話題自体が 60年以上前のカメラのこと、そのときのカメラをまだ使っている人は希。
最新のデジタルカメラやPhone-Camera(:スマホ)を楽しんでいる人(殆どの方)にとっては、
もうどうでもいいことだろう。興味ない人はスキップしてください。
致し方ないが、こんなことが老人の趣味になっている。
ニコンのマウントも、コンタックスのマウントも瓜二つ、
50mmの標準レンズ以外は、外のバヨネットマウントを使用する。
距離合わせの回転角と距離の関係は、両者一致した。
フランジバックが同じか否かは(0.20mm異なるという説あり)、
違うものと仮定して精度が0.05mmのノギスで測定したが、
その仮定は否定された。(区別つかない)
ノギスでは精度はないが、
もっと精密な測定器で測定したら差はあるかも・・・・もう少し決定的な(実用的な)エビデンスが欲しい。
そこで、カメラにとりつけ、無限遠の被写体にピントを合わせると、ピントを一致していた。
どうやらフランジバックは実用上同一とみていい。
実際、フィルムを詰め、実写し、現像してみたが、やはりピントはずれていない。
外のバヨネットマウントを使用する、135mm、105mm、80mm、35mm、28mmのレンズは
コンタックスマウントとConatxⅡ、ContaxⅡa、KievⅡとNikon S型カメラとは完全に供用することができる。
では 標準の50mmレンズはどうだろう?
フランジバックは同じなので、無限遠ではピントが合うが、
基準とする標準レンズがコンタックスとニコンで異なっていると、回転に伴うレンズの繰り出し量が変わるので、
近距離でピントが合わなくなる恐れがある。
そこでゾナーの標準レンズを使い、近距離でのピントチェックを行った。

使用したレンズは、戦前のイエナ工場でつられた Sonnar T 50mm F:1.5。
第二次世界大戦前、反射防止のコーティングを最初に実用化したのは、ツアイス。
これはそのなかの一本。
おそらくレンズの番号から1939年製と推察している。
Jupiter-3は ソナー50mm F:1.5のクーロンレンズ、キエフで製造、1950年製でコーテンズ処理されている。
Opton Sonnarは 戦後2つに分割されたドイツの西側に逃れたツアイスが Optonの地で製造したごく初期のロット。
レンズ番号から、1951年製だと推察する。
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テスト結果は 3本とも ピントは完全に一致した。
ニコンとコンタックスでは、基準にした焦点距離が違うというが・・・有ったとしても、違いはピント精度より小さいと考えざるを得ない。
これでは、同一規格の製品の、委託先での品質管理(レンズ精度の公差内?)の議論をしているような気がする。
Nikon SPに Sonnar T 50mm F:1.5のレンズをつけ、試写してみた。

最短1mくらいの被写体。光があったのでf:5.6まで絞った。(このあたりが解像感が一番いい)

薄暗い所の置かれた昔の道標。
f:1.5の開放絞り、距離は1.5mくらい。
石柱に刻まれた文字が読める。

そばに設置してあった案内番、距離は最短の1mくらいだったと思う。
開放のF:1.5で撮影したが、周辺部が大きく流れることはない。
当時最高のレンズだろう、ライカのSummarit 50mm F:1.5では、このようにはとれないと思う。

無限遠にピントを合わせて撮影。問題なくピントは来ていた。

中景のショット。
問題なし。
ニコンSPとContaxⅡ マウント周りは 同一規格(精度も含め)で作られたものと思う。
(日本光学は しっかりとコピーした。)
これからは、レンズの相互利用をしていこうと思う。
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Nikonのカメラの方が、生産管理が厳格だったようで、
S型ニコンのレンズをKievⅡで使うのになんの問題もなかったが、
ツアイス系のレンズをNikon SPにつけたとき、レンズが取り出せなくなるくらい回しにくくなるレンズが、中にはある。
レンズを装着するとき、硬いなぁと感じたら、装着しない方がいい。
小生の保有するレンズではJupiter-12 35mm f:2.8(1960年製)のレンズでそれが認められた。
新しいJupiter-12を、そのため購入、1977年製のレンズは 何の支障もなく使えるし、良い写りのレンズです。
1936年製の基本設計から、ほぼ変わらず、1990年代前半まで キエフの地で作られ続けた広角35mmレンズである。
社会主義的計画経済の停滞を象徴している。
しかし、写りはいい、最初の設計の良さのすごみを感じている。
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- 2020/11/28(土) 11:23:52|
- 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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戦前、ライカの成功に刺激され、ツアイスが製造したカメラがContax。
ライカは、報道関係では、携帯性、操作性の良さから、広く使われたが、
ツアイスのレンズは、折り紙付きの(超)特級品。
コンタックスが生産されると、その優秀さから、コンタックスに取り替える人が出てきた。
勿論、ライカより高価。
ライカは50mm F:3.5のエルマーレンズ付きがよく売れたが、
ContaxⅡは 50mm F:1.5 のゾナー付きが よく売れたらしい。
主に、購買できたのは、軍関係機関、報道機関や富豪だっただろう。
キャパも 最初のころはライカのSummar 50mm F:2で 撮影していたが、
名作となったノルマンジー上陸作戦時のカメラは、
2台のContaxⅡと、一台のローライフレックス(いずれも、敵国ドイツのカメラ)だったという。
戦後・アメリカのライフ社のカメラマンにもContaxⅡファンは かなり残っていたらしい。
Contaxのカメラは、おそらく同盟国ドイツから、
海軍軍人経由、あるいは直接的に日本光学が入手し、
徹底的に調べていたと思う。
そしてライカの良い点と、コンタックスの良い点のいいとこ取りをして、
戦後S型ニコンを作った。
ニコンはマウントを忠実に再現していると思う。

内マウントは50mmの標準レンズ専用となり、それに合わせネジのピッチが切られている。
外マウントは内マウントの回転をそのままうけ、距離計を動かすが、
鏡胴の方に、距離が合うようネジのピッチが切られている。
フランジバックが同じか否かを測定知るためには、精密な測りが必要だが、その精密機器は手元にない。
ノギスを使って、計ってみた。(フランジバックを測定すべき場所が違うので、この値は絶対値ではない。)

ノギスの精度は0.05mmというかなり粗い精度。
コンタックスⅡaとNikon Sの フランジバックの差は0.2mmなどと吹聴する人がいる。
それが、本当か確かめるためには・・・より精度の高い物差しが欲しいところ。
試しに計って、繰り返し寸法をとりデーターをまとめてみた。
T-検定したが、「同じとして仮定して」も、95%水準でこの仮定を 否定することができないレベルだった。
(25年前、ウィンドウ95,98の時代、エクセルを使って実験データを処理していたが・・・統計処理の手順、判断法 大方忘れた!)
外マウントを使うレンズは、回転角で距離が決まる。
S型ニコンは 国内より米国で販売することを目的(敗戦により日本人は極端に貧乏、金持ち米国相手になる。)
のため、距離の表示はフィート単位となった。
コンタックスは、もとからメートル単位。
角度を分度器で測り、表にまとめる。

なんということない。
回転角と距離は 完全に一致していた。
当時の日本光学の技術者は、ツアイスに敬意を込めて、100%(理念を)コピーしています。
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85mmのレンズも 完全に一致している。
キエフ製のゾナー85mm F:2(Jupiter-9)レンズも 完璧なクーロン・レンズに仕上がっている。(ツアイスの技術者の薫陶もあったのだろうが)






近景(最短近く)、中景、遠景と ピントの位置を変え撮影してみた。
いずれもピントはしっかり一致していた。
これでも、近距離で使うのは勧めませんと・・・言えるのかなぁ?
- 2020/11/25(水) 22:07:57|
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現像液は原液をつくり、希釈して使用している。
大体、2ヶ月ほどで使い切り、新たな原液を調整しているが、
この原液は4ヶ月ほど経っている。
ボトルの底に 少したまっている液を使ってしまった。
一段~2段ほどネガは薄かった。



ハイコントラストの黒の美しい写真になっていた。
Fomapn100の隠れた能力を探し当てた気持ちになっている。
- 2020/11/22(日) 17:25:47|
- フィルムの眼
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Jupiter-8Mは ツアイス・コンタックスⅠ、Ⅱ用ゾナー50mm F:2レンズの キエフ版(Arsenal工場製)。
戦後、東独側にあったコンタックス製造工場が、キエフに移設された。
ContaxⅡは、ネームプレートがKievに付け替えられ、そのまま製造が続く。
レンズも移設されたキエフの工場で生産されたが、設計技術は供用され、
他の工場でも同じ設計のレンズが製造されるようになる。(KMZ工場でも製造された。)

東独のツアイス工場からは、組み立て前の部品やレンズ、硝材などが持ち込まれたが、
1955年頃からその在庫も尽き、徐々にソ連邦からの原材料に変わっていったらしい。
1956年頃のレンズはJupiter-8となっていて、Jupiter-8Mとはなっていない。
Jupiter-8のレンズは、ドイツの硝材で作られたキエフ市のArsenal工場製かもしれません。
1960年代の初め頃は、軍事大国としてソ連の輝かしい時代、
コンタックスのゾナー50mm、F:2を改良し、
さらに良いレンズにしたという自負(誇り)を込めJupiter-8Mとしたのかもしれない。
確かに良いレンズ。
鏡胴もチープ感はないし、
レンズは、硝子の塊の中から一番良い部分を取りだして磨いていたと思う。
レンズに小さな泡、欠陥もなく、今でも曇りはなく、非常にクリアー。
そのJupiter-8Mも、時代が下がると・・共産主義政権のノルマ優先がでてしまい、
ちょっと品質が低下したなぁと感じるようになる。
それでも、良いレンズである。
小生のお勧めは、1:2 F=5cmと 書かれたレンズ。
2/50 とか 2/53の表記のレンズだと、写りがちょっと違のでは・・・と思ってしまう。
しかし、2/50のレンズと、F:5cmのレンズで取られた写真を見せられ、
判別できるかとなると、それは無理だろう。その程度の違いで、結局は使う人の気持ちの問題でしょう。(安心感)

NikonSPにつけてピントチェックを行った。
ファインダーでピントを合わせた場合、5回の繰り返し測定で、3.328フィート、
この距離(ほぼ最短)で被写界深度を計算すると、3.25~3.40フィートが被写界深度範囲になる。
一方、ピントグラス面を10倍のピークで見て、ピントのピークを掴むと、
5回平均で、3.342フィートとなった。
ファインダー合わせと、0.014フィートしか違わない。
ピント面で合わせた距離は、ファインダー合わせで決めた距離と、
被写界深度内で一致しているので、
ファインダー合わせで、完全にピントは一致する。
完全に使える!
ニコンとツアイスでは、基準に使ったレンズの焦点距離が違うとか、(52.8mmと52.6mm?)
フランジバックが少し違う(0.2mmとか)という説は、
実測のテストでは、その違いを確認できなかった。(否定)
ネットは、デモクラシーに必要なインフラだとは思う。
権威は どうしても唯我独尊になりやすい。
税金で運営される会議である以上、委員の任命権者は首相にあると突っぱねる。
これが、独裁政権の道に繋がることに無頓着で居るのは、この人の知性の問題。
「末は博士か大臣か」と政治家を狙ったのは分かるけど、
小学校、中学校で、
民主主義とはどんなものかの教育をちゃんと受けていなかったのかなぁ。
世界一番民主的と言われたワイマール憲法から、ナチスが生まれた。
インターネットには、それを阻止する機能があると思っているが、
フェークニュースが拡散し、徘徊し、それが世論となったら・・・デモクラシーの危機にもなる。
でも、理性が働けば・・・そのうち、フェークニュースが拡散しない仕組みができていくのだろうと 期待している。
無限遠に合わせ、撮影。

3フィート、このカメラのほぼ最短距離でピントを合わせ撮影。

飛行機の爆音が聞こえたので、無限遠にして待ち構え、チャッターを切った。

守り猫にピントを合わせて撮影。

人物にピントを合わせたつもりのスナップ。

逆光での撮影で、少しフレアーがでたが、コントラストは高い。
1963年製のオールドレンズ、なかなかのものだと思う。
- 2020/11/20(金) 15:57:58|
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コンタックスのマウントといっても、戦前のContaxⅠ、Ⅱカメラのマウント。
日本光学(ニコン)のS型ニコンカメラは このカメラのマウント部分を真似て作っている。
Contax系のレンズは、装着できるが、使えるかとなると・・・ネットで調べる限り懐疑的。
遠くの被写体なら使えるが、近くなるとピンボケになるといわれている。
しかし、その根拠も曖昧。
伝聞だったり、
そうだろうという思い込み、
この件には詳しいと、専門を真似た(なりすまし)のコメントだったりする。(コメントの拡散)
本当のところどうなのだろう?
実際のテストで試すのが一番良い。
これは2年ほど前、Nikon SPに Jupiter-11 135mm F:4をつけてピントチェックした結果。

Jupiter-11は、ツアイスのContaxⅡ用のゾナー135mm F:4レンズのクーロン。
戦後、イエナにあった工場を そのままソ連邦キエフに移転させて作った工場で製造されたもの。
1960年製だが、残った東独側のツアイスの技術者の指導を受けているので純正なクーロン品レンズだろう。
このレンズの最短距離目盛りは1.5mだった。
約2mのところ被写体をおいてピントチェックした。
ファインダーで5回合わせし、その平均値を使い、被写界深度の範囲を計算すると、1.96m~2.01mが範囲内となる。
その幅はわずかに5.11cm。
それを外したら、ピントは来ていないと・・・厳密なことをいう人がネットには多い。
すこしでも外れると、クソレンズなどという人も居るだろうが、
すこし外れても、像の崩れがなければ、すっきり見えるもの。
小生は、あまり気にしていない。
ピントグラス(フィルム面)を10倍のルーペでみてピントの山を見つけ、
そのときのレンズの距離メモリを読み取る。
5回の平均値は2.014mと、ほぼファインダーの距離と一致する。
差はわずか1.8cm、ファインダー距離で計算した、被写界深度の範囲内と見て良い。
なんだ使えるではないか・・・それが2年ほど前の感想。
コロナで、あまり遠くまで行くことなく 家に閉じこもり勝ちだったので、
小人閑居して・・・Nikon SPで ツアイスのレンズを、
KievⅡ、ContaxⅡaで ニコンのレンズを使ってみようかという気になっている。

日陰に咲いたツワブキの花。
距離は約2m、絞り開放のF:4で撮影。
ピントを決まっていると思う。

次の日も ツワブキの花を接写。
距離は 最短の1.5mだった。ピントはちゃんと合っている。

無限遠で撮影。
Nikon S用の135mmレンズはF:3.5と少し明るいが、レンズはどっしりと重い。
それに比べ、かなり軽量、解像度もいい。
安いし使えるレンズだと思う。
- 2020/11/18(水) 11:20:59|
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ニコンSPで コンタックスⅡ用のレンズを使いたかった。
ネットを検索すると、
S型Nikonのカメラ と ContaxⅡは、マウントの形状は同じでも、
フランジバックが違うとか、レンズの繰り出し量のピッチが違う、基準の焦点距離が違う、距離合わせの回転角が異なる・・・
など、完璧な互換性はない・・・とまことしやかに語られていた。
コンタックスのレンズをニコンSでは使えない・・・・本当だろうか?
精密な測定装置は持っていないが、
いろいろとテストすると、使えそうだった。
そこで、
使ってみたらちゃんと使えた。
あのネットの記事(複数)は何だったのだろう?

Jupiter-9は戦前製造されたツアイスのContaxⅡ用 ゾナー85mm F:2のクーロンレンズ。
戦後 ニコンは同じ設計でNikon S用に 85mm F:2を製造している。
そのクーロンゾナーをNikon SPに取り付け、
2mの距離にあるツワブキの花に(茎に)ピントを合わせて撮影してみた。
標準の50mmより、もっと被写界深度の浅い85mmレンズで しかも開放絞り2でも、ピントはちゃんと合っていた。

スロトボを焚き、絞るとさらにくっきりと撮影できた。
レンジファインダーカメラの限界、約1mまで近づき、冬の紫陽花を撮影。

さすがに被写界深度の範囲は薄くなる。
ストロボを焚いて絞って撮影。
紫陽花がくっきり撮影できたので、ピントは合っていたと思う。

裏付けもない(エビデンスのない)フェークニュースが、あたかも真実のように拡散する
インターネットの記事・ブログというもの・・・・問題あるなぁと思う。
記事を載せる前に査読という手法でフェークニュースを取り除く方法がとれない以上、致し方ないのだろう。
自由・平等・博愛の3つの理念がデモクラシーの根幹。
誰でも平等に自由に意見を述べることができるのがインターネットの基本。
でもそれは、意図したフェーク記事を書く自由ではない、
裏付けのない記事の拡散は、注意が必要だろう。
自由・平等を保障する博愛の理念に、他者に対する攻撃(嘘の拡散)をしてもいいという考えは出てこない。
米国の大統領選では、フェークニュースが、行き交っていた。
Youtubeを見ると、噂話程度の根拠の薄い(エビデンスを示さない)話が、
その人の確信になり、
米国大統領選関係のサイトが、盛り上がったりしていた。
インターネットに規制をかけるのは、賛成できないが・・・・扇動されるのは問題。
真偽の判定は、事実の積み上げで必ず判明する。
でも、こうだと決めつけてしまった確信は・・・・なかなか真にはたどり着けない。
Qアノンとは、どんな人たちなのだろう?
「確信は、嘘より恐ろしい真理の敵」
- 2020/11/13(金) 21:36:39|
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立冬は過ぎていた。
レンズを変えて撮ったらどうだろう?フィルムを変えたら?、フィルターを変えたら・・・と、
性懲りもなく同じ被写体を撮るのは、小生の習い性。

また、同じ桐ヶ谷の紫陽花を撮影していた。
空を無表情にしたくなかったので、
光のバランスを考え小さなストロボ(カタログ値GN:16 実際は経年劣化でGN:11)を使用した。
枯れた紫陽花には見えないが・・・枯れています。
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9月10日 東京都の新規感染者の数は減少傾向から増加に転じた。
9月10日から10月1日の感染者の数を、エクセルに取り込み、
解析すると(エクセルが計算してくれる)
感染者の数が倍になる日数は、約100日の指数関数となった。
(参考:前回のブログ 11月3日にそのグラフを載せている。)
9月中旬から下旬の新規感染者は約160名/日で推移していた。
しかし、100日後の12月中旬になれば、東京都では毎日320名の新規感染者がでてもおかしくない。
おそらく12月になったら 騒ぐようになるだろう・・・・と思っていた。
9月10日から、指数関数上に、新規感染者がほぼ一致して載っていた。
毎日データーを追加し、プロットされたグラフをみて、暗澹たる思いでいたが、
感染拡大に対し騒がないマスコミも、政治家もおかしい?と思う。
なんでGo toキャンペーンなのだろう?
マスコミは、そのお得感を演出する。
トランプ大統領はサイエンスを無視し、選挙に敗北した。
管首相も、サイエンスにたいする敬意は持っていない。
管氏個人の資質が問題なのではない。
そういう政治家を選んでいくこの国そのものが、
どうなっていくのか危惧している。
予算をつけているのだから、
サイエンスは時の政府の裁量の中にある・・・としたら独裁政治になっていくだろう。
テクノロジーは政府がコントロールすることは可能。
排ガス規制をかければ、自動車の排気ガスは綺麗になるし、
燃費の規制をかければ、その数値目標に達する自動車ができてくる。
北朝鮮のように経済規模が小さい国でも、独裁者が命じれば、原子爆弾の製造は可能。
それがテクノロジー。
民主主義とサイエンスは密接に結びついていた理念。
フランス革命で、占星術は天文学と物理学に、錬金術は化学となった。
サイエンスは民主主義と共に生まれた「娘」のようなもの。
サイエンスとテクノロジーの理念の違いが分かる人は少ないのかなぁ。
- 2020/11/11(水) 11:28:38|
- 黒い花 怪しい花
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朝起きたら、
米国大統領選で、バイデン氏の当確が出ていた。
結局、トランプ氏は、
中国で発生したコロナウイルスの対応を間違えたということだろう。
アメリカ中心主義をかかげ、
国際関係に大きな亀裂を与えたが、
イスラエル依りの米国民にとっては、
中東関係は望む方向へ動いたので、
それほど負のファクターにはならなかった。
むしろ経済的には好調だったので、
もしコロナウイルスのパンデミックがなかったら、
大統領選は、トランプ氏の勝利で終わったと思う。
日本の状況はどうなのだろう・・・と思う。

5月の下旬、東京は新規感染者の数は減り、明らかに第一波は収束を迎えた。
5月25日 政府は自粛宣言を解除する。
しかし、感染症の専門家等は、秋から冬になると第二波が来るので、その備えをすべきと警告していた。
その後、徐々に新規感染者の数は増えていったが、
政府は、経済優先を選び、全国的なGo toキャンペーンが始まった。
(東京は除外されたが)
アクセルとブレーキを踏んで、感染のコントロ-ルをするというが、コロナは管首相に忖度しない。
「総合的、俯瞰的に判断しているので それに当たらない」と いつもの文言で答えるのかなぁ。
自粛疲れもあり、人出は徐々に戻る。

10月1日には、東京もGo toキャンペーンに入る。


しかし、その間も、感染者は徐々に増加していく。
人の関心も「コロナの怖れ」より、自由に行動できる楽しさに向かう。
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人間の都合に合わせてウイルスが行動するわけではない。
トランプ氏はそれを無視してしまった。
すぐ消える、たいしたウイルスではないと
科学的なデータを無視(読まないか、読めない)し、
支持者向けの行動・政策を実行してしまった。
それが、彼の限界だったのだろう。
日本の政治家も同じようなもの。
科学的な理解力が不足している。
未だ、ウイルスと戦う、何ら有効な政策を作成することはできていない。
自助>共助>公助 まず、国民がウイルスと戦えということか。
一方、人の歓心(票)を買う Go toキャンペーンや、Go to イートの政策に巨額の予算をつけ、実行している。

政府は公式には第二波を認めていないのだろうが、
8月の初め、2日頃、第二波のピークを迎えていた。
政府は、7月22日のGo toキャンペーンを始めている。
それに、疑問を投げかける報道・声は 弱かった。(むしろ 賛同)

自分から問題を見つけ、科学的に読み込み、判断する訓練が・・・弱いのだろうなぁ。
回答が分かっているものから正解を選べば、(学校の試験では)秀才となり、最高学府に入学できる。
しかし、教科書的な中にとどまり その中で正解を求めていたら、次の世界は開けない。
最高学府に入ることが、立身出世の一つの道だと、必死に勉強するのは理解できるが、
それが、サイエンス(科学)の理念である というわけではない。
人種の多様性、富の格差、保守と革新の葛藤に苦しむ米国だが、
教科書的な中にとどまらず、新しい産業を興していく
社会の許容性、仕組み・精神・は、やはりすごいものだと思う。
科学・サイエンスはデモクラシーから生まれた理念。
(科学は、聖書という教科書にとどまることなく、そこを破き、外に出ている。
聖書が全てという米国民もたくさんいる。その対立・葛藤も米国にはある。)
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東京都がネットに公開する感染者データーを記録し、
エクセルを使ってグラフ化し、
PCの画面を見て、その結果を、読み込む。
深いため息が出てしまう。
あなたなら、このデータ どう読み、判断する?
- 2020/11/08(日) 10:37:18|
- 散歩
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「怪しい植物」
これもその候補。

レンジファインダーカメラで近づけるぎりぎりで撮影、
フィルムはFomapan100、硬調な(Ⅳo)現像液で現像した。
一週間ほど前の散歩では、
同じような「あじさい」を見つけ、Rollei赤外400で撮影している。

これもレンジファインダーカメラ、
現像は、中庸な現像液(Ⅲd)で行っている。
「冬のあじさい」は 過去にも興味を持っていて、
撮るならやはりクローズアップ写真だろうと、
数年前 一眼レフカメラで撮影している。

Retro400SフィルムはISO:400で使用している。
開放絞りf:2.8にして1/60秒の露出で撮影している。
撮影場所は、かなり薄暗いところだったと思う。(都営地下鉄のホームくらいの明るさ)
広角レンズとはいえ 近づき、絞り開放なので被写界深度は狭い。
このボケ方は小生の好み、いいと思う。
現像は中庸な(Ⅰ)現像液を使用した。

ほぼ同じフレーミングで撮影したが、ストロボを一灯焚いている。
絞りはf:5.6まで絞った。現像は(Ⅰ)液で途中まで現像し、
その後硬調な(Ⅱ)液に切り替え、所定の濃度(白飽和させない限界)に達するまで現像する二段現像法を使用した。
暗部は潰さず、白飽和させず、かつハーフ・トーンのコントラストを上げる工夫をしてみたが・・・
期待したほどの効果はでず、ごく普通の写真になってしまった。
凝ったほうが駄目だった・・・・
単純に、自然光、絞り開放、(Ⅰ)現像で処理した方に、軍配が上がった。
当時から・・・「怪しい植物群」を撮ってみたいという気持ちがあったのだろうと思う。
- 2020/11/07(土) 10:47:26|
- フィルムの眼
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戦前のフィルムは、乳剤層が厚く、銀塩の量も多かったので、暗部も潰れず「足がある」フィルムだった。
戦後、写真(フィルム)の需要が大幅に伸び、
メーカーは、フィルム性能の向上を競争するが、(販売促進)
それと共に、銀塩の使用量も減らしていく。(収益性の改善)
Tri-Xフィルムが発売されると、高感度でも使いやすい(粒状が目立たない)ので人気となる。
しかし、Tri-Xフィルムは それまでのフィルムに比べ暗部の粘りがない。
「足がなくなった」と嘆く写真家がいた。(木村伊兵衛)
古い(Retroな)足のあるフィルムを使ったことはない。
Retro400Sフィルムを使い始め、これが足のあるRetroなフィルムかと思った。
そこで、このフィルムに合うよう現像液の開発を行った。
Retro系フィルムのトーンカーブはS字の形になっていて、暗部は粘り(足がある)、明るい所は白飽和しにくい。
しかし、中間のトーンは立ち上がり、ハーフトーンは硬調になりやすい。
そこで、Rtro系フィルムでは、主に軟調現像液(Ⅵ)を使用、
たっぷりめの露光し、白飽和に耐性があるので、すこし押し気味に現像することが多い。
硬調な現像液は、白黒のトーンを強調したいときとか、特殊な効果を出したいとき使うようにしている。
一方、Fomapan100は素直なトーン、暗部はストンと落ちてしまう。
ハーフトーンから明るいトーンが中心となるので、
中庸から硬調の現像液で現像することが多い。
今年使った35mmフィルムを調べてみると、
軟調現像液で現像しているのは わずかに2本。
残りは全て中庸から硬調な現像液だった。
以下は軟調現像液(Ⅵf)で現像した画像。

戸越公園から観た大崎の再開発ビル群。

品川区役所前にある中央公園の林。
木々のハーフ・トーンを残したまま、もう少し空を暗く落としたいところ。
乳剤層の銀が濃いフィルムも市販されている。
選択肢の一つだが・・・高価だし・・・
どうすれば良いのですかねぇ?

目黒川河口、京急・新馬場駅近くで撮影。
日の当たった場所と、日陰の場所、
軟調現像液なので、なだらかに繋がった。
Fomapan100 トーンコントロールしやすい フィルムかも。
- 2020/11/06(金) 11:00:22|
- フィルムの眼
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散歩中、見慣れた植物でも、
ちょっと面白いと思うと、
まず一枚撮影しておく。
植物には疎いが・・・おそらく里芋の葉だろう。

すこしたっぷりめの露光をして、中庸(やや軟調)な現像液(Ⅰdf)で現像した。
空の雲の文様はどうにか記録できている。
暗い部分のディテールも潰れずに残っている。
Fomapan100 意外とトーン・コントロールできる範囲が広いように感じている。
- 2020/11/05(木) 10:59:41|
- 樹、草、花
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ネガを調べていたら、
苦手意識がある望遠レンズ、135mmで撮ったフィルムに
一カットだけだったが、ツワブキが写っていた。

黒光りしたツワブキの葉を意識していたと思う。
YA2(オレンジ)フィルターをつけて撮影していた。
現像液は中庸な現像液(Ⅰaf)を使って現像した。
- 2020/11/04(水) 18:50:27|
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カテゴリーの中では、(Ⅱ)が一番硬調に仕上がる現像液。
(Ⅱf)はFomapan100用に特化して調整したバリエーションとなっている。

2日ほど前(10月29日)も同じツワブキを撮影。
そのときは硬調現像液(Ⅳo)を使用した。

レンジファインダーカメラで近づける限界近くで撮影している。
もう少しクローズアップで撮りたかったので、85mmのレンズを使用した。
GN(ガイドナンバー)11の小さなストロボを使用した。(カタログ値はGN:16だが、実際の発光量は半分くらいにだった)
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「ネガは楽譜(作曲)、プリントは演奏」
最終の演奏・・・・プリントでもトーンのコントロールは可能だが、限界はある。
ネガを作る段階で、トーンを作っておく方が表現の幅は広くなると思う。
(今はデジタルの時代、優秀なレタッチソフトがあるので、将来的にはレタッチソフトで十分となるかも・・・・)
モノトーンフィルムのトーンコントロールは、
①たっぷりめに露光し、かっさりと現像する。(減感現像:軟調現像となる)
②少なめに露光し、現像を押す。(増感現像:硬調現像となる)
で行ってきた。
あるいは
③フィルターを装着し、フィルムの感光領域を狭めてコントロールする。
感光する領域(窓)が狭いほど硬調なネガになる。
④撮影時、反射板、ストロボなどを使用し、
被写体に当たる光の具合をコントロールして、コントラストを調整する。
こうすることで、フィルムと現像液をそのままにして、フィルムのトーンをコントロールするのが一般的だった。
同じフィルム、同じ現像液で現像しても、一定の(期待した)トーンにならない。
とくに 使い出した初心者の時はそうだった。
被写体に当たる光、露光の増減、現像の長短で、トーンが予期せぬものに変化する。
経験を積み、これでいけると、コツを掴むと、どうしても保守的にならざるを得ない。
フィルムを変えたり、現像液を違ったものにしようとはしない。
デジタルの時代になり、Tri-Xの値段が急激にあがり、手に入れにくくなったのが契機だと思う。
どんなフィルムでも使いこなせないと、だめだろうと決心したのが良かったと思っている。
それまではTri-Xの眼で、写真を撮っていたが、
今は、「フィルムの眼」を発見し、フィルムと現像液で写真を撮っている。
おもしろいものだと思う。
- 2020/11/03(火) 07:30:09|
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夜行性動物にとって、夜は獲物を捕らえるチャンスの時。
獲物は活動を止め、じっと隠れている。
その姿を 微かな光を頼りに、形状を判別し 捕らえればいい。
色彩に鋭敏になるより、白黒の濃淡を判別できるかが重要だった。
人間は どちらだったのだろう?
夜行性か、捕食か、捕食されるほうだったか?
昼は、色彩溢れる日常の空間が広がる。
それが、夜になると、得たいのしれない邪鬼が跋扈する世界となる。
エジソンが電球を発明し、闇夜を明るく照らすまで、
人間は、夜のモノトーンの世界に生きていた。
モノトーンの黒の輝きの奥には、心の底に突き刺さるなにかがある。
それは、太古の昔からの闇の記憶が蘇るからか?
モノトーンは、畏怖するものを想像させ、
これは何?と陰に浮かぶ光に驚くことだったりする。
これまでの何万年もの間、人間の根源的な恐れ、希望、夢は、暗い闇の内にいた。
それが、モノトーンのフィルム写真に 拘るわる理由かもしれない。
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曇天の夕方、五反田を散歩した。

硬調な現像液で現像した。
大崎郵便局の前には山手通りが走っている。
交通量は多い。
交差点の電柱の上にカラスがいることに不気味さを感じた。
電柱の金属の輝きが、見た目以上に強調されて写っていた。

Fomapan100と硬調現像液(Ⅳo)の組み合わせは、金属の輝きを強調してくれるようだ。

薄暗い光にボーとかすみ、はっきりしなかったが、
そのわずかなトーンの違いも、フィルムの眼ははっきりと弁別していた。
- 2020/11/01(日) 18:25:18|
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