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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

桜咲く        勝島運河

勝島運河にも桜の樹が植えられていたことを 思い出し、
昨日 散歩してみた。
桜の花は曇天の空に溶け込みそう。
花を浮き出そうと硬調な(Ⅳz)現像液で現像してみた。
勝島運河の桜1180-32
レンズはNikkor 24mm F:2.8の広角レンズ、最短で30cmまで被写体に近づける。
勝島運河の桜1180-25
華そのものの美しさ、あるいは存在感を
写真で表現するのは難しい。
すでに使い古され、ありきたりな構図、トーンになってしまう。
才能のなさを、晒すようなもの。
Something Newとはならなかった。

勝島運河の散歩道、「花街道」と宣伝していたが、ちょっと大げさではないか。
花街道と宣伝するなら、土手の花、もう少し整備してもいい。
桜は7,8分咲き、まだ満開には達していない。

曇天の撮影だったので、ハイキーに仕上げるつもりだったが・・・・
すこし、現像を押し過ぎたようだ。
白飽和寸前まで進んでいた。
も一度、現像条件 テストピースを使い調べるつもりでいる。
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  1. 2019/03/31(日) 12:09:28|
  2. 桜 
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白木蓮の花

中央公園に咲いていた白木蓮の花、
3月11日も撮影したが、その時は 50mmの広角レンズを使った。

撮影は、3月15日の夜、レンズをマミヤプレスの標準レンズ100mmに換えてみた。
今年の白木蓮は、去年より蕾が少なく、花の数も減っていた。
どうしたことなのか?
比較的沢山咲いている一本の樹に絞って撮影。
白木蓮1179-3
白木蓮1179-4
マミヤプレスは、
カメラの基本のようなカメラ、
手にし使ってみると様々な配慮がされている。
「気づいた? どう使う?」
「使うのは貴方でしょう」といわれているようなもの。
撮影の裁量を任されているのは楽しい。

これまでも夥しい回数、桜を撮影した。
マミヤプレスの機能を生かした撮影はできないものか。
桜を、どう狙うか・・・・それが問題だ。
Some Thing Newでなければ。
チャンスは満開になる、これからの数日間だろう。
  1. 2019/03/30(土) 11:56:13|
  2. 白木蓮
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戸越公園の夜桜  

7時少し前、日が落ち暗くなったので、
マミヤプレスと三脚を抱え戸越公園へ。
めぼしを付けていた桜は、
下枝の開花は進んでいたが、
上のほうはまだ蕾、全体で五分咲き程度だろう。
一組のパーティーが 慎ましやかに花見を楽しんでいた。
五分咲き1179-7
中判のフィルムは、風景向き。
上下を少しトリミングし、パノラマ風写真に整えた。
それでも画素数は6千万ある。
大きく伸ばしても、銀粒子のざらつきは あまり出てこない。
トーンの諧調性も豊かである。
フジのAcrosフィルム 良いフィルムだと思うが、
気づいたときは・・・・遅すぎた。
もう製造は終わり、販売もされていない。
去年10月ごろ、急遽買い集めたフィルムが、冷蔵庫にあるが、
それがなくなったら、アクロスフィルムで撮ることはできなくなる。
時代の流れには、抗し難い。

花は愛惜にちり、草は棄嫌におふるのみなり・・・・・
来年の桜の季節まで、Acrosフィルムが冷蔵庫に残っているとは思えない。
まして来年すらわからぬ身、
満開の桜になったら、もう一回だけ撮影してみるつもり。
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ブローニーフィルム 一本に8カット 撮影できる。
6カットは、3月の中頃 中央公園の白木蓮を撮影していた。
2カット分残っていたので、昨日 戸越公園へ行き、撮り終えた。
帰宅後 結果を知りたくて直ちに現像した。
露光はこれで良いか? 現像液は? 夜桜どう撮れているか?・・・・チェックしたかったから。
このトーンなら、満開の夜桜撮ってみたいもの・・・・さてどう撮ろう?

現像液は(Ⅰ)を使用。
液の組成は違うが、D76で現像したトーンに似る。
白飽和せず、暗い部分も潰れていない・・・・Acrosフィルム かなり使い勝手が良い。


  1. 2019/03/29(金) 12:56:16|
  2. 桜 
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黒塗りの外車が撮りたくて       モノトーンに遊ぶ・・・・あるいは遊ばれる

数年前、写真展で見た森山大道の写真が焼きついている。
氏の作品の多くは、新宿などの猥雑な街角を写し、
あるいはその一部を切り取り、
現代という生活空間を表現する意図、現代を喚起する思想性がある。

それに比べると異質な作品。
銀粒子のざらつきは感じない。
滑(ぬめ)りある黒く光る外車のボディーのトーンが美しい。
あんなトーンどうしたら出せるのか・・・・
なんどかチャレンジするも、今一の結果。
Retro80Sフィルムを使い、も一度挑戦してみようと、硬調現像液(Ⅳz)を開発していた。
黒い車1177-11
最初のテストで撮った一枚。
銀粒子のざらつきもなく かなり滑らか、Retro80Sと(Ⅳz)の組み合わせ、かなりいい。
露光をもう少しアンダーにして、現像時間を延ばせば 幻のトーンに近づけるかも・・・・
黒い車1178-13a
2日後、レンズの違い、カメラの違いが、トーンの違いを生むか、試し撮りしてみた。

カメラは高級一眼レフを使っている人からは軽く蔑(さげす)まされ、
バカチョンと呼ばれた大衆カメラのキャノンオートボーイ。
DXコードを読み自動でフィルム感度は設定されている。
フィルムを入れると、最初のコマまで巻き取り、撮影の態勢になる。
露出、ピントも自動設定、「あなたはシャッターを押すだけ、あとは全てカメラにお任せ」
暗いところでは 自動でストロボが作動する。
必ず、何かがクリアーに撮れている。撮影のミスはほとんど起こらない。
撮りきれば、自動で巻き戻してくれる。
撮影者に残された裁量は、光を読み、フレーミングしシャッターを押すこと、
そしてフィルムの現像からプリントまで。(ネガは作曲、プリントは演奏 アンセル・アダムスの言葉だったか?)

完全機械式のKievⅡ(戦前のコンタックスⅡ型カメラのクーロン)に50mm F:1.5のソナーレンズと
1980年代にキャノンが製造したズームレンズ付大衆カメラの比較。

現像してみたら 二つのカメラの写真表現に目立った差など感じない。
撮影機材を隠し、2つの写真を見せ、
どちらがいいですか?と聞いたら、おそらく評価は分かれるだろう。

写真表現の深い部分にまで カメラやレンズは影響を与えていない。
光画の本質が「暗い箱」にあるからだろう。
光を読み、被写体を、どう切り取るか、
フィルムを選び、現像液を選び、己の裁量で現像し、ネガを作る。
それを紙の上にいかにプリントするか(印画紙に焼くつけるか)格闘する、その過程の良し悪しにかかっている。
結局、写真表現の深い部分に関与するのは、撮る人の見識、覚悟、具現化するための修練という、
ごく当たり前の結論になると思う。

カメラやレンズが、写真表現の深い部分にまで関与できるとは思えない。
必要なら選んで使いこなすだけだろう。

最終的なプリントまで、自動化が進もうとしているデジタルカメラ、
それを、どう捉えたらいいのか? 
写真の質は確かに高くなっている。
デジタルカメラをもって半年も経つと、
うまいものだと感心する作品を作る。
しかし、どの写真も同じような美しさで、金太郎飴のよう。
誰が撮っても同じでは・・・・綺麗な写真も、薄っぺらな写真表現に思えるようになってしまった。

5年分のフィルム代で かなりいいデジタルカメラを手にいれることができる。
10年分なら最高級も可能だろう。
一時は フィルムからデジタルの時代だろうと 購入を考えたが、
デジタルカメラを主(メイン)に使っていいだろうか?疑問に思うようになっている。
厭きやしないか?
デジタルカメラ、まだよくわからない。

白黒写真のトーンで遊んでいるようなもの。
最新の高価なデジカメでしか出せない白黒のトーン あるだろうか?
ないだろうなぁと 勝手に思っている。
それなら 少々古い機種になったが、
Sony のNEX-3,-5でも充分でないか、と自分に言い聞かせている。
  1. 2019/03/28(木) 10:46:35|
  2. 写真の技法
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白山から上野まで(4)      拾遺  上野にて Stand Development with (Ⅵ)developer

フィルムの残り部分に写っていたもの。
上野1175-23
上の部分少しカットしたほうが写真表現として締まると思うけど、そこまで凝るつもりはない。
でも、凝るときは凝ります。
上野1175-30
この頃は 街中スナップをあまりしなくなった。
上野1175-29
すらっと背の高い人は目立ちます。
思わずフレーミングし、シャッターを押す。
35mmの広角レンズ、f:8まで絞っているので、距離を2mにあわせておけば、ピントは気にする必要なし。
勿論 秒撮です。
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現像液を現像できる最小限まで希釈して現像すると、
現像の温度、時間、攪拌を正確に守らなくても、現像ができる。
良い現像法だと思うが、すぐに結果を求めがちな人には向かない。
この現像法の 「ゆったりとしたタイミング」 で生活できる人向きです。
それに 現像代は かなりお得。
D76現像液 1リットルあれば、フィルム70本くらい現像できるでしょう。
誰か、この方法、使う人現れないかなぁ・・・と思う。
全ては挑戦、 Try&Errorです。
  1. 2019/03/27(水) 09:45:36|
  2. 散歩
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三日、見ぬ間の桜かな      

今年も桜を撮ろうかなぁ・・・・と思えど、あまり乗り気になれない。
これまでも沢山撮っている。これ以上 撮りようもないし・・・
そうは思えど、開花の知らせをTVで聞くと・・・・心は騒ぐ。

どんな状況になっているか知ってから決めようと、
昔の馬鹿チョンカメラ、Canon Autoboyをもって散歩にでる。
桜はあっという間に散ってしまう。
フィルムを 24コマ程度撮れるよう、短く切って入れた。
撮ったらすぐ現像し、結果をみて・・・・決めてみよう。
桜1178-16
平塚という町名ですが、神奈川県の平塚市ではありません。
近くを旧中原街道が通っている。
江戸時代、千代田城(江戸城)と平塚御殿を結ぶ街道の起点に近い。
このあたりは、平塚御殿にちなみ、平塚と呼ばれていたらしい。
桜1178-17
曇天の天気。まだ2分咲き程度。
武蔵小山から林試の森へ。
桜1178-21
早咲きの桜は既に散り、青葉が出ていた。
遠くに武蔵小山駅前で建設中のタワーマンションが見える。
目黒不動を横切り、目黒川を目指す。
桜1178-22
ソメイヨシノの開花が始まったところ。
一分か二分咲き程度だろう。
まだ開花していない桜もある。
そのなかで しだれ桜はようやく五部咲き程度まで開花が進んでいた。
桜1178-23
咲いたら、このあたりは人で溢れるかえる。
まだ 人の出は少ないが、出店の準備が進んでいた。
桜1178-29
むしろ、開花は五反田の町中の桜並木のほうが進んでいた。
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Retro80S用に別な硬調現像液を開発中だった。
放置現像法に興味がいってしまい、現像実験を一時中断。
ようやく新しい硬調現像液の開発に戻り、現像条件を掴んだ。
曇天の柔らかな(フラットな)光こそ、硬調現像液の出番だろうと、
空模様を見て、この散歩を思い立った。
この現像液(Ⅳz)、フィルターをかけなくてもかなり白黒の対比あるネガ作れそうです。

フィルムを選び、露光を選び、フレーミング(構図)を工夫する。
現像液と現像法を選らんで現像し、ネガを作る。
ネガはデジタル化して紙にプリント、あるいは暗室で格闘し、印画紙に焼き付ける。
人間の裁量に任される部分が多いほど面白い。
デジタル・カメラには 楽しめる部分(人の裁量に任される部分)は、少ない。

自動車が発明されてからの開発の歴史は、カメラに似る。
現在では自動化が進み誰もが使える道具になった。
更に、AIアシストから完全自動運転へと開発が進み、数年のうちに実現しそうだという。
車に任せれば、正確に、事故なく目的地に運んでくれたら確かに便利、 自動車の使命は果たしている。
そうなったら、車の運転を楽しむ人は・・・・どうなるのでしょう?

デジタルカメラもその方向へ進んでいくのだろう。
「あなたは一言命じるだけ、あとはデープ・ラーニングしたカメラにお任せ」・・・・の時代になりそう。

しかし、写真を楽しむなら、白黒フィルムによる光画(写真)が一番。
写真の質(クオリティー)は、デジタルに及ばなくとも・・・・趣味の世界ですから、それでよし。
傑作を撮るなど意気込まない。傑作はデジタルにお任せでいいではないか。





  1. 2019/03/25(月) 18:10:28|
  2. 桜 
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白山から上野まで(3)     不忍池へ       

建設中のパンダ舎を横目に不忍池へ。
不忍池1175-15 Ⅱ
早咲きの桜が既に満開近く。
ソメイヨシノはまだでした。
不忍池1175-17 Ⅱ
春の陽は眩しい。
中国や韓国の旅行者が多いが、
日本人のなかにまぎれると、区別はつきにくい。
西洋人は こういう場所では目立ちますね。
不忍池1175-19
不忍池にカモメがきていました。
「かもめの水兵さん」の童謡を聞いて育った年代です。
奇異に感じますが、しかし、かもめには、かもめの都合がある。
都会にあわせ、徐々に生息する場所を移してきている。
不忍池1175-20
このかたは 外国からのお客様。日本の春を楽しんでいるようです。
不忍池1175-28
こういう不気味な(鯉の)写真、すきだなぁ。
PLフィルターをかけて撮りたかった。
冬場、洗足池の鯉を 撮るつもりだったが、果たせないでいる。
洗足池の鯉は逃げないから いつでも撮れるとは思うが、
問題は小生のほう。老い先は不透明・・・・
まぁ、来年の冬こそ・・・・と思っています。
  1. 2019/03/24(日) 12:06:21|
  2. 散歩
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白山から上野まで(2)     谷中から上野へ

白山から谷中へ、そして上野を目指した。
谷中から上野1176-119
谷中銀座 有名な夕焼け段々を登ったところ。
昔は遠く富士山が見えたのでしょう。
それとも この富士見ホテルに泊まれば、今も窓から富士山を見ることができるのか。
店の名の「おち”さん」をuncle shopと訳しても 外国の人には質屋だと分からないでしょう。
Uncle's Pawnshop と書かないと・・・・それにDuty freeてなんのこと? 質屋で免税品販売しているのでしょうか?
確かに 谷中銀座 外国の観光客が沢山来ていました。
谷中から上野1175-3
春のうららかな日差しに、墓石のふちに腰を掛け、うつむく若い女性。
なにか大きな個人的なドラマを心に抱え込んでいるのかも、
小生は 通り過ぎるのみ。
谷中から上野1175-9
霊園からスカイツリーまで それほど離れているわけではない。
50mmくらいのレンズで捉える画角です。
谷中から上野1175-6
仏花を下げて通り過ぎる人を待ったが 3分待っても、現れない。
まだ 上野まで道は残っている。
記録だけはしようとシャッターを切りました。
谷中から上野1175-12
上野 池之端。
新しいパンダ園を作るので工事中。
このレンズなら ゴーストはかなり抑えられるだろうと、太陽にレンズを向けシャッターを切る。
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(Ⅵ)現像液を使った希釈・放置現像法、問題なく現像でき、破堤しない。
これなら 使ってもいいように思う。
  1. 2019/03/23(土) 21:40:49|
  2. 散歩
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白山から上野まで(1) お彼岸の入り    (Ⅵ)現像液 希釈 放置現像    

例年、春と秋のお彼岸には 白山のお寺に、妻とお墓参りにいく。
お墓参りのあと、近くで昼食をとり、そこで別れ、
小生はカメラをぶら下げ散歩する。
晴れて気持ちのいい天気だったので、白山から谷中を通り、上野まで散歩した。

使ったカメラはBessaR2S コシナの作ったニコンSマウントの機械式カメラ。
レンズはSC-Skopar 35mm F:2.5。
日本で作られた最後のフィルムカメラかも知れません。
フィルムはRollei Retro80S ISO:100で使用。Rolleiとはいいますが フィルムはアグファ製でしょう。
ちょっと長い散歩、沢山シャッターを押すだろうと、
フィルムを、パトローネに少し沢山巻いたので、結局45枚撮りになってしまった。
ベルト式リールでは巻ききれず、数コマ分 はみ出してしまったが、
撹拌操作のない放置(静置)現像を行なったので、はみ出してもOKでした。
放置現像結果
今回は現像液をD76から、独自配合の軟調現像液(Ⅵ)に替えてみた。
(Ⅵ)7.5mlを水で薄め500mlに希釈して使用した。
部屋の温度は18℃(夜中、暖房を切る)日中は22℃、液温は平均18℃くらいか、16時間放置して終了。
あとは通常の定着、水洗、乾燥してネガを得た。
適正に現像できているかチェックするため、
あらかじめ、コダックのテストチャートを撮影しておいた。
露光は セコニックの入射光式露出計で測定し、決定。
適正露光でUp濃度231、+2絞り250、-2絞り161 だった。
ネガ濃度の最適な範囲はUp210~230
写真のトーンに破堤を感じさせないで紙にプリントできる範囲は180~240、
2絞り狂うと やはり範囲には入らない。それでもどうにか誤魔化してプリントできるでしょう。
Low濃度が 長時間現像にも関わらず低い値なのはいい。被りはほとんど無視できる。
白山から上野まで1176-107
淡いもも色の花が咲いていた、梅かと思ったが、杏の花とのこと。
f:11で1/250秒の露光を選んだが、屋根の影の部分 黒く潰れるだろうと予想していた。
意外と粘って、デイエールが少し残ってくれた。軟調現像液(Ⅵ)の効果かも。
白山から上野まで1176-113
レトロな電話ボックス。
背景の光の当たるビルの壁と電話ボックス、トーンを同時に収めるのは難しいところ。
軟調現像液だったので、白飽和は防げている。
その分、眠ったい、パッとしない写真になる。
背景を気にせず、もっと焼きこんだほうがいいのかも・・・
デジタルの白黒のコントラストの美しい写真を見慣れた人から見たら、
なんだと馬鹿にされそうなトーンです。
白山から上野まで1176-115
白木蓮の花です。
暗い部分のトーンを潰したくないのでオーバー気味の露光をしています。 おそらく一絞りオーバーでしょう。
白山から上野まで1176-118
写真雑誌に載る白黒写真、印刷インクの関係か、黒い部分はほとんで黒く潰れている。
そういう写真を見慣れているからだろうけど・・・・
黒潰れもなく、白飽和もない写真・・・・おとなしすぎてパッとしないなぁ。
白山から上野まで1176-121
どういう訳か 縦位置で撮ることが多い。
コンポラ風には撮れない。
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D76だと トーンの調子がなんとなく薄っぺらく感じたが、
(Ⅵ)液、トーンの調子は 悪くない。
何処が違っているのか まだよくわからない。
試行錯誤して作った現像液、
好みの問題か?贔屓目で見たいからかなぁ。
  1. 2019/03/21(木) 11:09:32|
  2. 散歩
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中央公園の白木蓮       意図した二重取りは失敗ではない

カメラが発明された当初、
「レンズ」と「暗い箱」と「感光体」はそれぞれ別々のもの、
撮影者はそれをひとまとめにして使用した。
レンズを選び、暗い箱にセット、硝子板に感光剤を含むコロジオン液を暗い暗幕の中で塗布、
乾かないうちに暗い箱にセットし、シャッターを切って撮影する。
フォトグラフの原点は、暗い部屋(カメラ・オブスキュラ)にあると思う。

レンズや感光体は、暗い箱で起きる現象を いか素早く、正確に記録できるように改良され、発展してきたもの。
副次的なものではないだろうか?
レンズを高級なものに替えれば、
あるいは、フィルムカメラから電子素子のデジタルカメラに替えれば、
フォトグラフ表現の深い部分に踏み込んでいける・・・・と思っていいのだろうか?
最新のレンズ、最新のデジタルカメラの良し悪しや薀蓄を語る人は多い。
その分野の有名(らしい)プロの記事がカメラ雑誌に載る、
このレンズの解像感はずば抜けている、このデジカメはこの点が改良されよくなったと。
経済活動なのだから、購買意欲を刺激する記事も致し方ないとおもうが・・・・
レンズそのものに本質を写し取る力はないだろうと・・・・小生は感じている。

カメラは自動化され、人間が関与できる部分は少なくなってきている。
その分、人間の操作ミスは減り、写真は綺麗になったが、
それで フォトグラフの本質を捕まえることできるようになっただろうか?
カメラ依存症に罹っているように思える。

写真の発明された頃は、己の知識、意欲、そして探究心で、
レンズを選び、暗い箱、感光体を調整し、フォトグラフを作っていた。
全てが最初の試み、写真表現の地平線を広げていく。

マミヤプレスを手にして感じたのは、
カメラの原点の香りを残しているなぁと思ったこと。
レンズ、暗い箱(カメラ本体)、フィルムホルダー 3つを組み合わせて撮影する。
レンズはレンズ、本体は本体、本体の距離計とレンズの繰り出し量は連動するが、それ以外は独立している。
フィルムフォルダーは完全に独立。
遮光板を付けておくか、取り除くかは、撮影者の判断、フィルムを巻いて次のコマに進めるかも 随意。
シャッターのチャージとフィルムのコマ送りは独立、互いを干渉しない。
だから 撮影ではミスをしやすい。
至れり尽くせりでない分、撮影者の注意力、判断力、工夫が生かされる。
写真の原点のようなカメラ。
面白い。
白木蓮1174-8 Trimming
フィルムを巻かず、手持にして、f:8、1/30秒で、ガイドナンバー22(ISO:100)のストロボを4回発光させ撮影した。
想像していたより面白い写真になっていた。
こんなこともある。 フォトグラフ、「写真」というよりやはり「光画」だろう。

ネガを3200dpiで取り込んだので約7千万画素になったが、トリミングして画像を整えた。
それでも、約5千万画素はある。
それをブログに載せるため長辺を800ピクセルに縮減した。

2千万画素は当たり前、5千万画素のデジタル・カメラも発売されているという。
しかし、画像補完の技術がうまくなり、四つ切程度にプリントするなら400万画素もあれば充分だろう。
プリントしても L判程度が主、A4やA3まで大きくプリントする人は少ない。
2千万画素以上のカメラは、大きなプリントが必要なプロの欲求に合う。
大きく伸ばさない人が なぜそんな高級カメラを選ぶのか、それをどう使うつもりでいるのか?アンバランス。

スマホでも大きく伸ばしてプリントできる時代になっている。
あれは 明るい孔だよなぁと思う。
これが主流になれば、暗い箱のフォトグラフは衰退していくのかも・・・・

20世紀の初頭、
フランスのラルティーグ少年は これよりもっと原始的な暗い箱を操作して、写真を楽しんでいた・・・
と思うと、すごいものだと 感心する。

フォトグラフに固執するなら、暗い箱が原点。
その暗い箱を使って、フォトグラフを作るのは人間。
レンズや感光体は それを助けるもの、
暗い箱に副次的に取り付けられた装置に過ぎない。
レンズの良し悪しより 
もっと気にしなければいけないことがあると思う。
  1. 2019/03/19(火) 12:06:16|
  2. 白木蓮
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中央公園の白木蓮 2019年

中央公園に咲く、白木蓮を撮ってみた。
木蓮1174-7
去年も撮っている。
もし 毎年 この白木蓮を撮り続けたらどうなるだろう?
・・・・・と考える。
そして、30年後、その写真をテーブルに並べてみる。
一枚一枚の写真を見て、
これがあのときの白木蓮だと思い出すだろうか?
同じような写真が並ぶだけだろう。

毎年 庭に咲く花を見て、短歌や俳句を詠む人はいると思う。
30年後、その歌をあるいは俳句を並べ もいちど詠み解いたら、
おそらく 一首、あるいは一句に、詠んだ時の己の感情、心の動き、 
そのときの生活のにおいを感じとるはず。
毎年、同じ花を見て、詠っても、皆 違う歌(句)になっている。

眼前の光景を、
シャッターを切って撮影しただけの写真では、
それがないなぁと思う。







  1. 2019/03/17(日) 21:03:57|
  2. 白木蓮
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Stand Development with D-76 静置現像 テスト3回目  勝島運河の春

従来の現像タンクだと、リールを横に寝かせて現像することになる。
すると パーフォレーション部分から 未反応現像液の降下、上昇?
あるいは 縦方向に Brイオンの降下があり、フィルムの銀画像面を通過していく。
現像が不均一になり、現像むらができやすい。
それを防止できないかと 自製した現像タンクに、
ステンレス・リールを縦に入れ 静止現像を試みた。

フィルムは長巻を切り24コマ分を巻いたが、
実際の撮影では25コマ撮影できていた。
LPLのステンレス・リールにフィルムを巻き、
D76、10mlを水で薄め350mlにし、タンクに仕込んだ。
少し斜めに傾け、底をたたき、フィルムに気泡の付着がないようにしてから放置、
あとは一切、手に触れないでいた。
室温17℃~22℃で18時間放置して現像を完了。
あとは通常の処理を行なう。

短い25コマ分のフィルムだったので、
36枚撮りフィルムに換算すると15mlのD76現像液を使用したことになる。
1173 密着プリント
ネガの濃度は申し分ない。
現像むらは、細かく見ると、
コマの周辺部に少し見受けられるが・・・・実用上 それほどの問題になるとは思えない。
密着2

でも、完全になくすためには・・・・現像タンクの構造を考える(改良)必要はあると思う。
密着1

むしろこの現像法の弱点?長所かもしれないが、
黒と白の境目でエッジが(少し)立ったように現像されることである。
未反応の現像液が、進行の進む場所へ拡散したため、エッジとなって銀画像を作ったと判断した。
それがトーンの画像の調子を変化させている。豊かなトーン?とは呼べない気がしている。

勝島運河の春1173-7
今までのトーンとは異なっている。
勝島運河の春1173-17
このトーンにも ちょっと戸惑っています。

  1. 2019/03/14(木) 22:19:07|
  2. 勝島運河
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早春

重いマミヤプレスを持ち出して撮影した。
早春の白金・自然教育園。
早春1171-2
早春1171-5
パノラマ写真風にトリミングしてみた。
それでも5千万画素くらいの画質はある。
風景を撮るならやはり中判のカメラだろう。
しかし、このカメラで街中のスナップは・・・・とてもできない。
何を撮りたいか、どう撮りたいかで、カメラを選ぶ。

スマホでもいい場合、
スマホがいい場合、
デジタルカメラがいい場面。

ではフィルムカメラは?
中判や大型フィルムカメラには、まだ使う領域が残されているが・・・・
35mmのフィルムカメラが最適と選らばれる・・・・そんな場合あるのだろうか?
ちょっと弱気になる。
  1. 2019/03/13(水) 09:13:28|
  2. ある場所、ある瞬間
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Stand Development with D-76 静置現像 テスト2回目  大崎のビジネス棟 昼

フィルムを遮光性のある箱にいれて現像液で満たし放置しておけば現像は完了する。
なにも市販の現像タンクを使うことはない。
長巻フィルム、Retro80Sを入れてあった黒のプラスチック箱を改造し、静置現像タンクにした。
現像タンク
長巻フィルムを切って使っているので、40コマ撮ってしまうこともある。
その場合、ステンレスのリールでは巻けない。
キングのベルト式タンクだと誤魔化して巻いて使える。
使い始めて、もう50年間以上経つ。
いまだ、現役で使っています。
静置現像したとき 上から下へ未反応現像液の流れ、溶けたBrイオンの流れで、現像むらがでる恐れがある。
ベルト式リールでは横に置く。現像むらかと おもえるコマもあったので、
リールを立てて現像してみようと 空き箱を使いタンクを作って 試験してみた。
ベルト式リールでは この箱に入らないので、ステンレスリールを使用した。

大崎近辺を散歩し、撮影。
フィルムは少し短めに切って、32コマ撮影できた。
最初のテスト現像ではD76 20mlを水で薄め500mlとし、キングのベルト式現像タンク、室温で12時間放置して現像。
今回は、D76 15mlを水で薄め350mlとして使用。
ステンレス・リールに巻いたフィルムを立てて、室温で18時間放置して現像した。
D76静置現像Ⅱ 1172-3
初回より少し薄いか同じ程度のネガになると予想したが、予想に反し濃いネガ(Up230)になった。
現像主剤の絶対量だけでなく、希釈倍率もネガの濃さに影響を与えているのかもしれない。
いま、確認のテスト実験を行なっている。
D76静置現像Ⅱ 1172-5
大崎のビジネス棟の昼の映像。
沢山の人が群がっていた。
その異様な集団に、最初は何?と思ったが、
この場所は、ランチを終えた人の憩いの喫煙スペースでした。
愛煙家も大変です。
D76静置現像Ⅱ 1172-6
現像むら・・・・微妙。あるといえばあるが・・・・ほとんど無視してもいいのでは?
画像の周辺に 「むら」らしきものあり。ほとんどトリミング領域の近くだった。
ネガの粒状性は申し分ない。
等倍に拡大しても銀粒子は目立ちません。
D76静置現像Ⅱ 1172-4
現像できたネガのLowとUpの差は大きいので、良いのだが・・・・トーンの豊富さを感じない。
ピークの谷が浅くなっているからか・・・・とも感じた。

次回のテスト撮影では 
再度、フィルムを立てて現像し、トーンの豊富さが少ないか否か、チェックできるようにする予定。
まだ 実際に使うには不安が残っている。



  1. 2019/03/10(日) 14:17:12|
  2. 都会の景観 Tokyo
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Stand Development 放置現像法・・・雑感(2) Retro80S film developing with diluted (Ⅵ)Developer.

(Ⅵ)現像液を希釈し、放置現像した写真です。
林試の森で撮影したもの。
林試の森1168-36
林試の森1168-35
林試の森1168-34
(Ⅵ)液を使い 普通に現像している写真と、希釈し放置現像した写真と、なにか変わったところはないか・・・と探すが、
今のところ 違いはわからない。
実用に使ってもいいかなぁとは思っていますが、
なんどかテスト現像してから、最終的な結論をだすつもり。

Stand Development 静置現像は、まだ欧米では使う人もいるようなので、
せめて開示したグラフに 英語の注釈をつけ、データーが読めるようにした。

外国の方でも、英語で書かれた化学文献を読むことできるひとなら 
どのような視点から実験をしてデータを集め、どう処理し、
Stand Developmentの条件を 探し当てたか その手順を、このグラフから読み取れると思います。
そういう人なら同じ手順で、多くの現像液で 静置現像条件を導きだせるでしょう。
ロジナールでなくても DC-110でなくても 現像できるはず。

静置現像 現像主剤量検討
静置現像 温度の影響


  1. 2019/03/07(木) 16:06:53|
  2. 写真の技法
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Stand Development 放置現像法・・・雑感

小生の狙っている現像法は、ブログやYou_Tubeに出ている静置現像とは 考え方が違っている。
反応はハイドロキノンなどの現像主剤が潜像となってできた銀原子を核として還元反応を起こし、
銀(金属)の画像を乳剤中に生成する。
[Ag*][AgX][AgX] + HQ --> [Ag*] +Ag2+2HX+Q
ここで [Ag*] は現像核を示す。生成した新たな[Ag*]は再び同じ反応を繰り返す。
勿論 Ag2はフィルム上に生成したネガ画像。
HQは ハイドロキノンなどの現像主剤。(ハイドロキノン1分子は、銀イオン2分子を還元し、2つの銀原子を生成する・・・と仮定)
Qは 反応によって生じたキノン類の物質を示す。

HQが近づき現像されてAgとなる時、結晶構造にストレスが掛かり、
同時に隣にあるAgイオンが活性化、次の現像核になると仮定してみた。
(違うメカニズムかも知れませんが・・・・
そして もし、充分な現像主剤があり、かつ長時間(無限時間)現像すると、フィルム全体が真っ黒になるものと仮定している)

この反応式に従うなら、
最適な銀画像ができるだけのHQ量だけを現像液中に加えて現像すれば、
時間はかかるが 最適な銀画像が生成した段階で、HQは消費され消失する。
それ以上の現像は進行しない。
なぜなら、現像主剤は現像液中になくなっているから。

この反応式に従うとし、実験を行い その量を探し出せばいいということになる。
実際には8時間から16時間でほぼ一定となり、それ以上大幅な現像が起こらない量を探すことになる。
希釈し、必要量の現像主剤量で、反応を終結させる。
現像時間が少々長くなるのを利用した「静置ずぼら現像」ができることになる。
現像温度もそんなに気にする必要はないし、フィルムの種類の違いによる差もなくなるのではないか・・・と期待していた。
ただ 心配は現像液の攪拌をしないことによる現像むらが出るか否かだろう。
反応は拡散律速で進むので、光のたくさん当たった部分の現像主剤濃度は小さく、当たらなかった部分の濃度は高くなる。
白飽和になりにくく、黒つぶれも防止できるので、静かに置いておいたほうが良いという結論になるが、
乳剤の横方向への現像主剤の拡散を考えると、微細な画像部分に先鋭さが不足するおそれがでる。
また、現像の進行に従い、X(ハロゲンイオン)が液中に拡散する。
その部分の比重は重いので、下に沈んでいく。
とくにBrイオンは現像の反応速度を低下させる効果があるので、
フィルムのパーフォレーションの部分の揺らぎや、
コマとコマの間にある現像液(未反応部分)がどのように動き、拡散するかで、
フィルム画像の周辺部に 現像むらを起こす恐れはある。
今のところ現像タンクを放置したまま現像して、それとはっきり判る現像むらは なかったが・・・・要注意だろう。
(Ⅵ)現像 Ⅱ
2年ほどまえ、軟調現像液(Ⅵ)を作るとき検討したテストピース評価画像。
Up濃度は 光が当たり一番黒くなった値。
180を超えると、きれいなプリントができる。
豊かなトーンを呼べるのは210から230まで。
240を超えると白飽和してくる
Up濃度の最高値はメーカーにより255に設定されている。(エプソンのフィルムスキャナーF-3200)
Low濃度は 光が一番少なくフィルムが透明になったところの値。
この値が70を超えると(Retro系フィルムでは)被りが大きくなったと判断している。
静置現像 D76 Retro80S ISO50
評価はコダックのグレースケールで、Up、Lowの値をチェックし 現像の進行具合を判断。
また、ピークの数が11本以上認められれば諧調性はOKとしている。
今までの最高は14本だった。
コダックのスケールは20あるが、
暗い部分はどうしてもピークにならない・・・でも 現像液によっては、完全につぶれているわけでもないものもある。
D76の放置実験8時間では、それほどピークの谷も埋まっていない、意外といい現像液だなぁと思っていた。
18時間経つとUp濃度はまだ範囲内に入るが、ピークの谷が埋まり浅くなっていた。(横方向への拡散の影響かなぁ?)
ちょっと問題かなぁと思ったが、実際の現像結果では、わからない。
D76の放置現像 意外といい。使える現像法です。
テストに500mlのD76現像液を作ったので、20mlで25本、15mlなら33本現像できます。
D76はペットボトルに入れて保存している。
現像を10分程度で終わらせる従来の現像法だと、
現像に必要な現像主剤を30倍程度多量に加えた現像液を使っていることになる。
長期保存により20%くらい濃度が低下すると、
決められた時間で現像するとネガの濃度は薄くなり 失敗の烙印が押されてしまうが、
現像液の現像主剤を使い切ろうとする現像法なので、
おそらく3ヶ月以内に使い切るなら、問題は起こらないと・・・踏んでいます。
(25mlを使っても20ml(20%減)であっても、このずぼら現像法では ネガは許容範囲に入る。)
D76放置現像1170-26
横断歩道の白線が光っていたので 撮影してみた。白飽和(白飛び)もなければ、黒潰れも感じない。
トーンが従来の現像液とは少し異なるように感じた。D76のずぼら現像、なかなか面白い。
D76放置現像1170-28
空の部分に・・・もしかすると、現像むらかなぁ・・・と思えるコマ。,
D76放置現像1170-30 Ⅱ
白飛びもなければ黒潰れもない、豊かなトーン。
鮮明だし、粒子も目立たない。
Retro80SとD76の希釈現像 良い組み合わせかもしれません。







  1. 2019/03/05(火) 19:26:12|
  2. 写真の技法
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Stand Development with D-76 , D76現像液による静置現像でも実態は放置(ずぼら)現像

使う現像液は全て独自の処方。
市販されている現像液と組成は異なる。
これでは 白黒フィルムを使い、自家現像している人の参考にはならない。
誰でも使えるようにしようと 
一般的で有名なD76現像液を使ったStand Developmentの条件を探してみた。
使ったフィルムはRollei Retro80S。
ほかのB&Wフィルムを使っている人は、
ちょっと 希釈倍率を変える必要があるかも知れませんが、ごくわずかだと思います。
もし、この方法を試してみようと思ったら、
二つのグラフを参考に、現像してみてください。
Try & Error すれば、必ず現像できる希釈倍率が見つかるはずです。
D76ratio.jpg
縦軸のUp濃度とは、ネガの一番濃い部分の値で、
この値が180以上あれば、トーンの整ったきれいなプリントが可能です。
それより少ないと、露光が足りないか、現像不足。
Up濃度が210~230が 豊かなトーンの領域。
240以上になると 白飽和、ざらつきが増えてくるので 避けるようにしたほうがいい。(逆手にとってそれを利用することもある)
この結果から D76現像液14ml~20mlで 一本のフィルムを現像できることがわかった。(自前の現像液(Ⅵ)とほぼ重なる)
DevelopintTime.jpg
D76現像液20mlをはかり、水で薄めて500mlとし(25倍希釈) フィルムを現像すると、5時間~14時間で豊かなトーンの領域に入る。(すこし外れてもほとんど変わりはない)
夜寝る前に、現像開始すれば、
次の日の午前中、手隙のとき、定着、水洗、乾燥の処理に入ればいい。
実際に 行なった現像結果の写真。
D76StandDevelopment 1170-42
現像タンクは発泡スチロールの箱にいれ 室内に放置。現像液の温度は室温に左右されたが、18℃~20℃に保たれていた。
現像時間12時間で終了した。 現像実験では Retro80SをISO:50で露光したフィルムを使ったが、実際の撮影ではISO:100のつもりで撮影しているフィルムを現像している。 でも ほとんど影響はなく、現像のUp濃度は231であった。(少し濃い目のネガ)
Stand Developmentでも、ちゃんと現像できている。
ただし、静置(Stand)現像(Development)とは、1時間程度の現像時間のものを指すようで、
従来の方法とは すこし違う。
ずぼら現像なので放置現像でしょう。
D76StandDevelopment 1
約1300万画素でフィルムをデジタル化している。
一部を等倍にトリミングしてみた。
粒子も目立たず、しっかりと現像できています。

-------------------------------
テストにD76を使おうと、、
棚にある市販の現像薬(粉末)をさがしたが、
フジのミクロファイン、パンドール、スーパープロブドールはあったが、フジドール(おそらくD76)はなかった。
ネットでしらべたら、もうフジドールは販売されていない。
コダックのD76現像液は 販売されている。 
しかし、わざわざ テストのため高い調整液を購入することもないだろう。
無いなら、作れが原則。

ネットでD76現像液の組成を調べ、調整した。
組成は以下の通り
メトール 2g
ハイドロキノン 5g
亜硫酸ソーダ 100g
ホウ砂(Borax) 2g
水に溶かし 1000ml
この現像液を 使用した。

D76は古くある現像処方で、
戦前、80年以上前の組成ではKBrが少し入っていたと思う。(アルスの写真事典に記載されていたと思う)
戦後のフィルム製造技術の進歩で被りが少なくなったので、KBrの添加はやめたのでしょう。
使ったレンズはノンコートのゾナーレンズ。
このレンズもD76並に古い。
80年ほど前のレンズです。
ぴったりと息の合ったネガになりました。
D76 StandDevelopment1170-39 Ⅱ
長時間の現像だが 被りはない。
それだけ フィルムの品質は向上している。
大きく伸ばすと、カメラを持つ女性の表情まで捉えていた。
D76 StandDevelopment1170-41
林試の森には 早咲きの桜が咲き誇っていた。
もうすぐ 桜の季節になるのですね。
---------------------------
もし、この方法でフィルムを現像し、それを ブログや写真展などで発表するときは、
Alchemist Sasakiの希釈現像法(ずぼら現像法)「を参考」、あるいは「に従って」、フィルムを現像した旨のコメントを掲載してください。
自由に使ってかまいませんが、開発者に対する礼節は守ってください。
更に 進んだ現像方法を開発する手助けになれば 幸いです。



  1. 2019/03/03(日) 11:11:36|
  2. 写真の技法
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大崎にて  軟調現像液(Ⅵ)による静置現像・・・・静置というより放置現像法です。

「静置現像」でネット検索しても ほとんどヒットしない。
日本語では駄目かと、「Stand development」とすると ヒットする。
You Tubeにも動画が沢山載っていた。
参考にと、そのいくつか見たが、どれもアグファのRodinal現像液を 
1:100で希釈し、室温で1時間程度静置して現像していた。
現像液を入れたら そのまま1時間放置する人、
30分後 一度軽く攪拌し、更に30分放置してする人、(40分とする動画もあった)
時々(10分ごと)軽く攪拌し、60分で終了とする人など様々。
誰もが Rodinal(ロジナール)のすばらしさを讃えていた。
コダックのHC-110でも 同様に現像できると語る人もいたが、
大勢はロジナールの100倍希釈現像で 現像時間は60分程度で終了していた。

静置現像(Stand Development)法は、
ウィキペディアによれば、
https://en.wikipedia.org/wiki/Stand_development
古い現像法で、19世紀末から20世紀初頭には よく使われていたらしい。
パリの街を撮影したアッジェも使ったという。
利点もあるが 欠点は乳剤から溶けてくるBrイオンが、
パーフォレーションの孔の影響で、フィルム表面を下っていくとき筋となり、
画像にムラを生じ易い欠点があるという。
それで、動画では現像中 1回から2回の攪拌していた。

小生の狙いは、
現像時間は8時間~12時間程度になること、 
その間の何時の時点でも、ほぼ一定の結果になることを狙っている。
放置現像と呼ぶべきかも知れません。
英語に訳したら「Neglect Development」?「Left alone Development]? でしょうか?(笑)

今は、軟調現像液(Ⅵ)を使用し、Retro80Sフィルムを使っているが、ほかのフィルムでも 
ちょっとした調整で使えると思う。
(Ⅵ)液を更に希釈し、放置現像しています。
春先なので 室温も変化(まだ 寒いので暖房していますが、睡眠中は暖房は切っています)
現像タンクを発泡スチロールの箱にいれ、温度が下がらないようした。
18℃~22℃に保たれたと思う。
18時間半 放置して現像を完了。

大崎で撮った写真です。
大崎1168-17
大崎1168-27
大崎1168-20
大崎1168-31
18.5時間放置しただけの現像ですが・・・・現像ムラを感じません。
極端に薄い(現像主剤を銀画像を生成するのに必要な量近くまで減らしている)ので、ムラは目立たないのでしょう。
(むらを作るほどの余裕はない)

昨日は雨が降り、外出できず、暇をもてあましたので、D76現像液を調整し、
放置現像条件をテストしてみました。
やはり 一本の36EXフィルムを現像するために、
添加する現像主剤の量は100mg~200mgの間にあるようです。
D76現像液中の現像主剤の濃度は0.7%なので、
D76現像液14ml~28mlを取り、水で薄めて現像タンクを満たせば、
フィルム一本放置現像できることになります。
あとは最適量を探すだけ(Excelにデータをいれ、グラフ化すれば、すぐに判明します。)
アグファのRodinalやコダックのHC-110でなければ 放置現像できないわけではないと思う。
明日でも D76を使った放置現像に挑戦するつもり。(本日 午後晴れたので 一本撮り終えました。)
----------------------------
日本の写真愛好家と欧米の写真愛好家、
どうしてこうも違うのか?
Stand Developmentをネットで検索しながら・・・・
写真に向ける知的レベルが違うなぁという感想をもった。
写真が生活の中に生き、伝統となり、次の展開へとつながっていく。
ネットをクリックしていたら、日本でも ロジナールを使って静置現像をしているサイトがあった。
結局 日本の写真は、もの真似の域をでていないのかも。
自らの粘り強い思考はなく、受け売りの議論に終始。
Photo Graphは最初「光画」と訳されたが、それより後の「写真」の訳が一般化する。
日本人の気持ちにぴたりと来たのでしょう。
画家が、遠近法の構図をとるための装置だったのが起源のカメラ、
「写真」と訳しても頷けます。
しかし、個人的には光画のほうが好きです。
変な誤解を与えないから。

写真と同じ発音の「写心」なる言葉まで使う人が現れている。
いまでは「心象風景写真」なる言葉まで一般化している。
心の中(心象)をカメラ撮るための原理すら分かっていないのに、
なんでそんな言葉を使うのか、小生には意味不明。
カメラという文明の機器の成立ちに無知だなぁと思うし、
それは同時に、カメラに対する軽視・侮辱ではないかと思ってしまう。
そして、写真のトリビア、薀蓄を語ればいいというものではないだろうとも思う。
もっと本質的なもの・・・・
気の利いたきれいな写真が撮れれば それだけでいいのかなぁ・・・・と思う。
なにか大事なものを軽視してはいないだろうか?







  1. 2019/03/01(金) 18:51:41|
  2. 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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Author:Alchemyst Sasaki
未だフィルムカメラの沼から抜け出せない。
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