水道給水所公苑を後に、お茶の水の駅へでる。
そこから外堀通りを下っていく。

この辺りは準散歩コース、何回も写真に撮っている。

それでも、なにかしらの発見はあるもの。
光が違うと見え方が変化する。
そんな移ろいゆくものの瞬間を記録できるのもカメラ/写真の魅力だろう。

鉄道ファンなら識別できると思うが、
色がないので総武線か中央線快速か分らない。
ドアが開いているので、新宿方向へいく電車だろう。
外堀通りを自転車に乗った人が通り過ぎる。
コロナ禍の生活、二人ともマスクをして車輪をこいでいた。


坂の上の高いビルは、お茶の水駅の前に建つ 医科歯科大学の病院だと思う。
このまま坂を下ていけば、秋葉原の街に到着する。
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- 2021/10/31(日) 09:11:42|
- 都会の景観 Tokyo
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正確に記述するなら、
西片カフェは本郷六丁目にある。
西片は道路の左側に広がる。
正面に見える林は東大農学部前の街路樹。

坂を登り切り本郷通りにでる。

本郷通りを神田明神方向に歩く。

本郷三丁目の交差点。
江戸時代の川柳に
「本郷も かねやすまでは 江戸の内」と読まれた場所につく。
ここより内側の地区が江戸の街。
大火を怖れ、屋根は瓦で葺くことになっていた。

本郷の道を少し外れ、水道給水所公苑へいく。

後方のビル群は順天堂大学医学部の建物と病院。
その後ろには、お茶の水駅がある。
散歩はここで終了し、JRに乗って帰宅しようか・・・ちょっと迷ったが、日はまだ高い。
散歩を続けることにした。
- 2021/10/30(土) 09:26:52|
- 都会の景観 Tokyo
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秋分の日、白山のお寺に墓参りした。
お参りを済ませた後は、
ぶらぶらと散歩して帰ることにした。
最初は春日駅までの一駅散歩のつもりだったが、天気はいい。
浮かれるように足が伸び、
秋葉原まで歩いてしまった。

西片と本郷六丁目の境の道に、フォトジェニックな建物を発見。

こういう家を見ると、どう撮ったらいいのか・・・嬉しくなり、何ショットかシャッターを切る。

壁に差し込む日差しさえ面白いと感じてしまう。

坂を登り本郷通りにでると、そこは東大の農学部に突き当たる。
この辺りには、撮っておきたい建物が多い。
- 2021/10/27(水) 14:27:18|
- 都会の景観 Tokyo
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旧品川宿の街道沿いの道は、年に一回か二回は必ず歩いている。
しかし、ここにビルが建っているのは気づかなかった。

ビルまでのやや広い敷地に、くねった柱のようなモニュメントが、数本林立していた。
蝶が一羽、黄色い花の蜜を求め飛んでいた。

複数の会社が入るオフィスビルというより、
一棟そのまま会社の事務所(建築関係?)という感じだろう。

しかし、センスあるなぁと思う。
おそらく、何回か、このビルの前に立つことになる。
さて、そのときどう撮ろうか?
そんなことを想像をするだけでも楽しい。
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軟調現像液(Ⅵr)で現像した。
- 2021/10/25(月) 17:13:21|
- 品川宿
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小山八幡神社は、品川区のなかで一番高い場所に建てられていると思う。
西の方角に進めば大岡山や自由が丘の台地に繋がっていく。
ここも散歩コースの一つ。

暗いところも黒潰れしないようたっぷり目の露光をした。
明るい空は白飽和したが、逆光での撮影なので致し方ないと思う。
現像は軟調な現像液(Ⅵr)を使用した。

東の方向を見る。
中央左のビルとビルの間に、
御殿山の特徴的な高層マンションが見える。
その後ろに品川駅が隠れている。
正面は青物横丁あたりだろう。
三ツ木の通りや、戸越銀座の商店街も、この線上にあると思う。
写っている範囲に、小生の散歩コースはほぼ入る。
狭いといえば狭い。
でも散歩にでれば、何かしらにカメラを向け、シャッターを切っている。

パラリンピックの影響か、鉄の玉を投げる「ポッチャ?」の練習する人がいた。
草むしりする人もいた。
コロナ感染がようやく下がり始めた時期、
こんな光景を見ると平和だなぁと思ってしまう。

境内にあるイヌシデの古木。
撮ってみたい候補の一つ。
どうとったらいいか、いつも迷う。
決まったら、重いマミヤプレスを持ち込み撮ってみようと考えている。
- 2021/10/22(金) 09:43:12|
- 散歩
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渋谷の変貌は激しい。
以前撮影したネガを調べてみる。
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EMギャラリーをでて、六本木通りを渋谷に向かい歩く。

珍しい。
セルフポートレートが見つかる。
青山トンネルを抜け、坂を下るあたりだろうか?

楽器を背負い坂を登る若い女性とすれ違う。
青山か実践の学生さんだろう。

2016年頃は、まだ空が少し残っている。
歩道にも光が差し込んでいた。
右のビルも再開発され更に高層ビルになったようだ。

歩道橋の位置は変わらないと思うが、
背景は一新されていた。

2009年、歩道橋の上から撮影した渋谷川の景観。
今回同じ場所に立ってみたが、新たに設置された柵に邪魔されていた。
両岸のビル群も再開発され、歩道が整備されていた。
現像ノートを調べると、当時の現像は、Tri-Xに特化(最適化)した、やや軟調な現像液(A)を使用していた。
おそらくややたっぷり目の露光をしていたと思う。(判絞りほど開ける)

駐輪場は移動し、広場になっていた。

2015年に撮影した渋谷駅の光景。
奥のプラットフォームは山の手線のもの、電車を待つ人が沢山見える。
手前は東横線だが、撤去中でもう線路はない。
この現像も(A)現像液で行っていた。
今、同じようなトーンになるよう現像するならば、
D-76よりやや軟調な(Ⅰ1)か(Ⅰd1)現像液を使うことになる。
(わずかだが、(A)より階調性は向上した)

今回は少し右の場所から撮っていた。
東横線の線路は、再開発されたビルをつなぐ歩道に整備されていた。
Retro80Sフィルムを、二段現像した。
暗部は潰れず、景色は出ている。
しかし、空の部分とビルの壁、白飽和してしまった。
これが限界か。
でも、写真全体のトーンは、これでいいと独り納得している。
- 2021/10/21(木) 11:38:49|
- 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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西麻布に竹内さんが経営するEMギャラリーがある。
主にモノトーン写真を展示している。
今では、フィルムカメラで仕事するプロの写真家は少数だと思う。
写真家も、デジタルカメラを使うようになったが、
仕事を離れ一息ついたとき、
昔使ったカメラを取りだし、白黒写真を撮り、
それを展示して楽しんでいるという雰囲気が作品にある。
このギャラリーの存在を知ったのは約7年前、
時々ネットをチェックして、展示会があると、観に行くようになった。
コロナ禍で、ネットのチェックはしていなかったが、
新聞の夕刊に、
水俣病を撮してこられた桑原史成さんの写真展が、
ギャラリーEMで開催されているという記事を読み、
久しぶりに西麻布のEMギャラリーを訪問した。
プロ作家の写真展なので、カメラはバッグの中に収め、撮らないようにしている。

写真家ユージンスミスを主役にした水俣病の映画が公開され、話題になっている。
そのためか、さほど広くない会場が、人で溢れていた。
数えたら30名ほど。
いつもの展示では、2,3名程度、
時には小生だけという時もあった。
桑原史成さんが中央のテーブル席に座り、
周りを知り合いの方達が囲み、談笑していた。
コロナ感染が収まりを見せているが、ちょっと臆病になっている。
壁に掛けられた30点ほどの作品を見て、足早にギャラリーをでた。

モノクローム展には8回目あたりから来ている。
これは10回目のモノクローム展の時、記録にと撮った一枚。
当時は、Tri-Xの値が上がりだし、代替のフィルムを探していたころ。
Kentmere400をISO:100で使用し、減感現像(*注)テストしていた。
現像液は、Tri-X用に開発(最適化)した(A)現像液(やや軟調現像液)を使用していた。
カメラはポケットにも入るMinolta-Hi-matic Fを使っていた。
ギャラリーを出た後は、渋谷の駅を目指すのが定番の散歩コースになっている。

現在、Tri-Xは使っていない。
使うフィルムの現像液の調整(最適化)もほぼ終了。
Retro80Sフィルムを使用し、軟調と硬調現像液を切り替えて使う二段現像法でネガを調整した。

Minolta-Hi-matic Fは、自動露光なのでシャッター速度、絞りはカメラ任せ。
F:2.7 38mmのレンズが付いている。
ISO:100で撮影したので、おそらくカメラはf:2.7/30秒の露光を選んだと思う。
(フレーミングとピント合わせは、撮る人の裁量)
ギャラリーも青山トンネルも数年前と さほど変わりはないが、
近くのビルが壊され、再開発が始まっていた。
数年前に比べ、高層ビルが増えたようなきがする。
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(注) フィルムの感度を落とし(たっぷり目の露光)、
中庸から軟調の現像液で、
現像時間を短くして現像(減感現像)すると、
暗い部分の黒潰を防止し、(覆い焼きで像をだす)
ハイライト部分は、焼き込みで画像がでる、白飛びを防いだネガになる。
銀粒子もでにくく、階調性も高いので、高感度フィルムでたまに使うこともある。
画質優先なら、
Retro80Sも、ISO:50とかIOS:25で使用し、
減感現像した方がいいと言われているが、
半切、全紙まで引き延ばすなら、減感現像という方法もあるだろうが、(テストしたこと有り)
画質は、四つ切り、希に半切なのでRetro80Sで減感現像は考えていない。
- 2021/10/20(水) 10:50:58|
- ある場所、ある瞬間
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アグファのRetro系フィルム
Retro80S, Retro400S, SuperPan200,Rollei赤外400のフィルムベースはポリエステル。
伝統的な従来のフィルムベースとは異なる。
そのためだろうか、乳剤の組成も変わっているようだ。
使ってみると、白飽和には伸びがあり、黒潰もかなり防げるフィルムという特性があると思う。
暗い部分からハーフトーンへ、そしてハーフトーンから白色へのトーンが、独特なものがあり、
撮影時、そのときの光にあった露光を選び、
現像では、現像液と現像法を選ばないと、
従来とは違った(予期せぬ)トーンの写真になってしまう。
D-76でも、ロジナールでも現像できると思うが、
期待したトーンになるとは限らず、使いにくいフィルムという評価を受けるのかもしれない。

渋谷駅に向かって歩いていた。
ビルと街路樹に囲まれ暗い。
レンズは古いツアイスのコンタックスⅠ、Ⅱ用のゾナー50mm F:1.5の明るいレンズ(1939年製)をつけていた。
ものは試しと、開放絞りf:1.5 シャッター速度1/125秒で撮影してみた。
ピントは中央の鳩に合わせた。
ツアイスの古いレンズは、S型ニコンカメラにも互換性はある。
ピントも合っている。(ニコンが真似たということだろう)
右端の置かれた自転車のトーンが少し崩れている。

青山トンネルに入ったとき、前方に淡いベージュのコートを着た女性が歩いていた。
ピントを合わせ、シャッターを切る。
現像してみて・・・驚いてしまった。
無地の淡いベージュのコートと思っていたが、
文様が浮きるように出ている。
赤外部まで感光領域が延びているフィルムだが、
スプリングコートのようなものを着ている。
光が透過し、その光が反射して撮れたとは思えない。
ハーフトーンから白へトーンの変わる部分、
洋服の微かな凹凸の差を、
フィルムの眼は感知してしまったのだろう。
確かにRetro80Sでポートレートを撮ると、
光のダイナミックレンジが広く、
肌の微妙なトーンの差が表現できるので、
ポートレート撮影向きのフィルムだと思っていた。

トンネルを抜けたところで、オープンカーが信号待ちで停車していた。
珍しいと 空を入れ縦位置で一枚。
この場所の光のダイナミックレンジは広い。
空に合わせるならf:5.6/500秒かf:5.6/1000秒、
道路ならf:5.6/60秒だろう。
間を取って、f:5.6/250秒を選んだ。
暗い部分は潰れていた。
f:5.6/125秒で撮った方がよかったと思う。
左の車の後ろ部分のトーン、オープンカーのフロント部分の輝き、
黒いバンの車体と、白いホイールの対比。
それなりに面白いが、全体としてはトーンは崩れている。
使いこなすのが面白いフィルムだと思う。
- 2021/10/19(火) 12:30:59|
- フィルムの眼
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久しぶりに渋谷へ行った。
駅前は変貌、数年前とは異なる街になっていた。
方向が分らなくなっている。
あてどなくさまよい、見知った場所を探そうとする。

トーンが微妙に崩れている。
こんな場所だっただろうか?

ビルの中に入る。
やはり何かおかしい。
この空間に、奇妙な非日常性を感じる。
・・・異界に入り込んだのかも。
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フィルム撮影のストレートフォト。
レタッチソフトを使った合成や、
フィルターアプリケーションを使った画像の加工などは一切行っていない。
フィルムを、軟調現像液で現像し、
タイミングを見計らって、硬調現像液に切り替える二段現像法でネガを作っただけ。
「ネガは作曲、プリントは演奏」を実践するのみ。
- 2021/10/17(日) 09:18:32|
- ???
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高層マンションの建ち並ぶ場所を歩くと、
身なりのいい人が、犬を連れて歩く姿を見る。
木造の建物が多い地区では猫を見ることが多い。
猫は放し飼いだ。
家猫と野良猫の違いは、警戒心が強いかどうかだろう。
三ツ木地区の細道を歩いていた。
そばを横須賀線が走っている。
大正時代の地図では、「北品川宿飛び地」と記された地区。
昭和20年代は、小さな町工場と住宅が混在した場所である。

黒猫が横町の細い道を歩いていた。
カメラを構える。
小生の姿を認めると歩きを止め、
眼光鋭く睨み付け、これ以上近づいたら、
一気に逃げていく体勢を整えている。
これ以上近づけない。
シャッターを押し、小生が後ずさりして離れた。

大井町から立会川河口付近まで続く立会川緑道を歩いていた。
豪雨による川の氾濫をおそれ、土嚢が準備されている。
その上に黒猫が寝そべっていた。
近づくと首をもたげ、警戒心を示す。
広角レンズだったので、もう少し近づきたかったが、
これ以上近づくと、猫は逃げていく。
眼光の鋭さから、おそらく野良猫だろう。
現像は軟調現像液(Ⅵr)を使用した。

京急線の北品川から青物横丁の間に旧品川宿は有った。
古い家屋も多い場所。
青物横丁駅近くの諏訪神社には、
周りの住民が面倒を見ている地域猫がいる。
境内の柵に囲われた場所に集団となって居ることが多い。
柵の中に入れないわけでないが、それなりに難しい。
面倒を見ている人以外が入っていったら、一斉に逃げていくだろう。
柵があるので、近づいても逃げることはなかったが、
それでも頭をもたげた。
眼光は相変わらず鋭い。
現像はやや軟調な(Ⅰ1)現像液を使用した。
黒猫を撮すには露光不足だったかもしれない。
体表のディテールが潰れてしまった。
ピクトリアリズム時代の絵画調トーン?になる。
黒猫のディテールを出すには・・・どうしたらいいのか。
フィルム、露光、現像・・・またこれも挑戦、何度か通うことになりそう。
- 2021/10/15(金) 08:36:15|
- 猫、犬、鳥
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以前は暗室に籠もり、引き延ばし機にネガを挟み、印画紙に焼き付けていたが、
今は、ネガをフィルム・スキャナーで画像化している。
フィルムスキャナーにして良かった点は、
ネガフィルムのトーンや濃度を数値化できること。
以前は、フィルムを透かして見て、
濃度が出ているとか、トーンはありそうだと、判断していたが、
数字で定量化できることで、
判断に確実性(エビデンス)が持てるようになる。
それまでは職人の勘に頼るようなもの。
ようやく科学的(サイエンス)な追求が、
個人の手でもできるようになる。
現像液の開発、調整は フィルム・スキャナーがなかったら難しかったと思う。

午後3時頃、秋分を過ぎていた。
秋分前の明るい太陽光線の下(4月~9月)なら、ISO:100フィルムでf:16/125秒の露光になる。
今ならf:11/125秒が適正な露光だろうと判断。
古いゾナーレンズなので、最小絞りはf:11、しかしf:11まで絞ると、時に四隅が露光不足となる。
当時のレンズは明るいレンズを求め、ツアイスはF:1.5のレンズを出す。これが当時の最高レベルの明るいレンズ。
そのため絞るとイメージサークルが小さくなる。その限界がf:11だったようだ。
(一番初期のF:1.5ゾナーの最小絞りはf:8だったというが・・・いまだf:8のレンズを見たことはない。都市伝説?)

D-76より少し軟調に仕上がる(Ⅰ1)現像液を使い、ネガのUp濃度が210になる条件で現像した。
明るい空も入れたので、Up濃度は210を越えても、240以下に収まる(白飽和を防げる)と思った。
結果はUp濃度226になった。
210~226の間のハイライト部分にも画像は乗る。
スキャナーのトーンカーブを、暗部を持ち上げるように設定してスキャンしてみたが、
残念ながら、暗部の部分は黒く潰れていた。
D-76より少し硬調にしあがる現像液(Ⅲd)だと、
白黒のコントラストの高い、すっきりとした写真になると思うが、
更に暗部は黒くつぶれ表情を失うだろう。
念のため、一絞り分露光を増やして撮影していた。

ヒストグラムの領域は(30-241)に拡大した。
Up241の値は、白飽和がどうにか防げる限界に近い。
Low値24が30になったので、黒潰はどうにか防げた。
光のダイナミックレンジの広い場面では、
一絞りの差が、画質に大きな影響がでる。
デジタルなら、HDR写真モードにすれば済むこと。
簡単に撮れてしまうので、
光とトーンの関係をあまり気にしなくなったのかも。
その場で取り直し効かないフィルム写真では、
それが重大なポイントになっている。
露光で判断に苦しむと、
露出を変えて撮ることも・・・ある。

日が射しているとはいえ、木質はくらい。f:8/125秒が建物を撮るなら適正だろうと思った。
しかし、薄暗い堂内にも表情がある。
一絞り分、露光を増やしておこうと、f:5.6/125秒を選択した。
しかし、シャッターを切って、不安になる。
くらい部分の露光はもっと増やすべきだろう。
堂の中ならf:1.5/125秒・・・f:2.8/30秒かなぁと思う。
しかしそれではお堂の周りの木材の材質感はなくなる。
結局f:5.6/30秒で、もう一枚シャッターを切った。

取り込んだ画像には、微かにお堂の中が写っていたが、
木材部分は露光オーバーでトーンが崩れ、材質感を失っていた。
PhotoShopElement(スキャナーに同梱されていたバンドル専用ソフト、2008年製)
の機能を使い、
画質調整を開き、ライティング機能で、画像を調整した。
「ネガは作曲、プリントは演奏」
それがフィルムで撮影する楽しさだろう。
- 2021/10/13(水) 12:49:49|
- フィルムの眼
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白い花を黒く撮せないかと始まった試みも、
トーンをいかにコントロールできるかという段階に進み、
それに合う現像液の開発、
合うフィルムの選定、
フィルター効果など調べてきた。
これは?と思える樹や花を発見すると、
撮ったらどんなトーンになるのだろうと思うようになる。
このまま進めると「怪しい植物群」でまとまっていくかも。
ツワブキもその候補の一つ。

秋のツワブキの葉は惨めなもの。
虫に食われたか、形が崩れている。
一部が枯れ始めて変色が始まっていた。
手前、右下の葉に、空からの弱い光が差し込んでいた。
ツワブキは、陰に生える植物。
この光線状態で撮影したことはない・・・と思った。
幸いカメラはNikon F
50mmのレンズだと60cmくらいまで近づける。
ぎりぎりまで近づき撮影した。(パララックスがないのがいい)
これまでは黒光りするツワブキ、(硬調現像)
白化したツワブキ、(赤外線写真)
トーンが一部逆転したツワブキ(ソラリゼーション現像)
はあったが、明るく光るツワブキの葉はなかったような気がする。
D-76より少し硬調にしあがる現像液を使用した。
葉脈のコントラストも高く、面白いトーンになった。
光の具合をコントロールすれば、
もっと白く輝き、葉脈のコントラストの高い写真になるかも。
それは眼では見えなかった怪しいツワブキになるだろう。
- 2021/10/12(火) 11:47:07|
- 黒い花 怪しい花
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空き地のへりに深紅の葉鶏頭(ハゲイトウ)が咲いていた。
曇り空だが、時刻はまだ午後の3時頃、
ISO:100のフィルムなので(として使っている)
露光はf:4で1/125秒でいいだろうと思った。
現像は、
一番明るい部分の銀塩濃度が、スキャナーで210の値になるようにコントロールした。
(もし、空の部分が入っていたら、その値が220~230になると思う。)
しかし実際は薄めのネガになった。
エプソンのフィルム・スキャナーを使用している。
ネガを取り込むと、明るい部分の先端が166の値になっていた。
210の値まで伸びてくることを期待したのに・・・
一絞りほど露光不足だったのかと23~166の間をスキャンした。

画像を見ると、明るい部分が白飽和している。

蝶蝶の部分を拡大し(等倍)し確認するとディテールのトーンも良くない。

166の値で、白飽和するはずはない。
ヒストグラムでは166より明るい部分にデータはないことを示しているが、
小さすぎて分らないか、
23-166という範囲をスキャンしたが、
暗部からハーフトーンは、210迄のトーンのパターンで現像されているので、
トーンが詰まってしまったのかも・・・
210あたりまでスキャンする範囲を広げるべきだろうと
再度ネガを取り込んだ。

白飽和はなくなっている。

等倍まで拡大し、蝶蝶の部分を確認すると、トーンは明らかに改善されていた。
銀塩の粒子も目立たなくなっている。
「ネガは作曲、プリントは演奏」だよなぁと思う。
---------------------------
アメリカの大自然を撮して有名なアンセル・アダムスの言葉である。
彼が活躍した頃は、白黒のシート・フィルム(あるいは硝子乾板)を使うのが主流だった。
被写体を見つけ、光の具合を読み取り、
最適なフレーミングと、最適な露光(絞りとシャッター速度)で撮影する。
暗室でフィルムを現像し、ネガを得る。
これが作曲の部分。
一枚の作品にするため、
ネガを密着で、あるいは投影機で拡大し、印画紙に焼き付ける。
この時、部分的な覆い焼き、焼き込みをして画像を整える。
これが演奏に当たるという。
適切なネガ、適切なプリントを得る方法として、
ゾーンシステムという考えを打ち出している。
一つに技法だが、
アマチュアでも、暗室作業まで行って写真を作っていたものは、
無意識にも、その技法に近いことをやっていた。
デジタルカメラの時代になっても、
この考え方はそう変わるものではないと思うが、
デジタルは、撮影した段階で(カメラ内で)ポジ画像になっている。
ここに引っかかる。(現像は他人任せのようなもの)
フィルムの時代、リバーサルとかスライドと呼び、
ポジフィルムを使ってカラー写真を撮った。(現像は設備の整ったラボ任せ)
画像は投影機でスクリーンの拡大して鑑賞した。
スライド(ポジ)画像を、更に調整することは、殆ど不可能だった。
それが、デジタルの時代になって可能になったということだろう。
画質はフィルムよりいいと思う。
時代の流れ、技術の進歩を感じるが、
撮る人の技能は、更に進歩したのだろうか?
- 2021/10/10(日) 08:43:38|
- フィルムの眼
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国際フォーラムは、
嘗て都庁があった場所に建てられている。
有楽町のビッグカメラに来たついでに、写真に撮っておこうと思った。
ここはオリンピックの時、ウエイト・リフティングの会場になっていた。

原宿や千駄ヶ谷の国立競技場は、
オリンピック後、改修工事が行われ、近づけなかったが、
国際フォーラムではすでに催し物が開催されていた。
Hall Cの前には、若い女性が入場待ちで行列を作っていた。
殆どが女性、男性の姿は殆どない。

Hall A の前には人は居ない。
道路側の入り口へ廻ってみる。

エントランス・ゲートに、10名くらいの係員がいた。
これからイベントがあるという。
その準備に追われているようだった。
この場所では撮りようもない。
外に出て、来たというアリバイをつくるため、一枚 撮影。
国際フォーラムは高いビルに囲まれた場所。
光が入る時間帯は限られる。
綺麗な写真が撮りたかったら、
いい時間帯を見つけるため、何度か通わないと難しい。
曇天だとかなり暗くなる。
建物の中に入って撮るなら、高感度フィルムがいいだろう。
建物の材質感、構造をきっちり撮りたかったら、三脚と中判カメラの出番となるが、
三脚を持ち込んだら、許可を取る必要も出てくる。
散歩にカメラではなくなる。
止めておこう。
でも、高感度フィルムで、もう一度撮ってみようと思っている。
- 2021/10/09(土) 11:22:38|
- オリンピック残映
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写真用の小物を求め、
午後、有楽町のビッグカメラへ行く。
久しぶりの都心、近くを散歩した。
有楽町駅と新橋駅の間の高架線下が再開発されていた。
新しい店舗が続いていた。
面白いとスナップ。

こんな楽しいときが
さっと消えてしまうのは悲しい。
過ぎ去るものを永遠に記録しておきたい。
20世紀の初頭、裕福な家庭に育ったラルティーグ少年は、
父親に買ってもらった硝子乾板のカメラで、
楽しく遊ぶ兄や親戚、それに父の秘書の姿をカメラで記録した。
「こんなものを見た。
その光景を記録しておきたい。」
その気持ちが、写真を撮る原点(動機)だろう。
カメラで、恋人を撮り、自分の子を撮る。
旅行に行けば、その様子を記録しておこうとする。
原点はこの一点だが、
カメラ装置の改良や、カメラに対する親和性、使い慣れてくると、
カメラの使い方、表現法に分化が出てくる。
記録として伝えたいと報道写真になったり、
科学分野への利用、天体観測、顕微鏡写真、高速撮影、
広告写真や、政治的な世論誘導のプロパガンダ写真
スポーツ写真、大自然を捉えた写真、民族や風習を記録する写真。
写真を芸術にと、アート写真などができていく。
原点は一つだが、
撮れば撮るほど、分野の沼に嵌まっていく感じがする。
自分は何が撮りたいのか?
原点に立ち戻れば、
デジタルカメラの発展形、
撮りたいときに、すぐ記録できる
Phone-Camera(スマホ)が一番優れていると思う。
なんで白黒フィルムに固執するのだろう?
ビッグカメラのフィルム関係コーナーは、
更に狭くなっていた。
欲しい小物は、殆ど棚から消え、
ようやく、現像液調整に使う亜硫酸ソーダ 500gと、(棚にあったのは一箱だけだった)
ネガシート 25枚入り袋(棚にあったのはこの一袋だけ)を 手に入れただけ。(値段はかなり上がっていた。)
φ40.5mmとφ43mmのフィルターは、求めるものはもうなくなっていた。
フィルムが見直されているという動画(YouTube)を見るが、本当だろうか?
間違いなく、消えていく方向へ向かっている。
- 2021/10/07(木) 10:44:08|
- ある場所、ある瞬間
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国立競技場を見た後、再び原宿に戻る。

明るい空が画面に多く入ると、トーンは破堤しやすい。
空を意識して露光を切り詰める。
暗い部分は黒く潰、のっぺらな表情になる。
アレボケブレの時代なら、
空を焼き込むか、あるいは白飽和させ、暗いところは、黒く潰すところだろう。
なんともトーンの定まらない無様な写真になった。

空の部分を最小化、空は白く飛んでいるが 全体からみたら目立たない。
このフレーミングのほうがトーンは繋がる。

ネガフィルムは、白飽和に対し粘りがある。
暗部の方に露光を合わせた。
明るい部分に対しても、銀粒子がでやすくなる傾向にあるが、
黒潰もさせず、白飛びも避けるとしたら致し方ない。
このトーンが、Retro80Sと硬調な現像液の組み合わせの限界だろう。
- 2021/10/06(水) 10:42:08|
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代々木の体育館を見た後、徒歩で国立競技場へ向かう。
ずっと昔、国立競技場へは(水泳場だったような気もする)
東京オリンピックが開催される前から来ている。
そのときは、千駄ヶ谷の駅で降りていた。
個人的には千駄ヶ谷国立競技場だと思っている。

原宿から歩いてきて競技場にぶつかる、
時計回りで一周しようとした。
すぐ全体が見通せる場所にでる。
観音坂付近で撮影した。
ここも閉鎖され、工事中だった。
現像は硬調な現像液(Ⅳd5)を使うつもりで居た。
露光は、空に注目したら、f;8/500秒、建物ならf:8/250秒、
でもそれでは暗い部分は潰れる。
結局 f:8/125秒を選んだが、それでも、暗い部分は潰れていた。

この辺りになると、光は斜光から順光になる。
人影はない。
露光はf:8/125秒でも暗部は潰れていない。
カラスが一羽、枝に止まっていた。
競技場の各階に、ぐるりと樹が植えられている。
灌木だから大きな鉢植えかもしれない。
大会の意義、グリーン(環境対策)のイメージを表現するためだろうが、
それを維持するためには、かなりのコストが今後もかかる。
どうなるのでしょう?
カラスが暗示的に思えた。

空の部分を減らし、暗部の黒潰をなくすよう更に一絞り分、露光を増やす。

ギリギリ黒潰は防げたと思う。
フィルムは、白飽和に対し粘りがある。
硬調な現像液の場合、オーバー露光はちょっと躊躇するが・・・・どうにか白飽和も免れていた。

うっすらと光芒を感じたので、建物をシルエットで抜いてもいいと、
空に露光を合わせた。
露光計内蔵のカメラではないが、
この歳まで写真を撮っていると、
光のレベルはほぼ経験から推定できる。
勿論、露光計内蔵のカメラの方が、
露光で失敗することは少ないが、(自動で選んでくれるので)
なくてもそんなに失敗することはない。(あるけど気にしない、それも面白み)
単独の露出計、重さが有り、散歩に持って出るとなると億劫になる。
何でわざわざ光の強さを計らなければならない?
NOだ・・・という気分になる。

競技場と道一つ離れ、
オリンピック・ミュージアム(博物館)があったが、
ここも閉館していた。
コロナ感染がなかったら、多くの人で賑わっただろう。
コロナ感染下でも、それなりの来場者はいたと思う。
いまその役割を終えたが・・・今後の身の振り方どうなるのだろう?
レガシーとして有効活用して欲しい。
オリンピックの収支と今後の維持は、
結局税金ということにならなければいいのですが。
- 2021/10/04(月) 21:39:54|
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コロナ禍で開催されたオリンピックとパラリンピックも終了した。
期間中は、混雑するかもと思い、会場には近づかなかった。
祭りはその後こそ味わいが深いもの。
山の手線に乗り、原宿で下車した。

代々木競技場に人影はなかった。
競技が行われなくとも、
建物に近づくことはできるはず。
入り口へ向かう。

しかし、閉鎖されていた。
特設された設備を撤去工事中との知らせが貼られていた。


原宿の街に人出は戻っていたが、
競技場周辺の人影は少なかった。
祭りの後・・・特設設備は撤去され、
何事もなかったように、昔の競技場にもどろうとしている。
東京オリンピックのレガシーとして記憶に残るのは何だろう?
- 2021/10/03(日) 11:22:23|
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枯れた紫陽花は、意識して探し、撮ったけど、
咲いた紫陽花を、何の気なしだが撮っているかも・・・と思い、
紫陽花の季節のころのネガを調べてみた。
5月~7月の間、数カット紫陽花を撮っていた。
紫陽花は灌木、周りの高い樹の陰に入り、薄暗い場所に咲くイメージがある。

木漏れ日が斜めから入り花弁を照らす。
Retro400Sの高感度フィルムを使用、現像は一番硬調なクラスの現像液(Ⅱzf1)を使用した。

同じRetro400Sフィルムを使用。
カメラも同じだが、レンズはJupiter-8M 50mmレンズを使用した。
光が周り柔らかな状況だと、テクスチャーを出すため硬調な現像液を選ぶ。
これも一番硬調なクラスの現像液(Ⅱzf1)で現像している。

赤外線フィルムを使用して撮影。720nm以下の短い波長をカットするフィルターを付けている。
(UV→黄色→オレンジ→赤→赤外 フィルタを変えていくと、より硬調なネガになる。)
太陽の光に照らされているので、そのままでは硬調なネガになる。
やや軟調な現像液(Ⅰf)で現像した。

葉が白く写るので・・・赤外線写真だと直ぐわかる。

フィルムはFomapan100、太陽の光が直接届かない場所に咲いていた。
これも一番硬調なクラスの現像液(Ⅱof)で現像した。
光の当たり具合のちょっとした変化が、トーンを決めていく。
もう少し横の方角からやわらかい光線が入っていたら、
フィルムNo.1378の紫陽花のように、
葉に黒光りするトーンが入ったと思う。
- 2021/10/01(金) 11:19:36|
- 樹、草、花
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