イルフォード系(イギリス)のフィルムは何度か使ったが、
高くなったので、
数年前、ヨーロッパ系のフィルムに切り替えた。
そのなかに、気になるフィルムがあった。
フィルムのベースがポリエステルだという。
アグファ製のフィルムだと思う。
でもすでに、アグファ製フィルムには、
Retro80S,Retro400S、赤外400の三つのフィルムが用意されている。
なんでわざわざ、ISO:200のフィルムを出す必要があるのだろう?
価格もほぼ同じ、
テストしてみようかと、100フィート巻き一缶を購入した。
これは そのテスト撮影でとったもの。


カタログによると、
赤外線写真も可能で、
撮るときは715nmカットのフィルターが推奨されていた。
そこで、R72(720nmカット)フィルターをつけて撮影。
Retro80SやRetro400SでもR72をつければ、
似たような赤外線写真は撮れると思うが・・・
このフィルムのほうが、少し赤外線効果が強いかもしれない。
(カタログの分光感度曲線からすると・・・400Sのほうが高いと思うのだが。)
粒子も意外と細かく目立たない。
現像特性も、Retro80SやRetro400Sとは異なっていた。
同じアグファ製のフィルムだと思うが、やはり別物。
Retro400Sフィルムは
Retro80Sフィルムと赤外400Sフィルムの間に挟まれ、
個性が発揮しにくい。(粒子は赤外400並、際だった特性はない。)
SuperPan200には、違った特性が あるような気がする。
今、軟調や硬調の現像液で現像した場合のチェックを進めている。
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- 2021/02/26(金) 21:48:07|
- フィルムの眼
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中庸な現像液(Ⅰ)は、
Rollei Retro系フィルム用に、最初に作った現像液。
D-76より少し軟調になるように調整している。
トーン幅は広く、暗部の潰れないので満足していた。
(Retro系フィルム、ハーフトーンが硬調だった。)
Fomapan100では、トーンの幅が狭かったので、
改良し(Ⅰf)を作った。(f はFomapan改良を示す。)
fで示す改良は、その他の現像液の改良にも役だった。
再度、(Ⅰ)液の改良をおこなった。
そこで作ったのが(Ⅰaf)現像液。
カメラのFomapan100フィルムを詰め、テスト撮影。
現像後、ネガをフィルム・スキャナーでデジタル化、
PCの画面を見て、このショットを発見する。

絞りはf:2.8 被写界深度はそれほど広い訳ではない。
小学生が、ふわっと浮き出るように、鮮明に写っていた。
細部が立っている印象(ご飯が立つような旨味?)がある。
Jupiter-3はツアイスのゾナーレンズ 50mm F:1.5レンズと同等品。
解像度は高いけど・・・まさか横断歩道の白い帯に、細かな縦縞が出るとは思わなかった。

モニターを等倍(100%)にして観察する。
白と黒の境界に「エッジ」がでていた。

現像で、エッジをだすとしたら、ソラリゼーション現像法があるが、
そんな特殊な技法は使っていない。
(Ⅰaf)現像なので、穏やかな現像、銀塩の粒子も目立たない。
曇天で 柔らかな光の時は、
(Ⅰf)より(Ⅲd)で現像した方が、解像度、コントラストも高くなり、良いとしていたが、
フェニドンを現像薬に加えることにより、
P(Ⅲa)が、一番コントラストがつき、すっきりした画像になるとした。
しかし、この(Ⅰaf)現像液も、なかなかのもの。
晴天でも 試してみるつもり。
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レタッチソフトに入っているフィルターアプリを使えば、
画像のエッジ処理ができる。(エッジの強調、光彩拡散などのアプリ)
もっと綺麗な写真が作れるかも。
だが、それでは面白くない。
提供された(公認の)ルールに従って遊ぶか、
自分で、発見したルールで遊ぶか、
どちらを選ぶと言われたら、小生は後者を選ぶ。
- 2021/02/23(火) 11:56:03|
- フィルムの眼
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勝島運河は散歩コースの一つ。
年に何回か訪れる。
そして、何度も同じ被写体を撮ることになる。
飽きないのかと思うが、
でも、毎回 何らか狙い(テーマ)を定め、変化をつけるようにしている。
フィルムを換えたり、現像液を換えたり、カメラそのものを換えたり、レンズを換えたりして撮ってみる。
今回はFomapan100フィルムを使用し、フェニドン系の現像液で現像してみた。

暗い水面に映る波の光を、コントラスト強くして撮って(記録して)みたいと思っている。
YA2フィルターでコントラストを上げようとしたが・・・・もう一押しかなぁ。

ここは何度か挑戦している。
Retro80Sフィルムと硬調現像液(Ⅳo)の組み合わせの方が・・・・ベターか?

YA2フィルターを使ったので、すっきりとした写真になった。

これは少し白飛びした。
YA2フィルターを使用しない方がよかったかも。
難しいものだ。
難しいと思うから、何度も足を運ぶ。
もし「撮れた」と思ったら、
行く意欲はなくなっていくと思う。
- 2021/02/20(土) 10:50:30|
- 勝島運河
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コロナ・パンデミックの影響で、電車やバスに乗る機会が減っている。
昔から 殆ど、撮影場所は・・・散歩でいける所なので、
それほど変化があるわけではないが、
それでも、同じ場所だと、同じような被写体になりがち。
どうかして 今までと違った写真を撮りたいものと、
コロナの無聊を埋めるべく、現像液の配合をテストしてきた。

ガード下から見た品川区役所。
狙いは、空の雲。
雲をくっきり出すため、空に露光を合わせる。
中庸なフェニドン系現像液 P(Ⅲd)を使用したので、
ガード下の暗い部分も完全には潰れず、ディテールは残った。

広い空に浮かぶ白い雲を撮るなら、赤いフィルターを使うべきだろう。
持参したオレンジフィルタ-(YA2)を付け、区役所前の歩道橋に登る。

逆光の撮影。
一眼レフなので、太陽を木の幹で隠すことができる。
(レンジファインダーカメラではできない芸当)
もう少し空を暗く落とし、
前景の芝生を明るく、
芝生に落ちる樹の影を
コントラストを効かせて撮りたいものと思うが、
どうしたらいいのだろう?
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Fomapan100の現像液のテストは、終了した。
テストピースを比較して、
(Ⅵ)液(軟調)は (Ⅵ)より(Ⅵf)が、
(Ⅰ)液(D76より少し軟調)は (Ⅰ)より(Ⅰaf)が、
(Ⅲ)液(D76より少し硬調)は P(Ⅲd)よりP(Ⅲa)が、(どちらもフェニドン系現像液)
(Ⅳ)液(硬調)は (Ⅳ)よりP(Ⅳo):フェニドン系現像液が、
(Ⅱ)液(最強調)は、(Ⅱfo)よりP(Ⅱf):フェニドン系現像液が、
良いという結果を得た。
Fomapan100は 軟調現像液向きではなく、
むしろ中庸から硬調な現像向きフィルムのようだ。
これからは、
これらの現像液を、
撮影に合わせ、
どう選び、
どう使うかだろう。
- 2021/02/18(木) 12:02:18|
- 散歩
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硬調な現像液だけど、ネガには暗部に、まだ銀塩の画像は残っている。
ストレートに表現しようと、トーンカーブをリニアに設定、
暗部を潰さないように写真にする。

露光は、影になった部分を重視して決めた。
空を意識したら2絞り以上露光オーバー。
空は白飛びしている。
しかし、石垣の材質感は出ていると思う。

数歩歩き、右の石垣に寄り、同じようなフレーミングで撮影したが、
それでは面白味のない写真になった。
そこで全体を焼き込んでみた。
フェンスの金網、道路の白線、自動車、、コンクリートの壁が 白く浮き出る。
暗い部分は全て潰れ、硬調なトーンの写真になる。
ちょっとした光のバランスなのだが、
焼き込んだ方がいいのか、
暗部を生かし、コントラストを効かせた写真にするのか、
一枚一枚、丁寧に検討しないと まだ現像液の癖が分かっていない。

逆光での撮影。
暗部を潰さないよう、トーンカーブを少し動かし、暗い部分をすこし明るくした。
硬調なネガだが、トーンは意外と豊か。
Fomapan100フィルムは、現像液を換えることにより、表現の幅は、かなり広く変化する。
習熟するには、まだ、もう少し時間がかかりそう。
- 2021/02/16(火) 11:12:49|
- フィルムの眼
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Fomapan100に特化した現像液なので、
他のフィルムでも 同じようなトーンにできるか不明だが、
ISO:100の 他の銘柄のフィルムでも可能だろうと、希望的に思っている。
(ただし、ポリエステルをフィルムのベースにするRetro系フィルムは、
塗布された乳剤の性質が異なるので、無理かもしれない。)
この現像液を使う場合、撮影で一番難しいのは、
光のあたり方、それを読めるかどうかだと思う。
露光をたっぷり与えるか、少なめにするか、
現像を押すか、短くするかでも、
かなりトーンが変わりそうだ。

ツワブキの葉は、硬く厚みがある訳ではないが、
プリントするとき焼き込むと、金属のような滑りのある光沢が出た。
ハイドロキノン/メトール酸の組み合わせで作った(Ⅱf)現像液より、
一段、光沢が良く出る。

更に、オレンジ色のフィルターYA2をつけて撮影すると、黒光りした写真になった。
念願の、
黒いアメ車の、深い滑りを・・・・これなら表現できるかも。
- 2021/02/15(月) 09:08:48|
- フィルムの眼
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現像液にフェニドンを加えることで、今まで扱いにくく、
じゃじゃ馬のような現像液だなぁと思った(Ⅱf)現像液が、
かなり使いよくなった。
テスト撮影を行い、フィルムを現像してみた。

都内のガソリンスタンドは、この20年くらい 徐々に姿を消してきたが、
ついに三ツ木通りの入り口にあったガソリンスタンドも廃業となる。
ガソリンエンジンの自動車の時代から電気自動車の時代へ、その流れは止まらない。
時代の要請は、どんどん変化していく。
要請に合わないものは消え去るのみ。

そう思えば、写真の役割も変化していくのは当然だろう。
湿式から乾板写真、そして白黒フィルム、カラーフィルムへと発展した。
それが、21世紀を迎えるとデジタル写真へと変化していく。
湿式の写真を撮る人はいない。
硝子乾板を入手することもできない。
それらは19世紀の遺物、忘れられた技術。
もし、再現しようとしても、それは学術的な意味合いで、
それで写真を撮ろうとする行為には結びつかない。
フィルム写真も、前世紀(20世紀)の忘れられた技術となっていくのだろう。
フィルム写真に拘るのは、一部の物好きだけ、
やがてフィルムの生産が終われば、そこで消滅する。
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(Ⅱf)現像より現像は安定化した。
フェニドンを加えたことにより、暗部の潰れがかなり防止できている。
これはかなり使える現像液だろう。
この成功が、いいヒントになった。
従来のハイドロキノン/メトール酸の組み合わせでも、
似たような現像液が組める可能性がある・・・と思う。
- 2021/02/14(日) 11:43:15|
- フィルムの眼
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ニエプスによって写真が発明されたのが、1822年、
有名な「ル・グラの窓からの眺め」の写真は、1826-1827年頃 撮られたものだという。
光を記録する方法を見つけると、一気に関心は高まり、更に実用的なものへと、開発の競争が始まる。
ニエプスの技術を継承し、
1839年、ダゲールはダゲレオ・タイプと称される、銀板に直接像を残す写真を完成させる。
非常に精緻な画像だが、複製のきかない一枚きりの写真だった。
一方 イギリスのタルボットも1840年にはカロタイプ写真を発表している。
カロタイプ写真は、紙に感光剤を塗布したタイプで、
現在のフィルム写真と同じ原理、ネガを作り、それを感光紙に焼き付け、ポジ画像を得る方法で、
複製が可能であった。(ただし、紙媒体なので、画像は粗い)
1851年 ネガに紙でなく、透明な硝子を使うことを考え、
湿式コロジオン法が発明される。
コロジオン膜が乾かないうちに撮影しなければ感光性を失うので、
取り扱いが難しく、化学の知識も必要なので、
ごく一部の人しか 写真を撮ることができなかった。
大きなガラス板を使えばそれだけ大きな写真(当時は、密着露光しポジ写真を制作していた。)
になり、精緻な写真が作れた。(白黒 モノトーン写真だが・・・)
(ダゲレオ・タイプも 同様に技術の習得は・・限られた人のみだろう)
1871年になると乾板写真が発明される。
1878年には 工業的に生産されるようになり、
ようやく個人でも、写真を撮り、楽しめるようになる。
(ただし、かなりの好き人、裕福な人向き)
1888年になると、ニトロセルロース・フィルムに乳剤を塗布した、
現在のフィルム写真の原型ができる。
それから約100年後の西暦2000年頃、
フィルムが、デジタルの画像素子へと変化していった。
新たな発明ごとに、写真を撮ることが易しく簡単になる。
すごい発展だと思う。
日本における、白黒フィルム写真が、一番盛んだったのは、(個人的見解だが)
1960年代中頃から1970年代中頃までの10年間ではなかったかと思う。

1970頃からカラーフィルムの性能が向上し、
経済成長の恩恵で、個人の給与も増え、
相対的にカラーフィルムが安価になっていった。
また、プロの報道関係の写真家も、
白黒フィルムから、カラーフィルムへシフトしていく。
(撮影料が、カラーの方が高かった。)

白黒写真からカラー写真に変わっても、
未だ白黒ネガに拘っている。
現像液を調整し、硬調現像液、中庸な現像液、軟調な現像液、フェニドン系の現像液を調整してみようか・・・
などと、当時の写真環境から抜け出ていない。
どうしたものか・・・と思うが・・・
最近の動きを見ると、
デジタル写真の時代も、そろそろ終わりをむかえているのではないかと思っている。
コンピュータの発展、インターネット通信の高速化、画像の扱いが今後どうなっていくのか・・・・
予想もつかない。
今の延長のままでいたら デジタル・カメラも、フィルムカメラと同じ運命をたどる。
だとしたら、今頃になって、フィルムカメラを、デジタルカメラに持ち換えることもあるまい。
簡単に美しく、かっこよく撮れてしまうデジタルカメラが当たり前になると、
次の刺激が欲しくなる。
大衆はデジタル写真に、もう厭きてしまった。
デジタルカメラの販売は下がり続けている。
個人的な画像メモならPhoneCamera(スマホ)で充分だろう。
今は静止画(写真)より、スマホの動画の方が面白い。
動画の方が、表現の幅、訴えたいこと、知らせたいことを簡単にネットに載せ、評判を得ることができる。
行き着く先は、仮想現実(幻術??)になるのだろうか?
フィルム写真は、廃れゆくもの、前世紀の遺物・遺産になる。
しかし、撮って、現像し、そしてプリントし・・・手間暇かけて写真にしていく行程が、
確かに写真を撮っているという実感がして面白い。
まだまだ、白黒フィルムで遊べるだけの時間は残っている。
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昨日 ようやくFomapan100フィルムで、フェニドン系現像液のテストサンプル作りを終了。
順次、テスト使用していくつもり。
フェニドン系現像液を検討したことで、
今まで使ってきたメトール/ハイドロキノン系の現像液を、見直すことができ、
それなりに面白かった。
- 2021/02/13(土) 15:19:45|
- フィルムの眼
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西大井付近を散歩した。
カメラはBessaR を首にぶら下げていた。
BessaRはコシナが2000年頃 製造したものだが、
マウントは、戦前のライカのスクリューマウントになっている。
戦前から戦後も長い期間市販された多種類のレンズを装着できる。
Jupiter-3は共産党独裁時代作られたソ連製で、
ツアイスのゾナーレンズをコピー(クーロン)したもの。

戦前から、ツアイスのレンズは最高級のもの。
カメラはライカでも、
レンズはツアイスの明るい50mm F:1.5ゾナーが欲しいという裕福な人がいた。
ツアイスのゾナーを、ライカに使えるよう改良したレンズもあったという。

ソ連は計画経済の国家、設計図、ノウハウは、共有して使用できた。
当然、ゾナーレンズも、各社で生産されている。
ライカのスクリューマント・レンズもたくさん作られていた。
これは そのうちの一本。
モスクワ近郊のKrasnogorskという工場で1956年に製造されたもの。

S型ニコンカメラ(レンジファインダーカメラ)につけられたNikkorレンズは、
ゾナーレンズを先生として真似たコピー品 (ソ連製はクーロン品)、写りはよく似ています。

工場の周辺には、まだニコン関連の建物が残っているが・・・
寂しいもの。
- 2021/02/09(火) 20:48:11|
- 散歩
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2、3日前も、西大井駅周辺を歩いた。
そのときは、Jupiter-3のレンズをつけたコシナ製BessaRカメラを持っていた。
この場所で撮るなら、BessaRカメラは適当ではない。
ニコンのカメラにニコンの広角レンズをつけて撮影すべきと思った。
そこで、Nikon Fに Nikkor 24mm F:2.8のレンズをつけ、
ポケットにYA2(橙色)のフィルターを入れて出かけた。

現像液はフェニドン系現像液、
D-76より少し硬調な現像液だが、
P(Ⅲz)より、P(Ⅲd)のほうが少し硬調に仕上がるようだ。
しかし、黒潰れも、白飽和もかなり防げる。
階調の豊かなコントラストの高い写真になる。
かなり使い勝手がいい。

空に対しては完全に露光オーバ。
明るい部分、焼き込んでみたが、銀塩のザッラとした粒子がでてしまった。

ここが撮りたくて、Nikon Fを持ち出した。
50数年前、このNikon Fも、
Nikon SPも・・・そして Nikomart FTnも、
ここにあった工場で製造された・・・と思うと、
時代の変革を考えざるを得ない。

永遠なんてあり得ない。
もう、フィルムカメラの時代でもあるまい。
この場に立てば、そう思い知らされる。

老兵は去りゆくのみ・・・だが、
弾薬(フィルム)の供給が続く限り、ニコンのカメラを手放すことはないだろう。
-------------------------------
現像主剤にフェニドンを選択肢に入れたことで、
作れる現像液の選択肢が増えた。
Fomapan100用でテストしているが、
このフィルムに合っているようで、階調性が、いい方向へ動く。
特に 硬調な現像液で効果が大きい。
(Ⅳ)や(Ⅱ)などの硬調現像液で、その効果は大きい。
今、その最適化を試みている。
Fomapan100の別の面を発見した気がする。
- 2021/02/07(日) 19:09:15|
- 散歩
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現在、フィルム現像主剤で入手可能なものは、
ハイドロキノンとメトール酸の二種類だけ。
過去にはフェニドンも販売されていたが、今は棚に載っていない。
白黒のフィルムが販売されている間は、
この二つの現像主剤が棚から消えることはないだろうと・・・希望的観測をしている。
Retro系フィルムの現像液は、この二つの薬剤を使って配合を決めてきた。
現像液のカテゴリーを軟調、中庸、硬調、微粒子などに分け、それをローマ数字で表し、
薬液の組成をアルファベットの小文字にした。
二成分だったので、(Ⅲa)とか(Ⅱf)と表記すれば、どんな組み合わせで現像したか分るが、
フェニドンを加えると主剤は三成分になるので、表記法を変える必要があった。
今までの、表記法と齟齬がないようにするため、
フェニドンを入れた現像液は、
P(Xyy) X:ローマ数字、yy:アルファベット2文字とした。
テスト現像をした現像液は、
新しい表記法で示すとP(Ⅲz)になる。

内蔵の露出計は、これが適正露光だと知らせていた。
素直にその指示に従う。
ネガの一番明るい部分の濃度が、スキャナーの取り込みで220になる条件で現像した。
ネガ濃度は(121-232)の範囲に入った。
濃度範囲は232-121=111と平均的な階調性だった。
少し現像オーバであった。(一絞りオーバーだと思う)

カメラの指示した適正露光より、一絞りアンダー露光。
ネガの濃度範囲は、(89-226) ほぼ適正。
濃度範囲は226-89=137 と高い値。
Fomapan100フィルムのベース濃度(少し色がある)を考慮すると、ベストに近い。

適正露光より、約二絞りオーバー露光。
濃度範囲は(143-236) ベース(Low濃度)が143と上がっている。 236-143=93 階調の範囲が少し狭くなった。
3枚の写真、手前の土の濃度が同じくらいになるよう調整している。
オーバ露光したネガは、背景の明るい部分は白飽和していたが、
暗部の黒潰れはなく、トーンカーブ調整して暗い部分を持ち上げると、
幹の細部まではっきりと出すことができる。
「ネガは作曲、プリントは演奏」
プリントで、
部分的な焼きこみや、覆い焼きの手法がつかえるなら、
この幹を表現する写真を作るなら(作曲)、
すこしたっぷりめに露光したネガが、演奏しがいある楽譜となるだろう。
- 2021/02/05(金) 11:34:08|
- フィルムの眼
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久しぶりに Nikon Fを もって散歩に出た。
東京オリンピックの翌年に購入したものだから、もう56年使い続けている。
一度、ミラーが上がったままになり、修理に出したが、
それ以外故障はない。
今でも現役で使える。
最初の頃は、よく使ったが、
ペンタプリズムは目立つし、レンズも重いので、
この頃は、レンジファインダーカメラに手が伸びる。

でも、いいカメラだと思う。
パララックスがないし、視野率はほぼ100%、
それに50mmの標準レンズをつけたとき、ファインダーは等倍で明るい。
両目を開けて被写体を確認し、撮影できる。(Nikon SPと同じ使い方ができる。)
絞りボタンを押すと、ボケ具合(被写界深度)を確認できる。

Nikon S用の50mm F:1.4レンズは良いとは思えなかったが、
Nikon F用のレンズは優秀だと思う。
最短は60cm、レンジファインダーに比べ、近寄れるが、もう少し近寄りたい。
このレンズ、開放では 少しフレアーがでることもあるが、
少し絞るとなんとも言えないボケみになる。
個人的にはf:2.8の絞りがいい。
撮影では、f:4~f:5.6を使うことが多い。

この標準レンズ50mm F:1.4レンズより ワンランク上のレンズがでたら、
Nikon Fを買い換えてもいいと、考えていたが・・・
その後モデルチェンジしたNikonカメラに付いている標準レンズで、
このレンズよりワンランク上のレンズと思えるものにぶつかっていない。
同等と判断し、結局 Nikon Fの買い換えはしなかった。
まだまだ 現役で使える。
いいカメラだと思う。
- 2021/02/04(木) 12:29:14|
- 樹、草、花
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昔 PQ現像液というのがあったのを思い出す。
フェニドンを含む現像液組成で、
ハイドロキノンとの配合比や液性、
使い方によって、
軟調現像にもなるし、増感現像にもなった。
どうして、使われなくなったのかはよく分からない。
市販されている現像液でPQ現像液あるだろうか?
20年くらい前、
25g入りのフェニドンを購入し、
試した記憶が残る。
ラストチョイスとして、フェニドン系の現像液で試してみようと思った。
探したが、使いかけの25g入りフェニドン瓶が見つからない。
代わりに15g入りのプラスチック瓶が出てきた。
未開封だった。
フェニドンの使用量は、メトールの10分の1程度、
メトール換算で150gの効果が期待できる。
開けたら、中は黒い粉末になっていた。
20年以上放置されていたのだから致し方ない。
化学に携わった経験を生かし、フェニドンを精製した。(2gほど減った)
フェニドン/ハイドロキノン あるいはフェニドン/メトールの組成と、液性を変え(主にpH)、五レベルの現像液を作り、
テスト用ネガを使い、現像チェックした。
現像の特性を調べ、実用的と思えたものを選び、実際の撮影に使ってみた。

明るい冬の日差し、空を白飛びさせないよう、f:8/250秒の露光を選んだ。
車道の陰の部分、もっと黒く潰れるかなぁと思ったが、意外と潰れていない。
黒潰も、白飛びも あまり感じない写真になった。

地上の暗い部分に注目して観ると、黒潰れも回避されていた(と思う)。

フィルターは使っていない。
黄色のフィルター、あるいはオレンジのフィルターをつけて撮影したら、
空はもっと暗く落とせ、雲の白が映えたと思う。
いままでは(入手が容易な)ハイドロキノンとメトールの組み合わせの現像液を作ってきたが、
フェニドンとの組み合わせも、あるなぁ・・・とおもった。
5種類作って、テストネガで現像してみたが、増感耐性も強いことが分かった。
ISO:400のフィルムと組み合わせれば、
ISO:1600でも粒状、トーンの劣化を防ぎ、実用的に使用できるかも。
ちょっと希望を持ってしまった。
- 2021/02/01(月) 11:58:08|
- フィルムの眼
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