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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

新橋

1月26日 写真クラブの一年の活動を決める会があり、新橋に出向いた。
30分ほど時間があったので、駅前をぶらつき数カット写真に収めた。
新橋699-23
気になる看板、角瓶。
戦前から飲まれていたと思う。その頃は寿屋の角瓶だった。
オリンピック前、角瓶が一番高価なウイスキーではなかったか?
父親が大事そうに飲んでいるのを覚えている。
数年後、お酒を飲んでもいい年に達し、飲んだことがある。強い酒だが香りが良いので、好きになっていた。
当時一本、900円くらい(850円?)だった。その後、徐々に高くなっていったが、上がるたびにまずくなっていった覚えがある。
サントリーの「ダルマ」にその位置を奪われ、やがて、スコッチウイスキーも入ってくるようになり、飲むことはなくなっている。
今も、1200円程度で購入できるらしい。ほとんど値段が上がっていない。それでも商売になるのだから、メーカーにとって、当時、角瓶やダルマは、黄金の打ち出の小槌だったのだろう。
新橋699-19
会社員時代、新橋には何回か呑みに来ている。本社が有楽町にあり、歩いても10分ほどで新橋に着く。同僚とは有楽町で、仕事関係の人とは、新橋でという具合であった。.
もっとも本社勤務は1990年初め頃の3年間と、2000年からの2年間ほどに限られる。
この辺りは、よく徘徊した。なじみになったスナックが・・・残念ながら廃業してしまった。
ママは同じ年、向島生まれのちゃきちゃきの江戸っ子、こちらは戸越え子、話は合った。
新橋699-20
思い出は、思い出。夜のこの辺りを徘徊することは、もうないだろう。
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  1. 2015/01/31(土) 10:17:26|
  2. 都会の景観 Tokyo
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Rollei Retro 80S フィルムを使う。増感現像 ISO400

高感度フィルムを更に増感して使用するというのなら、納得できる行為だが、低感度で細かな銀粒子のフィルムを、増感して使用することに意味があるだろうか? 単純に高感度フィルムを使えば済む。
そうは思えど、Rollei Retro80Sのフィルム面白い。
どこまで使用できるか、増感現像を試みた。
現像液の組成は、コダックのD82及びD72Fの処方を参考に、なるべく簡単な組成にし、自家調合した。
ISO400、800、1600の三水準で露光したフィルムを作り、その現像液で現像し、それぞれの条件を掴んだ。
実際の撮影では、Tri-Xと同じISO400で撮影し、ISO400相当の現像を行った。
ISO400適正露光698-4
Rollei Retro80Sフィルム、現像液を適切に選べば、ISO400でも使用できるレベルだと思う。
ISO25適正露光699-1
比較対照にISO25で使用し、普段使っている現像液で処理したネガを作った。
階調性はさすがにISO25で使ったほうが優れていると思うが、その差は好みの問題だろう。
ISO400で使用すると、高速シャッターが切れるというアドバンテージがある。粒子も目立たない。
露光不足にしたらどうなるか、絞を一段ずつ下げて撮影した。
ISO400露光半分不足698-5
一絞り絞り少なく撮影し、ISO400条件で現像すると、デジタル・カメラのハイコントラスト白黒モード(HCB&W)に似たテーストに仕上がった。
露光75%不足698-12 Ⅱ
更に一絞り下げ撮影。葉の白さはネガ上にしっかり残っている。現像条件(温度・時間)をISO1600対応まで伸ばせば、白黒の対比のある写真が得られるかも・・・銀粒子も意外に目立たない。Rollei Retro80S 面白いフィルムです。
テストに使用したネガから、このフィルムの階調性を評価してみた。
RolleiRetro80Sグレースケール
コダックのグレースケールを撮影したテストピース(ネガ)をPCに取り込み、レタッチソフトでレベルを確認した。
ISO25で作ったサンプルは、ピークが15本(読み方によれば16本)読み取れた。そのうち13本は鋭いピーク。
グレースケールは0.1の吸光度差で作られている。ピークとピークの間隔は濃度差0.1。ピークの本数が多いほど、ピークは鋭いほど、谷が埋まっていないほど、階調性は高い。ISO25では、コダックの推奨するA(白)からB(黒)まで、しっかりとネガに再現できている。
ISO400に増感(16倍増感)して使用すると、ピークの数は11~12本、鋭いピークは9本に低下する。スケールではAから12辺りが範囲だろう。暗いところは潰れやすい。それでも実例では、かなり誤魔化せ、違和感なく使うことができるだろう。
比較に、デジタルカメラでテストしてみた。
デジタルの階調性
デジカメはSony NEX-3を使用。 レンズはアダプターを介しNikkor 35-70mmレンズ。PCに取り込んだ画像を、レタッチソフトで編集し、グレースケールの部分の階調性をレベルで確認した。
ピークは11本、鋭いピークは6本で、数字(データー)からすると、ISO400に増感したRetro80Sより悪い。デジタルの階調性は、銀塩フィルムに及ぶものではないが、デジタルはカラーが主体。階調性はあまり気にしないのだろう。
デジタルでモノトーン写真を撮っている人もいるが、少ない階調でも、それを利用し上手な作品を作っている。レタッチソフトに長けた方なのだろうなぁとおもう。
ライカのモノクロームを使われている方、一度 コダックのグレースケールを撮影し、どの程度の階調性で記録できているのか・・・ブログ等に公開してくれないだろうか?
Sony NEX-3では、モノトーン撮影は、難しいと感じています。(レタッチソフトのスキルの問題かなぁ・・?)

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階調性698-6
レタッチソフトのトーンカーブを調整(S字に調整、暗い部分を起こそうと)すると、見た目は滑らかな階調性になります。ただし、ピークの数に変化はありません。ISO400の増感(16倍)にも拘らず、印象は滑らか。この辺りの処理ソフトが、デジカメは優秀なのでしょう。
  1. 2015/01/29(木) 12:53:22|
  2. 写真の技法
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壁に映る陰 

大崎駅に向かう途中に、この民家がある。
壁に写る陰687-5
冬の陽に陰が浮かんでいた。面白いと思い通るたびに、シャッターを押していた。
フィルムはFormapan400。 モルタルのザラとした材質感が出ている。Zoom35-70mmを使用。35mm側の広角レンズで捉えていた。しかし、樹の幹の材質感が気に食わない、Tri-Xのほうがいいのかもしれない。
壁に写る陰691-9
Rollei Retro80SフィルムをISO100で使用。フィルターはR72を使って赤外線効果を狙っている。モルタル壁の陰はくっきりとでて、幹の感じもいい。バックの樹の葉は赤外線効果で白っぽくでた。そのあたりは狙い通り。しかし、インパクトないなぁと思う。
壁に写る陰697-5
Rollei Retro80SをISO25で使い、対応する現像を施した。
大きく伸ばしても銀粒子は目立たない。階調性も高いフィルムだが、切り取り方がこの被写体向きではないのだろう。面白味はない。
壁に写る陰686-10 Ⅱ
Formapan400のフィルムで、切り取ったほうがいいと思う。
ザラとしたモルタルの材質感、メリハリのある明暗差を出したいなら、高感度フィルム、それもFormapan400の銀粒子が最適ではないだろうか。
  1. 2015/01/27(火) 10:41:30|
  2. 写真の技法
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窓Ⅱ これもデッサン 練習。

夕日が窓を照らしていた。室内との明暗差は大きい。あのきらめく光を撮ってみたい。どうなるだろうか?
これもデッサン、練習だと思い、シャッターを切っていた。
窓Ⅱ697-14 Ⅱ
露光をどうしていいかわからない。
硝子窓に落ちる光の輝きと影に注目すれば、f:11/50秒か・・・ シャッター速度を1/50秒に固定し、f:11から一絞りずつ開けてシャッターを切る。
陽の輝きがどうにか捉えられていた。
しかし、もっと輝いてもいい。
窓Ⅱ697-15
三絞り開けると部屋の様子がうっすらと浮かび上がっていた。
窓際は外より三絞り開ける。これは経験則のようなもの。
それでも部屋に対してはまだ露光は足りていない。
硝子に差す光が強烈すぎる。どちらを選ぶ? 何に心が惹かれたかで決まるのだろうが・・・できれば、部屋も窓硝子も。
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今年の初めにも窓の写真を撮っている。寝正月、今年撮った初めての写真となった。
「窓を撮る」 外の景色を撮っているわけではない。
外の光を撮っている。
意識の疑似体験のようなものだろうか?
内面という言葉がある。
心あるいは頭脳で外を見る/知る/意識する。「心」あるいは「部脳」は「内面」らしい。「自我」と呼ぶ人もいる。そこから見たものが外面なのだろう。
部屋(内)にいて、窓(外)を見る・・・それをカメラに収める。意識の疑似体験??
意外に面白い。
デッサン、スケッチ、練習・訓練のつもりで撮っていたのだが・・・
これも 写真。
  1. 2015/01/26(月) 09:18:34|
  2. 写真の技法
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透過光 案内板

公園の案内板に光が当たっていた。ガラス製、反射より透過した光のほうが面白い。
ステンドグラスのような美しさは感じなかったが・・・でも、面白いと思い撮影。
案内板692-15
予期したようには撮れなかった。硝子・・・もう少し輝いていた印象が残っている。どうしたものか? 
輝きを出すため・・・には、ISO100で露光し現像処方を増感タイプに変更したほうがいいだろうか?
Rollei Retro80S 使いこなすためには、まだまだTry&Errorが必要だろう。
  1. 2015/01/25(日) 10:01:03|
  2. 写真の技法
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水仙 スケッチ

これでも ソラリゼーション現像しています。
水仙696-18
85mmレンズ、レンジファインダーカメラで近づける限界まで近づき撮影。逆光です。露光をたっぷり加え、現像がほぼ終了するタイミングで電灯に晒し二次露光、それから標準の現像の30%の時間現像を延長しました。
銀の載った明るい部分の現像はそれ以上進まず、一方、暗い部分の銀塩は感光し、真っ暗な部分がなくなっています。
バックが灰色に浮き出て、水仙の白は抑制されているので、階調性が滑らかにつながり、しっとりと丸みを感じる。
もし、ソラリゼーション現像していなかったら、水仙の白い花弁は、暗いバックから鋭く切り立ち、眼に優しくなかったと思います。Rollei Retro80Sのフィルムは、この目的に合っていると思いました。
白黒の対比を強く意識させる撮り方もあるでしょう。その場合は、Tri-X、Kentmere400、Formapan400などの高感度フィルムがいいのでしょうね。森山大道氏の写真に白黒のマッスの美しい花の写真がありました。あれも、氏のたぐいまれな暗室作業の結果なのだろうと、想像しています。シャッターを押しただけでは・・・とてもできない。

  1. 2015/01/24(土) 11:16:44|
  2. 写真の技法
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工事現場の塀に映る陰  これもデッサン

画家は スケッチブックを携え、面白いと思ったものを、簡略になぞり形を掴む。
そうやってデッサンを積み上げ、作品つくりの基礎を作っていく。
以前ピカソの若い時のデッサンをみたことがあるが、写実的なうまさに驚いたことがある。
16歳の少年に、こんな絵が描けるとは!と感嘆した。
そういえば、日本の北斎も、北斎漫画という絵手本帳を残している。
画業の基礎には徹底したスケッチ力がある。
カメラを手にすると、最初から綺麗に撮れてしまうので・・・・デッサンしてみようという意識は少ない。
特にデジタルカメラになってその感が強い。
あわよくば、最初の一枚からプロのような写真が撮れるのではないか・・・ラッキーなチャンスに恵まれれば、と思ってしまう。
散歩にカメラを持ち出し8年、ついに9年目に入った。
過去に撮った写真を眺めて・・・何か足りない。
基礎的な訓練のなさでは ないだろうか?と危惧している。
なまじ簡単に記録/撮影できるので満足してしまう。
「対象の美しさが、写真の美しさではない。対象の力強さが、写真の力強さでない。」と 土門拳に忠告されても、(綺麗な場所に行き撮影し、)綺麗な写真が撮れたと勘違いしている。
技術もないのに「心に残るイメージを」などと大上段に構えるのは、おこがましいというものだろう。
光と材質を どのように捉えることができるか、初歩的な練習をすべきだろう、とおもっている。
塀691-12
三共製薬と第一製薬が合併して、第一三共となった。大崎にある旧三共製薬の敷地に新たな研究棟を建設するのか、工事が始まった。クリーム色の塗装を施した鉄板で工事現場が囲まれている。景色が反射して微かに像が浮かび上がっていた。写るだろうか? 「デッサンだ。」と思ってシャッターを切った。
塀694-18
これは目黒通り、目黒駅近くの工事現場。
同じく塗装した鉄板が使われていた。
カラー鉄板に映る像、白黒の階調差は少ない。フィルムはその差をちゃんと記録してくれた。
フィルム、露光、現像どれもが重量な要素。しかし、レンズとカメラは、重要な要素になっていない。Minolta Hi-Matic F でも 撮影できたと思う。一番重要なのは、暗室で行うフィルムの現像だと思う。そして 露光とフィルム。
歳をとったが、まだ、まだ、練習すべきこと たくさん残っている。一生、スケッチ(デッサン)すべきなのだろう。




  1. 2015/01/23(金) 10:28:07|
  2. 写真の技法
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その瞬間

一陣の風が水面を激しくたたく。
湖面にパッと光が広がり踊る。
思わずシャッターを押していた。
絞り、シャッター速度、距離(ピント)、広角レンズか、望遠か・・・そんなことかまっていられない。
写したいものがそこにある。撮れたらそれで・・・・
現像が終わり、写したかったものを確認する。そして、写したくなかったものを排除する。
心のイメージを確認しながら、写したかったものを焼き付けていく。もう少し焼きこもう・・・
風が吹くⅡ694-9
ピントは1.5mくらいになっていたようだ。水面はピンボケになっているが、かえって風の激しさを伝えている。このほうがベターだろう。移ろいゆく一瞬を捉える、これが写真の原点だろう。これも写真。
すぐに水面の輝きは失われていた。
風やむ694-10
数分後、あらためてカメラを構える。
露光を調整、ピント、フレーミングを確認し、いつものようにシャッターを押した。
平凡で見どころのない写真がそこにあった。
  1. 2015/01/22(木) 09:48:37|
  2. 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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水仙を撮る  ノーマルな現像と、ソラリゼーション現像を試してみる

戸越公園を散策して、水仙の咲いているのを発見した。
季節の花だろう。
50mmレンズで、ややオーバー気味に露光し撮ったところ、白い花弁がボーと滲んだ感じに撮影できていた。オールドレンズのなせる業かもしれない。
レンジファインダー・カメラでは1mより近くには寄れないので、トリミングして合わせたが、85mmレンズなら、トリミングしないでも撮影できただろう。
昨日、戸越公園に行き 同じ水仙を撮影していた。
長巻フィルムを切り、10枚分ほどを2つのマガジンに詰めた。
水仙695-9
ニコンのフィルムマガジンは、S型ニコンとニコンFは共用して使うことができる。パトローネより構造は堅牢で、遮光は完璧、ネガ面に筋や傷が入る可能性もほぼない。落としても壊れないだろう。フィルムが感光しだめになる可能性は少ない。
Nikon F用の85mmレンズを持っていない。一眼レフなので50mmレンズでも60cm位まで近づける。43-86mmのズームと35-70mmのズームレンズは持っている。どうしよう? 結局手にしたのは35-70mmズーム。望遠マクロができるので、好いだろうと、このレンズを付けた。
水仙695-5
絞をf:5.6から絞りながら、撮影した。露光は一定となるようその分、シャッター速度を遅くする。結局 f:11で撮影したコマが一番よかった。
左上に七角形のゴースト(絞りの形)が出ていた。ハレ切りにフードを付けるべきだったかもしれない。
水仙696-11
Nikon SPにNikkor 85mm F:2のレンズを付け、Nikon Fより30cmくらい後ろから、撮影した。ソラリゼーション現像をしたかったので、絞を f:5.6に固定し、シャッター速度を1/15秒より、一段ずつ上げ、露光を少なくする方向でテスト撮影し、ソラリゼーション現像を行ってみた。
水仙696-17
ソラリゼーションの効果を掴む(予想する)のは難しい。期待していたような画像は得られなかった。
しかし、確実に、データーは集まってきている。フィルムに当てる露光量(倍率)、現像中の中断タイミング、後露光の程度・・・後現像の条件は?、光の状態と、その効果・・・など。
画家が外でスケッチ(デッサン)するのは、眼と技法の練習。キャンバスに絵(作品)を描くための訓練だろう。
切り取り方(フレーミング)を考え、様々な技法を試すのは、画家のデッサンのようなものではないだろうか?
現在はデジタルの時代、レタッチソフトで画像をいじり、同じようなソラリゼーション効果を出す(演出する)ことはできるが、
光の不思議な効果を肌(五感)で感じるには、一発勝負のフィルム現像のほうが、今まで見えていなかったものが、見えてくる感じがして良いだろう。

  1. 2015/01/21(水) 15:39:13|
  2. 写真の技法
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風が吹く

シャッターを切った瞬間、ある小説を思い出していた。
風が吹く693-33
「風が吹く」 それが短編小説の題(タイトル)になっていたとは思わないが、風の描写が巧みで、心の中にイメージとして定着している。
付き合っていた彼女(今の細君)が、面白いからと貸してくれた文庫本に収められていた。作者はキャサリン・マンスフィールド。
海の見える住宅の広い芝生の上を、暴風が渦となり吹き抜け、窓枠をガタガタと揺らしていく・・・そんな情景描写であった。見たことない風景でも・・・・想像することはできる。翻訳者も上手だったのだろう、心の中にそのイメージが刷りこまれていた。それが、四十数年後、ふっと現れていた。 
冬の陽が差し込んでくるものの、人影はなく、寂しい光景が眼前に広がっていた。風が頬をたたき寒い。シャッターに載せた指先が冷たくなっていく。

ものごとのよし悪し、好き嫌いを 直感によって決めたこと、どれだけ有ったろう?
最初変だなと思った曲が、段々好きになり引き込まれてしまう歌もある。
奇妙絵だ、誰でも描ける絵だと思った作品が、作者の時代背景をしり、己の人生経験を積んでいくうち、見えないものが見えてきて、好きになったものもある。

楽譜の読めない歌手も いるかもしれない。
しかし、歌手なら楽譜は読めたほうがいい。
音楽家は、楽譜を読み解き、楽器を奏でることができるようになるまで、相当な努力を払っている。
その努力を、努力とも思わない人が、いつしか、音楽家と認められるのだろう。自分の音を発見している。
画家ならデッサンを重ね、腕に形を覚えこませる。
筆に乗るタッチが、その人の作品に誰もなしえない独特の美を作り出していく。
写真にも、相当する練習が必要なはずだが・・・・カメラの電子化は それを容易なものにしてくれた。
電子化は1970年代から始まっている。
だから、心に残る写真が少なくなってきているのかも。

写真を撮るのに、勉強は必要だと思う。光学理論(物理)、現像理論(化学)、知らないより知っていたほうがいい。楽譜を読めなくても歌手になれるだろうが、読めるに越したことはない。写真だって同じだろう。カメラを使いこなす努力は必要。そして人生経験が、カメラの眼を鍛えていく。経験も大きな要素だろう。経験の蓄積が、撮りたいものを探し出していく。(小生の場合ではあるが)直感で写真を撮っているわけではないようだ。
経験と、そこからくる喚起されたイメージが、シャッターを押させる原動力のようだ。
古い機械式カメラで、吹き渡るマンスフィールドの風を撮ってみたいものと、思っている。



  1. 2015/01/20(火) 14:23:45|
  2. 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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藁囲い 

ISO25で露光し、現像してみた。
ISO25目黒不動694-23 Ⅱ
カメラはコシナ製BessaRを使用。 レンズは旧ソ連製Jupiter-3 50mm F:1.5。 1956年製のレンズです。絞り開放では、同時代のライカSummarit 50mm F:1.5より 写りはいいと思う。もともとは、ツアイスのf:1.5ゾナー。戦後 工場はソ連の手に落ち、ソ連邦のキエフに移築、そこでコンタックスマウントとLマウントのレンズが製造された。Lマウントのゾナーなど、戦前は思いもよらない・・・夢のようなレンズだが、Jupiter-3の名前では認知度は今一。
f:2.8 少し絞っているので、ゾナー特有の収差も目立たず、やわらかでかつコントラストの高い写真になっていると思います。
カラーで撮影するより、Retor80Sのモノトーン・フィルムで捉えたほうが、雪囲いのリアリティをしっかりと表現できていると思いますが、いかがでしょう?
ISO25の暗いフィルムには 明るい大口径レンズが最適。BessaRの距離計の精度から、f:2.8以上に絞らないと、ピンボケの可能性が出てくる。しかし、だめもとで、f:2、f:1.5で使っても面白い。
ISO25池694-11 Ⅱ
f:1.5で撮影。子供の後姿にピントを合わせましたが、少し後ピン。20cmくらいでしょうか。ロープに合っていました。
コンタックスマウントのKievⅡ、ContaxⅡaなら、ピンは合ったでしょう。
戦前 小型のライカカメラが市場に出て、大きな反響を呼ぶ。手持ちで撮影できるカメラ、しかも映画用フィルムを流用し、一回で36枚の連続撮影ができる。その評判に、世界最大光学機器メーカー、ツアイスは、コンタックスカメラを作って参入する。最初から50mm f:1.5のゾナーを揃えていたという。当時のフィルムの感度は低く、ISO25といえ、高感度の部類であろう。Retor80SをISO25で使ってみて、明るいレンズを必要としたことを、実感した。明るいレンズがないと、手持ち撮影は、かなり制限を受ける。絞って使いたかったら三脚は必須のアイテムとなる。
先人の苦労を、追体験している。これも・・・面白い。

  1. 2015/01/19(月) 21:09:19|
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Rollei Retro 80S を使う。 材質感、生命感

フィルムを変えることは、カメラやレンズを変えるより大きな質的な変化をもたらす。
激しい動きの一瞬を捉えるなら高感度フィルムがいい。ザッラとした質感をだし、荒々しさを表現することもできる。Retro80Sのように銀粒子が細かく、感度の低いフィルムは、質感を精細に写しだすには最適である。フィルムによって、表現する方向が定まっていく。
Rollei Retro 80Sのフィルムを使いだして、そのことを痛感している。
このフィルムは、階調性がゆたか。
しかし、いざ豊かな階調性を生かした写真を撮ろうすると、難しい。簡単に撮れるというわけでもない。
材質感691-10
Retor80Sを、ISO100で使用してみた。
階調性を引き出すため、露光と現像の条件をどう合わせるか、四苦八苦している。まだ、コツは掴んでいない。フィルム1本のなかに僅か数カットしか、満足した調子に上がるコマができない。光を読むのが難しいフィルムです。
壁に落ちた影が面白いと、撮ってみました。実際の印象よりくっきりと影が出ています。壁のザラとした材質感も、強調されて写っていました。
材質感691-37 Ⅱ
夕方の弱い光に、水仙の白い花が浮き出ていた。光の当たっていない茎に合うよう露光を選び、撮影した。
白い花弁には露光オーバーだが、粘って白飽和していない。ボーと滲むように撮影できていた。
このフィルムなら、生命の持つ柔らかさを描き出してくれるような気にさせてくれる。
ISO25で試してみようか?
レンジファインダーカメラの最短撮影距離は、約1メートル。この写真は、トリミングしています。85mmレンズくらいの画角になっています。銀塩粒子が細かいので、4つ切りは問題ありません。おそらく半切程度までなら伸ばせるでしょう。
感度が低く 使い勝手は悪いが、しばらくは、このフィルムを使い続けるつもりです。
  1. 2015/01/19(月) 15:04:44|
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一葉の写真に・・・

戸越公園で、赤外線写真効果のテスト撮影が終わったあと、帰り道隣接する文庫の森公園を横切り、そこで残りのフィルムを使い切った。広場には子供たちが遊んでいる。冬の陽は、はや傾きかけていた。
文庫の森690-18
好きな写真家にアンドレ・ケルテスがいる。ユダヤ系ハンガリア人。パリに留まっていれば写真家として早くから認められていただろうが、たまたま米国で仕事をする機会があり出向き、帰ろうとしたときにヨーロッパはナチの嵐に。そのまま米国にとどまることになる。パリでは認められた彼の「カメラの眼」は、米国では無視されてしまう。
彼の撮る一枚の写真は、勝手に話し出すから。しゃべりすぎると 避けられた。米国の雑誌社/新聞社が求める写真は、記事を説明するためのもの。記事が主で写真は従。記事の信憑性を補強するもの・・・・そう、キャパのような写真が受け入れられた。
当時米国はパリほど美的感覚は研ぎ澄まされていなかった。
米国で認められようになったのは、戦後10年以上たってから、かなり高年になってからである。
ようやく好きな写真で生計が建てられるようになると気づくと、今までの仕事・・・ファッション雑誌社の契約を破棄する。(雑誌の編集者は、彼の能力を買っていたが・・・・) 喜んだらしい、これで好きな写真を思う存分撮れる。ファッションや広告写真を撮ることに違和感を感じていたのでしょう。おそらくクーデルカの心情に近いのでは。好きなライカを片手に、町のスナップ写真を撮っていたという。カメラのために生まれたような人だと思う。
一枚の写真に一つの物語が映り込んでいる・・・そんな写真、撮ってみたいものと思う。
文庫の森690-21
美しい風景、美しい花、美しいモデルを 撮ることだけが写真ではないと思う。
ケルテスのカメラの眼、盗めるものなら盗んでみたい。
  1. 2015/01/16(金) 10:38:46|
  2. 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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何をみたか 何を撮るか 何を外すか

100年くらい前は、ビューカメラで写真を撮るのが普通だった。ネガは4インチ×5インチ 或は 8インチ×10インチの乾板である。今もそのサイズのシートフィルムは売られている。縦横比は1:1.25。
これが基本になったのか、印画紙のサイズも それに近い。
4つ切りの印画紙の縦横比は1.2で 大きさはほぼ10インチ×12インチだから、エイトバイテンの乾板を、密着で焼き付けることができる。
四十数年前、自分専用のカメラを手に持ったとき、ネガサイズが35mmと小さいので、四つ切まで伸ばせれば良いと思っていた。それは、今でも変わらない。
しかし、35mmのネガサイズ 縦横比は1.5 それを四つ切に伸ばすと、長辺はカット(トリミング)せざるを得ない。
大概は 長辺側をカットし、4つ切り画面に合わせていた。
120フィルム(いわゆるブローニー判)カメラでは 4.5×6、6×6、6×7、6×9などの枠を持つカメラも売られている。
考えてみれば、フレーム枠を自由に選んでいいはずだ。
印画紙に焼き付けるときも、自由に縦横比を変えていいのに、いったんカメラを持つと、そのカメラのファインダーの枠に、視界を合わせてしまう自分がいる。
写真上級者に、「トリミング何かしたら駄目だよ」「せいぜいトリミングしても10%まで」とたしなめられ、「ノートリが基本だ」「フレーミングに厳しく」とたしなめられると・・・・それができない技量のなさに 劣等感を持ってしまう。
払いのけてくれたのが、クーデルカと森山大道の写真。
何を見て、そして何を撮りたくてシャッターを切ったのか、ならば何が余分で、撮らないようにするか・・・大胆にトリミングしていた。
今年は「写したいものを入れ、写したくないものを入れない」を・・・撮影のテーマにしようと思う。それは、同時に考え抜いて撮ること。直感で撮るわけでないことを意味する。(駄目ですかね?また、馬鹿にされるかなぁ。)
品川神社691-19
右手にテントが張られていた。新年の参拝客に甘酒などを配っていたのか・・・しかし白いテントは邪魔。フレームに入ってくる。テントが目立ちすぎ。大胆にトリミングしてみた。 注目したのは大木と参拝客の対比。R72フィルターを付けたので、葉は白く輝くと予想していた。
品川神社691-19 Ⅱ

こんな撮影法やトリミングが有ってもいいと思う。
これも写真だろう。
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この頃はデジタルになり、プリントサイズがA判になってきた。縦横比が1:√2 1.4 で合理的。デジタル画像の縦横比に近いので、ほとんどトリミングしないでも、そのままプリントできる。
「写真はノートリだよ」 は確かに魅力的な響き。
写真上達者の自尊心をくすぐる言葉かもしれません。
  1. 2015/01/15(木) 13:13:16|
  2. 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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Rollei Retro 80S フィルム(5) ISO25でスナップショット

ISO25のフィルム感度では、スナップショットは難しいだろうと思いながら・・・試していた。
午後の夕方散歩することが多いので、ビルの陰に入ると、かなり薄暗い。
スナップショットは「いいな」と思ったら数秒後にはシャッターを押している。
タイミングを外すと、もう写真は撮れない。
ISO25スナップ639-10
ファインダーを覗き、ピントを合わせる時間のあることは少ない。目測で距離を合わせておき、フレーミング(構えたら)シャッターを押す。秒撮、居合抜き・・・のようなもの。
被写界深度を考えたら 絞はf:5.6以上、シャッター速度も1/125秒以上欲しい。
空のない都市のビルの谷間のスナップではISO400のフィルムがふさわしい。 この光線状態でも f:5.6/125秒でシャッターを切ることができる。
ISO25スナップ639-29
距離2.5mに合わせ、撮影。絞は・・・迷った f:2/60秒か、f:2.8/30秒。 f:2ではピンを外すだろうと f:2.8/30秒にした。手振れの危険性は高い。
やはり、少し手ぶれしている。
ISO25スナップ689-31 Ⅱ
被写体まで最短の1mに近い。
フレーミングしたときピントを合わせた。
f:2.8でも被写界深度は浅い。少し手振れもあったか・・・
Rollei Retro80S フィルム 白髪、服の布地など質感描写力は高い。
ポートレート向きのフィルムだろう。

スナップ写真を撮りたいなら、自動でピントと露光を合わせてくれるカメラが最適だ。
追尾式の露光計カメラは、ゆっくり時間の取れる撮影なら、有用で、参考にして露光を決めるることができるが、咄嗟のスナップでオーバー、アンダーの警告マークが出ても、構わずシャッターを押さざるをえない。シャッター速度あるいは絞環を操作していては、チャンスを失うから。
そして多くの場合OK。勘で設定しておいたほうがBetterである。
しかし、精神衛生上、あまりよろしくない。写っているだろうかと・・・不安な気持ちになる。
それならば、バカチョンと呼ばれたカメラのほうが潔よい。
母が使ったMinolta Hi-Matic F ピントは合わせなければならないが、広角気味のレンズで、被写界深度は広く、目測で距離を合わせてもピントを外す恐れは少ない。露光はカメラ任せだが1/30秒以上のシャッター速度であれば、手振れの危険は少ない。
レンズはテッサータイプ、周辺の画像は少し流れるが、気にすることない。軽いし・・・・お散歩にカメラとしては 最適だろう。持ち出すこと 増えるだろうなぁ と思う。
もし、50mmのテッサータイプのレンズがついていたら、メインのカメラになるだろう。
  1. 2015/01/13(火) 11:26:47|
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Rollei Retro 80S フィルム(4) 赤外線フィルムとして使ってみる

Rollei Retor80Sのカタログには、スーパーパンクロなる文言が踊っていた。可視光より長い赤外線部まで 感光性がある。
Rolleiには infrared400Sという 赤外線フィルムもあるが、保存性が悪く、期間内であれ、高温になる室内に放置して置くと、劣化し綺麗な赤外線写真が撮れなくなる。Rollei赤外400Sの長巻フィルムは常に冷蔵庫の中に保存し、撮影するときだけ取り出し、フィルムマガジン、あるいは簡易のパトローネ)に詰めて使用している。
Retro80Sは750nm辺りまで感光するとのことなので、もし、赤外線フィルムとして使えるなら面白い。
720nmカットの赤外線フィルターを付けて、試してみた。
RetroFilm690-7.jpg
使用したカメラは、BessaR2S S型ニコンと同じマウントのカメラで互換性はあるが・・・・距離計の精度があまり高くないので、50mmレンズだとF:2.8くらいが許容できる限界。f:2とかf:1.4の絞りだと、ピンボケになる可能性が高い。
コシナは こういうニッチな部分を見つけるのはうまいが・・・商売としてどうなのかとも思う。
ニコンSのレンズがそのまま使えるというキャッチコピーに、思わず衝動買いしてしまったが・・・ファインダーが等倍であれば・・・距離計精度に関しては目をつぶるのだが・・・買ったはいいが、ほとんど35mmレンズ専用になっている。
BessaR2Sも 出番の少ないカメラです。
内蔵の露光計、見やすく、追尾式です。信用しても大丈夫な精度があります。(要は使いよう)
ISO100にセットし、露光計の指示通り写しました。
Retorfilm690-10.jpg
次にR72 filterを付け、シャッター速度を1/15秒から一段ずつ下げていき、4秒の長時間露光まで行い、ISO100対応の現像をしてみました。
4段から5段 露光を増やしたネガの調子がいい。それなりの赤外線効果はあるフィルムです。
粒子も細かく、使い勝手がかなり高いフィルムです。
もう少し、テスト撮影してみるつもり。

  1. 2015/01/12(月) 12:59:39|
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Rollei Retro 80S フィルム(3)  逆光で撮影、ISO100とISO25の比較

白黒フィルムの撮影では、光の階調性が重要なポイントなので、逆光での撮影が多くなる。
ISO25 とISO100での 差異を調べてみた。
なお、現像液は、自家調合している。D76とミクロファインの中間のような組成で、やや軟調な階調性を重視した現像液になっている。
ISO25撮影639-5
ISO25で撮影。白金・自然教育園前の目黒通りで撮影。午後4時ごろの光です。ネガの調子は大変良く、スキャナーでPCに取り込んだストレートの画像です。トーンカーブはいじっていません。粒子のザラツキもなく、滑らかです。
ISO100撮影688-6
ISO100で撮影。近所の文庫の森公園。時刻はやはり午後の4時ごろ。ネガの調子はよく、階調性は豊かですが、暗い部分は、PCにデーターを取り込んだ後、トーンカーブを調整して、浮き出しています。印画紙に焼き付けるなら覆い焼きをした感じでしょうか。ISO25で撮影したネガは、そのまま調整せず焼けるでしょう。そのくらいの差です。
ISO25撮影639-21
ISO25で撮影。これは暗い部分を浮き出させるため、トーンカーブをS字に調整し、全体を少し焼きこんでみました。暗い部分もきれいにでています。粒状感はほとんどありません。
ISO100撮影688-31
ISO100で撮影しても、同様な調子に仕上がりますが・・・若干、銀粒子がでています。勿論、ISO400のTri-Xよりずっと少ないので・・・気にするほどではありませんが、半切以上に伸ばしたとき差が出るかも。
Rollei Retro 80S Retroと呼ぶだけに、階調性が高い。昔のフィルム、感度は低いが乳剤の銀の含量は多かったのようです。ネガに銀の黒も厚く乗り、暗い部分にも画像が残っていました。それを、覆い焼き、焼きこみの暗室作業で、作品に仕上げると、階調性の高い写真ができてきました。
1960以降、時代は階調性(絵画風)より白と黒のメリハリのある画像(ルポルタージュ風)が受け入れられたのか・・・あるいはフィルムメーカーの戦略に載せれたのか、フィルムの感度に注意が行き、階調性は二の次となり、銀の含量は減ってきたのでは?と思ってしまう。
ISO25撮影639-28
ISO25で使う弱点は、感度が低いこと。充分な性能を引き出すために三脚の使用を考えないといけないだろう。
シャッター速度が1/30秒と遅いため、若干ぶれるている。(あるいは風に揺れたか)絞りも絞れないで被写界深度が浅くなる。
ISO100で使うと、1/60秒、手振れの心配は少なくなる。
ISO100撮影688-19 Ⅱ
絞も1段絞れるので、少し広い範囲までピントが出てくる。
しかし、大きく伸ばしたとき、階調性が少し不足し、銀粒子の存在に気づくだろう。

Rolleiのこのフィルム、銀の含量高いとは思えないが、階調性は高く、解像度も高いようだ。確かにレトロだなぁと思う。
しかし、データシートによれば750nmあたりまで 感光性があるという。
フィルムのベースはポリエステル(PETかなぁ?)、従来の酢酸セルローズではない。とすれば乳剤も天然物由来のゼラチンから、変性合成エマルジョンに替わっているのだろう。製造元はアグファとか。さすがドイツの化学力と思う。

レトロといいながら、新鮮な驚きがある。
ISO25とか、ISO50で使うなら、今の現像液で良いと思うが
更に高感度で使うとしたら、どうしよう?
ISO200などでの使用は無理かなぁ。

  1. 2015/01/11(日) 12:53:08|
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Rollei Retro 80S フィルム(2)  ISO25で使ってみる

2000年以降購入したフィルムカメラは、一式カメラ、BessaR,、BessaR2Sの3台。いずれも、露光計が内蔵されている。
一式カメラは、「等倍ファインダー」、「Lマウントカメラ」と 安原氏 一人でカメラメーカーを創業したというキャッチフレーズに引かれ、思わず購入していた。5万円近くしたと思うが・・・心意気がいいではないかと 購入していた。
製造は中国。おそらく江西光学だろう。中国では大きなカメラメーカーだと思う。
2000年頃の生産なので・・・当時の中国、品質管理は甘かったと思う・・・購入しても故障するカメラ多かったのでは。
2004年頃には会社は整理(倒産?)、一式カメラの修理は受けつかなくなった。
御多分に漏れず、故障、修理屋さんに頼んで直してもらった。内部の機構(メカ)はしっかりしているが、材質や機械加工精度に問題があるとの指摘でした。
壊れないよう、大事に取り扱うので、お散歩カメラで持ち出す機会は少ない。
今回は、このカメラを使って Rollei Retro80Sのテスト撮影をしている。
一式カメラDSC07000
カメラは ぼろくとも レンズはライカの誇るLマウント Summicron 50mm F:2 、沈胴タイプのレンズです。
等倍ファインダーは・・・スナップに最適なのですが、少し暗く、ピント合わせも(遠視仕様なのか?)あまりうまくいきません。F:2では ピントを外すことがあり、f:2.8辺りが ピント精度の限界のようです。(S型ニコンと比べるのは酷というものです。)
露光計も 読みにくく、精度も今一、いつも無視して使っています。
シャッターはちゃんと動くので、ピントが合いさえすれば、Summicronの写りとなる。
なにも、高価なライカボディーに手を出す必要はありません。
(どんなカメラでもいい。まず写せとの、土門拳の助言を 守っています。)
ISO25Rollei639-11.jpg
いつも使うTri-Xフィルムなら、f:5.6/500秒の露光を選んでいるだろう。f:8/500秒だと空に対して適正だが、それでは暗部が潰れると判断。ISO25ならf:4/60秒だろうと、セットし 撮影した。
暗いところも潰れず、このフィルム、ダイナミックレンジ(昔風に言えばラチチュード)が かなり広いフィルムです。
ISO25Rollei639-14 Ⅲ
大崎から、五反田の池田山公園へ移動。公園の老木に冬の陽がさしていた。逆光気味の撮影。TRI-Xなら f:4/500秒、ISO25ならf:4/30秒だろう。f:2.8まで開けたくない。1/30秒を選び、手振れしないよう、慎重にシャッターを押す。下の部分に大きくぼけた草があったので、そこはトリミングして調整した。
ISO25Rollei639-7.jpg
白金・自然教育園に入ったとき、陽は大分傾いていた。
近くの熊笹に焦点を合わせ 撮影。6.6判のように正方形にフレーミングすべき被写体だったかも。
ISO25 確かに このフィルム 低感度フィルムとして使ったほうが、粒状性、階調性とも良好である。
静物、ポートレート、風景など、三脚の使用が前提の撮影で使うフィルムなのだろう。
  1. 2015/01/10(土) 20:01:09|
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Rollei Retro 80S フィルムを使う(1)  ISO100で使ってみる

世界最大の写真フィルムメーカー コダックがデジタルカメラの出現で、経営が困難となり、製造していたフィルムが次々になくなっていく。
最初にPanatomic-Xが市場から消え、次にPlus-Xと続いた。Tri-Xは、いまだ供給が続いているが、100フィート長巻の価格がこの6年ほどで、約3倍になってしまった。
この劇変に、これまでは使ったことのないメーカーのフィルムに手を出すことになる。
それは、それで、良いことかもしれない。フィルムを替えることは、レンズを替えるより、大きな効果/影響がある。
今年は、人物・ポートレートを 撮ってみたいと思っている。
質感描写に優れたフィルムをネットで探し、Rollei Retro 80Sに行きついた。
年末、Rollei Retro 80S 100フィート缶を1つ購入した。
材質感688-7 Ⅱ
80Sと表記されているので、ISO80で使うのかと 思ったが・・・推称された現像を読むと、ISO25とISO50の条件が書いてある。ISO100の場合は、1:1に希釈した現像処方が載っていた。どうも ISO25とか ISO50で使うのが、一般的なようだ。
Panaomic-X あるいは、富士のNeopan F のようだ・・・使いにくいなぁと思う。(Neopan F いつごろなくなったのか? 40年以上前 よく使っていました。現像液はミクロファイン、少し暗い場所だと、f;1.4でも お手上げ・・・撮影できなくなる。)
テストピースを作り、ISO100で使える現像条件を割り出す。
材質感688-15
確かに 質感描写にすぐれたフィルム。ISO400の条件を探したが無理だった。ISO160くらいまでは使えそう。
ISO100は、無理なく使えるが、むしろ ISO25とか ISO50で撮影し、現像を押さずかっさりとしたほうが良いのかも・・・
しかし、ISO25・・・スナップ撮影ではかなり制限を受ける。
三脚を使用したポートレート、風景の撮影に適したフィルムのようだ。
銀粒子は細かく、フィルムの解像度は高い。おそらく160本/mmくらいの解像度はありそう。階調性も非常に広いフィルム。
使いこなせたら、かなり、表現の幅も広がりそうな予感がする。
今月は、このフィルムの特性を知ることを中心に、撮影することになりそう。




  1. 2015/01/09(金) 21:56:20|
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どう撮るか 未だ迷い Try&Error

眼前の360°の中から、一部を枠取りし、記録する。それが写真。
眼前に広がる光景のなかに興味を引く対象を発見。撮りたい被写体(モチーフ)と、入れたくない(不要)ものに注意を払い、枠取り(フレーミング)する。レンズは単焦点、そのために、歩き回り、最良の場所探しをする。それでも余計なものが入る場合がある。邪魔だなぁと思えど、人為的にどかすわけにもいかない。もう少し長い焦点のレンズなら・・・と思うこともあった。あるいは、もっと入れたいと後ろに下がるが、物理的にさがれなくなる。広角なら・・・と思うこともある。
レンジファインダーカメラは、スナップ向き。しかし、パララックスがあり、ネガ上に記録される画像とは、フレーミングが少し異なる。パララックスを補正してくれるカメラ(ニコンSPなど:視野率90%くらいか?)なら、まだ少し良いが、その補正がないカメラだと、余分なものが写り込むことが多い。
もう少し、厳密にフレーミングしてみようか、という気になっていた。年末のことである。
ニコンFに フィルムを詰める。
視野率100%を誇る一眼レフカメラである。 標準レンズと言われた50mmレンズを付けると 等倍ファインダーとなる。(S型ニコンも等倍ファインダー、スナップ写真では一番使いやすい)
レンズは、めったに使わなかった ズームニッコール 35-70mmを付けてみた。
年末の町を、それで撮影していた。
年が明け、5日、ようやく外に出た。新橋に用事があったので、久しぶりの散歩となる。
新橋682-19
去年12月初め、50mmレンズで撮影している。
縞模様の横断歩道を渡る人の姿を、もう少し長いレンズで、アップにして撮影したら、(師走の)人間模様を記録できるのではと、思っていた。
新橋687-7
同じ場所で、望遠側70mmで撮ってみた。望遠側なので 被写界深度は狭い。古いズームレンズで階調性(コントラスト)の不足からか、画像に締りがない。意図するように切り取るなら200mm位の望遠レンズだろう。しかし、望遠なら絞らないと横断歩道の縞模様ボケてしまう。人の動きは止めたいので1/125秒以上でシャッターは切りたい。光が足りない。高感度フィルムで撮影することになるのかなぁと思う。
Trimming687-7.jpg
撮りたかったフレーミングになるようトリミングしてみた。
新橋Trimming687-6
縞模様を背景に人物を浮き上がらせて撮りたいものと思う。
200mmレンズで狙う構図のようだ。
40年以上前、ニッコールの200mm F:4のレンズを持っていたが・・・使いこなせなくて、カメラバッグの邪魔者扱い、売却し広角レンズ購入の足しに当てた覚えがある。望遠は技術、難しいと心に刷り込まれている。180mmレンズを持っているが、一年に使うのは数えるほど、20カットも撮らないだろう。使ってみるかなぁ。
新橋682-21
12月初め 50mmレンズで撮ったもの。おとなしすぎるフレーミング。シオサイトのダイナミックな感じが出てこない。
新橋687-22
同じ場所に立ち、35mmの広角側で撮影。50mmレンズよりマシだが・・・まだビルのダイナミックさを表現できていない・・・もっとワイドなレンズで切り取らねば・・・21mmレンズで撮影してみようかと思う。(所有する最も広角なレンズです。)
未だ「カメラの眼」を持たず、まごつくばかり。
お散歩カメラ9年目に突入。また今年もTry&ErrorいつまでPrentice状態です。
  1. 2015/01/08(木) 12:21:53|
  2. 写真の技法
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始めがあれば 終わりがある。

「終わりのない話」 
民話だったか? 詩集のタイトルだったか? 
響きはいい、不可思議さを感じるが・・・現実にはどうなのだろう?
始まりがあれば、必ず終わりが訪れる。
-------------------------------
1月5日 カメラを持って、家をでる。今年の初散歩となる。
年末、来年はもう少しフレーミングに気を配ろうと、重いNikon Fにフィルムを詰める。そして枠取りにはズームレンズが最適と、めったに使わない35-70mmのズームレンズを付けていた。
いつもの散歩道を通り、大崎駅に向かう。
何かが違う。見慣れた景色ではない。
何だろうと 足を止め、見回す。
桜の樹687-3
これだ。
桜の老木がなくなっている。
桜の樹の寿命は意外に短い。80年くらいだろうか?
剪定・枝打ちなどすれば寿命は伸びるようだが、そういう技術を持った人は限られているようだ。
この桜、毎年 春の楽しみ。春の訪れを、この樹で判断していた。
去年の春にも撮影している。確かに、樹の勢い/生命力の翳りをかんじていたが・・・まだ美しい花を散らせていた。
桜の樹DSC07938
葉桜の混じる頃、赤外線写真でもう一度この樹を撮影していた。
桜の樹630-6
それが 最後の艶姿となってしまった。
自然に倒れたら危険と判断し、伐採したのだろう。
苦渋の決断だっと推察する。
年末、この前を 何度か通り過ぎているが、切り倒されたのを気づいていない。
寒さに身を屈め下を向いて歩いていたのか?
桜の樹687-4
じっと、この写真を見つめると・・・暗示的だなぁと、思う。
切株の存在感が増してくる。
終わりのない話はない。
しかし、終わりは同時に、次の話の始まりを予兆しているだろうか?
-------------------------------------
138億年前 突如 この宇宙が出現したという。
ビッグバン!!
無限小から一気にインフレーションし宇宙ができる。
我々の住む宇宙である。
宇宙に始めがあるなら、終わりはあるのか?
現時点の観測では、宇宙の膨張速度は加速しているようだ。
それなら、終わりのない話?になるのか・・・・
始めと終わりは同じと唱える学者もいる。
まだ、結論は出ていないようだ。
-------------------------------
年輪の紋様に、何故か宇宙の広がりを感じてしまった。

  1. 2015/01/07(水) 14:06:02|
  2. 読み解く写真、心に残る写真を・・・
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寝正月と窓

酒を飲んで眠くなると、寝て、起きたら風呂。
おせち料理を肴に、またお酒を飲む。
そんな生活を続けたら、あっという間に太ったようだ。
----------------------------
眼を開けると、夕方が迫っていた。窓の光がまぶしい。
普段気にしていないが、窓を見ていると、なぜか写真を撮りたくなっていた。
フレーミングするとは、窓/枠を作るようなもの。
現前の景色・光景を、窓/枠で区切る行為が写真なのだろう。
どんな画角で枠を作るか、何を撮り、何を撮らないよう枠を当てるか?
それが撮る人の見識。
起き上がり カメラを探す。
窓DSC06977
デジタルカメラで撮影してみる。撮ったらすぐ液晶画面でチェックする。
簡単に、よく撮れるものと思うが・・・何か 面白くない。写りすぎだ・・・
フィルムのカメラを探す。Nikon F にフィルムが入っていた。レンズは めったに使用しない35mm-70mmのズームレンズがついていた。
下に寝そべってフレーミングする。35mmにした。開放絞りF:3.5 それでは被写界深度が足りない。f:5.6にする。デジタルの結果から、f:5.6だと シャッター速度は1/2秒。それでは手ぶれする。三脚?を持ってくる? 面倒と1/8秒でシャッターを切っていた。
窓687-2
1月5日 ようやく外にでた。
散歩し、残っていたフィルムを撮りきった。
今年初めての現像をする。
暗部は潰れたが、窓は写っていた。
-------------------------------------
これなら 21mmの広角レンズで、天井の木目までフレーミングしたら面白いだろう。
三脚を立て、長時間露光になる。
陽が差し込み、畳の反射光で、天井が明るく照らし出される時間帯に撮影してみようか?
今年も、そんな試行錯誤しながら、撮影を楽しむ一年になるのでしょう。

  1. 2015/01/05(月) 23:00:17|
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お正月ですが・・・

日本海側は大雪とか。
東京もたいへん寒い。
朝からおせち料理をつつき、酔えば、ごろんと寝て、起きたら 風呂に入り、またお酒。
落ち葉DSC06552
小原庄助さん状態になっています。
カメラを持って散歩に出るのは5日以降になりそう。
お散歩カメラを初めて9年目に突入。8年間も写真撮ったら、ベテランだろう。
そろそろ、独自の写真世界ができても いいはずだ。
そうだ、(酔った頭で)今年は人物、ポートレートに挑戦するぞという気になっていた。
  1. 2015/01/02(金) 10:03:51|
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プロフィール

Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
未だフィルムカメラの沼から抜け出せない。
もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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