。

青物横丁に近づくと、お寺や神社の数が増えてくる。
山海雲寺へ立ち寄る。

逆光で撮影したので、ゴーストが出てしまった。
でもお寺の雰囲気は出ていると思う。

逆光の光に惹かれ、思わずスナップ写真。
ゴーストの出ないよう、建物の陰から撮影した。
道を50mも歩けば、第一京浜国道にぶつかる。
その左に青物横丁の駅がある。

青物横町から北品川へ、旧東海道の商店街を歩く。
目黒川を渡り、左の折れ、新馬場の駅へ。
飛行機が上空を飛んでいた。
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やや軟調な現像液(Ⅰ1)でRetro80Sフィルムを現像した。
黒潰も白飽和も避け、階調がなだらかに繋がるネガを得たと思う。
Retro系フィルムは、現像液を替えると、トーンの変化する度合いは大きい。
現像液の選択を誤ると 期待した写真にならない。
決まった一種類の現像液を使うだけでは、
好みのトーンのネガが得られたり、期待はずれになったりすることになる。
Retro80Sは、その点使いにくいフィルムということになるのかも。
万能な現像液などないのに、
D-76は古くさい現像液で駄目と、
他の銘柄の現像液を推奨する人もいる。
でもD-76もいい現像液。
Fomapan100とかAcros100などのフィルムだと、
トーンの整ったいいネガを得ることができる。
そのフィルムの特性に合っているのだろうと思う。
でもそれでは、
金属光沢の黒光りしたツワブキの葉を撮ることはできない。(と思う)
硬調な現像液に替えてみる必要があるだろう。
市販現像液だとロジナール?かも。
- 2021/11/05(金) 12:05:25|
- 品川宿
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秋の日は落ちるのが早い。
境内に光届かなくなっていた。

本殿は解体され、少し後ろに移築・改修されることになっていた。

境内脇の登り道が拡幅される計画がある。
本殿に影響はないが、社務所に一部がぶつかるらしい。
近くで行われている補助26号線の工事の完成はまだ。
今は、下付近付近で道路整備の工事が行われている。
立ち退きから、解体、整地、道路の建設まで、かなりの時間がかかっている(30年?)。
それでも、まだ大井まで開通していない。(来年完成か?)
この調子なら、
戸越八幡神社脇を走る道路が完成するのは何時になるのだろう?
山手通りの大崎警察署から峰岸坂を上り、戸越銀座通りを突き抜け、戸越八幡の坂を上り、
環状七号線までの道路計画(都市防災)らしい。
その完成を見ること、小生にはできないと思う。
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Retro80Sフィルムを使い、(Ⅰ)液と(Ⅱ)液を使った二段現像法でネガを作った。
(Ⅰ)液から(Ⅱ)液への切り替えのタイミングと、(Ⅱ)液でどこまで現像を押すかで、
ネガのトーンは大きく変化する。
切り替えるタイミングを間違えたか、あるいは(Ⅱ)液の現像時間が長すぎたのか、
今回のネガのトーンは狂ってしまった。
トーンは小生のコントロールの外にでて、
眼に見えていなかった異界が出現していた。
あくまでもストレート・フォトです。
レタッチソフトで細工し、作った映像ではありません。
- 2021/11/03(水) 17:25:27|
- フィルムの眼
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夕方になると湯島聖堂の門は閉じられる。
まだ時間はあった。


まだ受験の時期ではないが、合格祈願の絵馬が掛けられていた。
絵馬の数からしたら、湯島天神のほうが有名だろうが、
ここも江戸時代は学問の府である。

露光は、明るい部分に合わせた。
額縁のように黒く抜けるかと思ったが、意外と暗部に景色がでた。


硬調な現像液(Ⅳd5)を使用したので、
暗部は潰れるかと思ったが、意外に粘っていた。(足のあるフィルム)

H&Bのサイトを調べると、Kentmereのフィルムの値が少し下がってきた。
価格が上がったので、Fomapan400、RPX400などを試し、
結局Retro400Sで落ち着いた。
価格帯が、Fomapanに近づいたら、また使いたいフィルムとなる。
まだフィルムの選択の余地はある。
しかし、いつまで続くのかとなると・・・ちょっと心配している。
- 2021/11/01(月) 08:29:26|
- 都会の景観 Tokyo
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