カラーで撮ったら即物的。
見た瞬間、「ああそうか」と納得し、さっと違う画像に眼は移る。
一方、モノトーンで撮ると、
色の情報が消失した「アブストラクト」画像、
理解するには少しの努力を強要する。

虫食いされた「ひまわりか」、汚いだけ。
この人はこんなものが好きなのか・・・嫌だねぇ。
綺麗な花を見たいのにと。次の画像に眼を移す人もいるだろう。
でも画像をみていると、
人により、いろいろな見方、感じ方が出てくる。
それは 見る人の知性、理性の違いだろう。
モノトーン写真は見る人に、少しばかりの努力を強要する。
毛虫(幼虫)に葉を囓られたのはいつだろう?
さなぎはどこで羽化したのか?
蝶になり、今はその向日葵の花から蜜を吸っている。
蝶にとって、ひまわりは、卵から孵った毛虫の餌になり、
変態(蛹)の場所となり、蜜を吸う場所なのだろう。
蝶に徹底的に利用されるのが「向日葵」。
あまりに一方的だと思われるが、
おそらく そうではない。
蝶と向日葵は共生している。
毛虫は、葉を全て食い尽くすことはしない。
向日葵は花を咲かせると蜜を用意し、
蝶は蜜を吸い、花粉を、他の向日葵にも届け、
向日葵の繁殖の手伝いもしている。(種の多様性)
これは、単に毛虫に食い荒らされた汚い葉ではない。
ひまわりの葉は枯れようが、生命の輝きを伝えている。
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簡単に理解できるカラーほうが好まれるのは致し方ない。
しかし、嘗てテレビが普及したころ、
「一億総白痴」と苦言を呈した評論家がいたが、
いまはインターネットの普及で、
思い込みの偽情報、フェーク画像(動画も含め)がネット空間を流れていく。
「一億Qアノン化」の時代に入ったようだ。
そのとき、フィルムの眼は人に考え、反省する訓練を強いる。
フィルム写真のほうが、改変しにくい。
読むのは大変だが、フェークが入り込む余地は少ないと思っている。
- 2023/10/14(土) 09:35:55|
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長い夏が終わったと思ったら、
あっという間に秋が通り過ぎていく。
枯れていく「ひまわり」など 誰も気を止めない。
虫に食い荒らされた枯れた葉など見たくもない。
刈り取られ、綺麗に整地された方がいい。

ひまわりの葉は、
やがて地に落ち、朽ち果て、土に戻っていく。
人間の眼には干からびた単なる「向日葵の葉」だが・・・・
終末の刻、葉は妖しい光を放っていた。
それをフィルムの眼は捉えていた。
- 2023/10/12(木) 17:02:56|
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嘗てここにはお医者さんの家があった。
医院は閉められてから 年月は経過したが、
あるじなき後も、庭木は綺麗に刈り取られていた。
数年前、遂に家は解体され空き地になる。
春先になると、どこから持ち込まれたのかは不明だが、綺麗な花が咲く。
やがて夏になると雑草が生い茂り、花は覆い隠され、なくなる。
冬になると雑草は刈り取られ、また綺麗な地面が現れる。
春先、小さな花が咲き、やがて雑草が伸び、花を覆い隠す・・・・その繰り返し。
今年は雑草より背の高い「ひまわり(向日葵)」が数本 空き地で開花した。
道路を挟み三ツ木小学校の塀ぎわに、毎年「ひまわり」が植えられる。
秋になり、その種を、ネズミなどの小動物が食べ、
この空き地に持ち込まれたのかもしれない。

曇りだが 明るい空の光を感じ、逆光で撮影。
空を少し入れ、やや離れてフレーミング(約2m)した。
猫じゃらしの穂が明るくでるようハイキー狙いで焼き付けた。

そのまま近づき、腰を少しかがんで撮影。(約1.2m)
全体を少し焼き込んでみた。

別の角度からフレーミングし撮影。
やや焼き付けを濃くしてみた。

空き地のスペースを意識したフレーミング。
白飽和、黒潰しないようトーンをコントロールして焼き付けた。
たかが一本の「ひまわり」だが、撮り方はいろいろ。
その向日葵に何を感じで撮ったかで、撮る人の感性は試されると思う。
フィルムを選び、カメラを選び、レンズを選び、光を読んでフレーミング、現像しネガを作る。(作曲)
それを 表現に合わせ(解釈し)プリントする。(演奏)
「お洒落」な写真、「エモい」写真、「素敵」な写真は デジタルで撮ればいい。
フィルム写真は「ノスタルジック」だからいいとは 少しも思っていない。
モノトーンフィルムは選択肢は大きい。
撮る人の姿勢が強くでてしまう。それが面白いと思っているだけ。
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レンズは1939年製 ツアイスのゾナー50mm F:1.5
カメラはウクライナ、キーフ製 KyivⅡ(ContaxⅡ) 1951年製
レンズは84年前、カメラは72年前のものだが、今でも問題なく使用できている。(業者に頼み修理したが)
デジタルカメラに組み込まれた電子部品の耐用年数は10年くらいだろう。
上手に(大切)に使っても20年くらいが限界ではないか?と思う。
長く楽しむなら、純機械式のフィルムカメラだと思う。
- 2023/09/28(木) 12:29:44|
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実るほど頭を垂れる稲穂かな・・・
仕事をしている時は、
仕事の関係で、様々な人と会う機会があった。
社会的なステータスの高い人にも会った。
事業が好調なほど、
そして、会社の規模の大きいほど、
人間は尊大(上から目線)になる。
人間は社会的動物、社会的地位をまとうと、
それが態度・雰囲気にでてしまう。
実るほど頭を垂れる稲穂かな・・・
そんな、人物には結局逢えなかった。
願望が作った警句(俳句)かなぁと思う。
鮫洲でひまわりに出逢う。
項垂れているのか?

こんな場所に居たいとは思わない。
ここで咲けと植えられてしまった。
もし、自由になるなら、人間の居ない場所で咲きたかった。
花を咲かせても、まるでさらし者、
運命は、(上から目線の)人間の気晴らしの手に握られている。
嘆かないでいられるか?
そんな声なき声を、聞いた気がする。
- 2021/09/06(月) 15:17:39|
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