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本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

自然教育園の秋 (11)                 八ツ手 Retro80S

鮮やかな色彩の植物を 撮ろうとしたらカラーがいい。
白黒とカラーの写真が 一つのテーブルの上に置いてあったら、
見た瞬間、美しい色彩のカラー写真に眼が行く。
白黒写真の評価は芳しいものではない。

逆に、色彩の乏しい枯れた花、朽ちた樹などは、
カラーより白黒モノトーンの写真のほうが、表現は豊かになる。

カラーはただただ美しく、よりキャッチーさを求めた写真になっていく。
多様性が叫ばれるが、デジタルカラー写真に関しては、どうやら その方向に向いていない。
よりキャッチーに、より美しくと追い求めたら、
多様性から離れていくことになるのではと危惧するが、
若い写真家がでてきて、デジタルカメラを片手に、
写真は、自己表現だなどと 言われると・・・首をかしげてしまう。(理解できない)
むしろ、写真をパーフォーマンスの一手段として捉えていくことになるのかもしれない。

デジタルの時代になり、この流れから取り残されてしまったなぁという感じがしている。
老人だし頭は硬くなっている、流れについて行かれないのは、致し方ないだろう。

八ツ手は 数年前 その面白さに気づき 撮ってみたが、足踏み状態だった。
撮りたいイメージはあるが、技術が追いつかない。
ようやく、現像液の開発に 一段落付いたので、再開しようと思っていた。
自然教育園の秋DSC09741
紅葉の季節で、いつもより 人影は多い。
散策を楽しみながら、紅葉した樹や、武蔵野の花にスマホをかざし 撮影する人が多かった。
勿論、高級なミラーレス一眼を持って散策する人も何人か見た。
以前は高級なデジタル一眼に望遠ズームの大きく長いレンズをつけ、丈夫な三脚を持ち、撮影する人を多く見たが、
今は三脚を持ち込む人は希になり、ミレーレスに長い望遠ズームをつけ、手持ち撮影していた。
デジタルカメラの撮影スタイルもかなり変化していた。
デジタルだと、八ツ手にカメラを向ける人は まずいないと思う。
撮ってプリントし、それを観てもらっても、「綺麗だ、感動した」などの感想を聞くことはないだろう。
自然教育園の秋1537 #3-10
一番硬調な現像液を使用した。
自然教育園の秋1526 #2-9
(Ⅰ)+(Ⅱof)のコントラスト強調二段現像で処理した。
自然教育園の秋1530 #2 -9
(Ⅰ)+(Ⅱ)の二段現像でエッジを強調する条件で現像した。
茎の部分に黒いエッジが太く出ている。
全体のトーンもかなり変化している。
自然教育園の秋1529 #1-30
(Ⅰ)現像の時間を少し減らし、(Ⅱ)現像を時間を少し長くすると、
徐々に 擬似的なソラリゼーション効果がでてくる。
自然教育園の秋1528 #2 P
更に強くその効果がでるよう現像条件を調整した。
すると 銀塩粒子が出て来てしまう。ザラッとした銀粒子は、余り好ましいものではない。
自然教育園の秋1528 #2 P2
露光量を二絞り分少なくして撮影したコマは、一部のトーン(白)が逆転し、
ソラリゼーション現像と同じような写真になった。
自然教育園の秋1526 #1-12
これは(Ⅰ1)現像液(やや軟調な現像液)を使用した、ManRay法によるソラリゼーション現像例。
弱くソラリゼーションし、エッジをだそうとしたもの。
(すでに、このブログにのせたものの再掲載です。)

白黒フィルムの方が、地味で目立たない被写体向きだと思う。
それに、工夫次第で トーンは変わっていく。
様々なバリエーション(多様性)が可能、挑戦し甲斐があると思う。
でも これを 「写真による自己表現」と偉そうに言って良いものか・・・躊躇する。
そんな気概は持っていません。

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  1. 2022/12/12(月) 12:31:55|
  2. 八つ手
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白金・自然教育園にて          八つ手

2週間ほど早く気づけばよかった。
八つ手1247-7 Ⅱ
植物であれ動物であれ、「今この時だ」と思える期間は短い。
桜と同じだろう。
ただ、桜ほど注目されないだけ。
同じ構図、同じ露光で別のフィルムマガジンにも撮影した。
そのフィルムは ソラリゼーション現像してみるつもりでいる。
今年中には残りを撮影し、現像するつもり。
どんなトーンの「八つ手」になるか、楽しみにしている。

  1. 2019/12/11(水) 14:35:57|
  2. 八つ手
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荏原の龍?               Zeiss Super Ikonta Opton-Tessar 105mm F:3.5

尖った八つ手を撮りたいと思っている。

幼児の頃、八つ手の木の下で遊び、木を揺らしたら 花粉でも落ちてきたのか、
全身に発疹ができたという。
それを 面白そうに語る親がいた。

どう考えても へんな形の葉っぱ、
日向より日陰に植えられていることが多い。
きれいな花が咲くわけでもない。
写真に撮っても、なるほどと見入るような写真にはならない。
だからこそ、「怪しい植物」の候補になりえる。
不気味な、尖った八つ手を撮って見たいと思っている。
ヤツデ1250-4 Ⅱ
品川区二葉町4丁目は昔、上蛇窪と呼ばれていた。
そこに天祖神社がある。
土地の主(神)は蛇なのかの知れない。
社の入り口に蛇の作り物が飾られているが、
蛇というより漫画チックな龍になっている。
社、(龍?)蛇なのでしょう、八つ手、と三つ揃うと妙にシュールである。
記録に一枚撮影。

この天祖神社の近くには、上神明小学校がある。
一方、東急大井町線の下神明駅の近くには、
嘗て大間窪小学校(二葉町2丁目)があった。(今は統廃合でなくなっている)
近くには天祖神社があり、その一帯は蛇窪とよばれていたという。
二葉町一帯は窪地が多く、窪地には蛇が生息していたのだろう。
役所の都合により、小学校や土地の名は変わっていくが、
神社は頑固に保守的、その土地の記憶をとどめていく。

変わらないものがあってもいいと思う。
  1. 2019/12/07(土) 12:30:10|
  2. 八つ手
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八つ手

見たことない(撮られたことない)「尖った」八つ手を撮りたくて、
ソラリゼーション現像を行ってみたが・・・・
これも「作る写真」の範疇に入るのだろうか?
切り貼りして絵を作ったわけではない。
フィルムでどこまで表現可能か、その限界を試したまでなのだが。

対象には一切手を触れていないし、
構図の邪魔と、近くの葉を切り落としたり、
葉の上の汚れを刷毛で払ったり、
霧を吹き付けてたりし、
ドラマチックになるよう演出して撮影したわけでもない。
八つ手834-4 Ⅱ
ソラリゼーション効果、エッジが立つので、鉛筆で描いた絵のような写真になる。
八つ手834-9
白と黒の対比を強調。増感現像のほうが、強調できるかも・・・・次は、増感現像にTryしてみるか。
八つ手834-5a
ヌメリやテカリを出すには この現像法 合っている。
八つ手834-20 Ⅱa
如何にも ソラリゼーション現像ですと判るより、それが分からないような、撮影法があってもいい。
----------------------------------------
八つ手を撮りたくて、ソラリゼーション現像していたが、いつしかそれて、桜を意識し、白木蓮を撮影していた。
東京の桜も、開花が宣言された、今週後半は・・・桜を撮っているだろうか?ソラリゼーション現像で。
  1. 2016/03/21(月) 09:02:13|
  2. 八つ手
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EL-Nikkor 50mm F:4 で八つ手を接写する

思い立ったら吉日。
早速、引き伸ばし用EL-Nikkor 50mm F:4レンズを探し、
マウントアダプターを介して、Sony NEX-3に取り付けて、
戸越公園へ向かう。
テスト撮影、どのように写るか判ればいいと、三脚はもっていかなかった。
戸越公園の八つ手DSC07699 Ⅱ
八つ手は日陰に植えられていることが多い。
露光はISO:400で f:4/500秒。
それで撮ったが、どうもピントが甘い。
ピントを考えたら、手持ちは難しい。
体の揺れでピントを外す。
手振れ??
内蔵のストロボを強制発光させ、絞をf:16まで絞る。
デジタルカメラ、何回もシャッターを切れば、その中にピントの合ったものも混じるだろう。
デジタルカメラを使うのは、久しぶり。
簡単に撮れるものだと・・・・驚きと同時に、つまらなさを感じている。
カラーをモノトーンに変換した。
異様な姿の八つ手が出現した。
戸越公園の八つ手DSC07694
タコか?
戸越公園の八つ手DSC07708
エイリアンか?
カラーをモノトーンへ変換するのは得意ではない。
レタッチソフトの使い方が下手なのだろう。
黒の締りが今一満足できない。
白黒のコントラストがもっと立ってもいいと思うのだが、ここは、使い慣れたフィルムだろうか?
-------------------------
フィルムで撮影する場合の条件は、一眼レフカメラ。
Nikon F に Macro-Nikkor 55mm フィルムは Retro80S、ストロボ発光、三脚使用。
マクロの利くZoom Nikkor 35-70mmのほうが,撮影に関し、柔軟に対処できるかもしれない。
それが、結論でした。
  1. 2016/03/04(金) 08:16:27|
  2. 八つ手
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未だフィルムカメラの沼から抜け出せない。
もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

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