fc2ブログ

本当に大切なものは見えない

古いフィルム・カメラで、ありふれた身の回りを撮っています。日常の中の一瞬を捉え、読み解く写真になっていれば・・・

花筏を求めて(2)

これが最後のチャンスだろうと、翌日再び舟入場へいく。
舟入場1573-6 Ⅱ
舟入場1573-9
舟入場1573-15
上流からの花びらは減っている。
花筏の時期は終わりを迎えていた。
下流の桜を期待し、遊歩道を下っていく。

中里橋を過ぎ、田道橋に近づくと、
花びらが集まりだし、花筏を作り始めていた。
中里橋から田道橋1573-19
柵に身を乗り出し、ファインダーを構え、集まり始めた花筏を撮っていると、
40歳過ぎの女性が寄ってくる。
「花筏を見たくて、下から歩いて来たけど、ここが一番。」
下流の花筏は壊滅状態だという。

川面が花びらに覆われ、花筏ができていれば、
珍しいと、持っていたスマホで撮るが、
花筏を期待し、「花筏が見たい」と目黒川に来る人は少ないだろう。
こういう方もまだいると思うと嬉しくなる。
「上流にも花筏のスポットはあるけど、そこも、もう駄目ですね」と相づちを打つ。
柵から離れ、場所を譲る。
女性は持ていたスマホで、数ショット、花筏を撮っていた。

下流の花筏は期待できない。
最後のチャンスは、この場所だろう。
中里橋から田道橋1573-30
時刻は満潮を過ぎた頃、流れは殆ど止まっていた。
中里橋から田道橋1573-27
やがて、少しずつゆっくりと流れ始める。
中里橋から田道橋1573-24
徐々に下流へむかい流れ始めていた。
20分もすれば、田道橋近くに来るだろうと、
田道橋で待ち受けた。

後ろからモーターボートの音が聞こえてくる。
田道橋で待つ1573-36
勢いよく走ってきたモーターボートが、減速し、反転する。
前方の花筏に気づき、ここで引き返すのか、と一瞬ホットしたが、
下っていく気配がない。
田道橋で待つ1573-38
やがてもう一台のモーターボートが現れる。
二台が並走しフルスロットルで花筏めがけ突進していった。

花筏の、止まることない文様の変化と、その消滅に、
「はかなさ」を覚えるのは歳のせいだろうか?

また来年があるさ。
運が良ければ、すごい花筏に会えると思えばいい。


スポンサーサイト



  1. 2023/04/25(火) 10:38:12|
  2. 桜 
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

花筏を求めて(1)

目黒川も上流に上れば花筏が見られるかもと期待し、
中目黒の舟入場へいく。
花筏(1)1572-19
中目黒から上流の池尻大橋までが、花見スポットになっている。
川幅が極端に狭く、両岸から桜の枝が伸び、花見には最適の場所だが、
流れが速すぎ、花びらは舟入場に流されてくる。
でもこの場所で、花筏を見ることは少ない。
花筏(1)1572-9
もうすこし花びらが集まってくれれば、綺麗な花筏になる・・・
花筏(1)1572-11
数年前、川底が改修され、流れが変化していた。
以前のような文様の花筏にはならない。
下流に向かって歩いて行く。
花筏(1)1572-22
田道橋付近で、なりかけた花筏を見る。
嘗ては、雅叙園から下流の大崎付近まで、花筏を見ることができたが、
この頃は、殆どそのチャンスはなくなっている。
今日なら可能かも・・・と足を速める。
花筏(1)1572-37
これでは不足、もう少しなのだがなぁ・・・と思いながらカメラを構えていたら、下流から観光船が上ってきた。

花の期間は短い。
咲いたと思うと、すぐにハラハラと散っていく。
その「はかなさ」に共感し、育まれたのが、日本人のエトスだと思っていた。

しかし、人の心は変化していく。
それも、致し方なし。
遊びは必要。
一時の息抜きに花見をするのはいいことだと思う。(反対はしない)
でもそこには「はかなさ」に感じ入る日本人特有の心はなくなっているのではないか?
時代が変われば、人の心も変わる、致し方ないとおもうけど・・・

人生の勝ち組になると こんな息抜き(遊び)もできると、
これ見よと言わんばかりに、
モーターボートを乗り入れるのは 如何なものかと思う。
自分の遊びに熱中し、他人の遊び(息抜き)を奪っていることまでは想像できないのだろう。

観光船が、手こぎの和船になり、
モーターボート(モーターバイク)が、カヌーになって、花見を楽しむなら・・・・問題はないと思うのだが、
どうなんでしょうねぇ?
やはり「花見経済」優先が、日本人のマインド(心)になっているのかなぁ。

観光船乗っている人の個人の特定ができないよう、ピントを少し外して、シャッターを切った。
  1. 2023/04/23(日) 10:40:01|
  2. 桜 
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

皇居 桜田門の桜                 Fomapan100

日比谷公園をでて、皇居に向かう。
法曹会館(桜田門前)の桜は早、散り始めていた。
皇居の桜1571-30
桜田濠の桜は、満開から散り始めの頃。
皇居の桜1571-31a
使ったフィルムはFomapan100、現在入手できるフィルムの中では一番安価だと思う。
安いからと言って、侮れない使い勝手の良いフィルムで、
現像液を換えると、それに応じ、トーンや粒状感、像の鮮鋭度が変化する。
現像は、高感度フィルム用(A)現像液を改良して作った(AⅢn1)現像液を使用した。
1960年代に流行った微粒子現像液に分類されるものだと思う。
桜田濠の中央付近に小さく何かが浮いているが、等倍まで拡大すると、鴨が泳いでいると分る。
皇居の桜 等倍拡大
銀粒子のザラッとした質感にはならず、滑らかな画質になる。
皇居の桜1571-33
皇居の桜1571-34

皇居の桜1571-36
桜田門へ入る。
観光で来られた外国の方の姿をよく見るようになる。
日本へ来た記念のフォトジェニックな場所。
ふたつのパーティーは たまたま居合わせただけだが、
言葉は通じなくとも、意志は理解できる。
互いのスマホで、写真を取り合っていた。
皇居の桜1571-39
花見には最適な時。
ただし、皇居で毛氈を敷き、車座になって花見の宴を行うわけにもいかない。

この日、皇居前広場には、皇居乾通りの通り抜けを待つ人の列ができていた。
しかし既に、桜田濠の桜を堪能している。
それで充分。通り抜けの列には加わらなかった。
-------------------------
綺麗な桜を撮りたかったら、半蔵濠、千鳥ヶ淵、北の丸公園・・・・皇居にはいろいろな花見スポットがある。
そこへいけばいい。
桜田濠はそのリストには入らないだろう。
余り見向きもされない桜だからいい、
なにか違った発見があるかもと、期待だけが膨らむ。
-------------------------
「著名な写真コンテスト、ソニー・ワールド・フォトグラフィー・アワードで受賞した作品がAI生成画像であったとして、作家が賞を辞退する騒動が起こった。」
というニュースをネットで読んだ。(2023年4月18日の記事)
https://artnewsjapan.com/news_criticism/article/918
ついにここまで技術が進んだかという思いがする。
充分予見できたし、この動きが悪いわけではない。
「AIで生成したというボリス・エルダグセンの作品《The Electrician》」
は、AIと言われなければ、誰もが写真と疑わないだろう。(作者からA Iと指摘されても、写真でしょうと思ってしまう。)

写真を撮る意味が問い直されている。
心象写真と言う言葉に、小生は違和感を覚えていた。
でも、AIで生成させた写真なら、「心象写真」と公言しても良いと思う。

面白い、これで、写真とは何か?の議論が活発化すると思う。
悪くない、寧ろ 面白くなってきた。
  1. 2023/04/21(金) 10:15:41|
  2. 桜 
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

日比谷公園の桜

新橋へ出たついでに、日比谷公園まで歩いてみた。

今年の「桜」はもういいだろうと思っていた。
これまでも沢山撮ったし、遠くへ出かけて撮ろうとも思わない。
眼を引く写真など撮れそうもない。
しかし、いざ咲いてしまうと、気もそぞろ、カメラを桜に向けてしまう。
日比谷公園の桜1571-11
園内に入ると桜が満開を迎え、
散り始めていた。

日比谷公園の桜1571-23
金曜の午後、すでに花見の宴が始まっていた。
日比谷公園の桜1571-26
小生の場合、写真を撮るときの姿勢は二つ。
「テーマ」を決めて撮るときと、偶然の発見を楽しんでいるとき。
テーマがあるときは、しつこく、TRY&ERROR 工夫が足りないと何回も同じ被写体を追う。

偶然の発見を期待し散歩している時、
小生は「透明人間」で有るべきと思っている。
その場の雰囲気を記録しておけばいいと割り切っている。
(見栄えを良くしようと、被写体に手を加えたり、声を掛け仲良くなり、ポーズを要求したりしない)
私は、透明人間に徹したい。
日比谷公園の桜1571-17
整備された公園の落とし穴。
庭師がフォトジェニックな場所を用意しておく。
それにまんまと引っかかり、フレーミングしシャッターを押す。
絵はがき的な写真になってしまった。
手垢の付いた写真だなぁと、我ながら呆然。
もし、カラーで撮ったら、公園紹介の広告写真になっていたかもしれない・・・・
日比谷公園の桜1571-22
透明人間となって撮りたいのは、こんな写真。

以前は人物に近接し、もっと大胆な「秒撮」を行っていたけど・・・
この頃は、人は点描、あるいは被写界深度を外してぼかしたり、
顔の出さないようなフレーミングを探すので、
撮影の自由度は下がっている。

「スマホ」をかざして撮っている人が多い中、
なるべく堂々とその場の空気になって、シャッターを切る。
盗撮するなら、スマホだろうと思うのだが、どうなんですかねぇ?
  1. 2023/04/19(水) 11:36:06|
  2. 桜 
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

花筏                  Rollei赤外400

更に目黒川を上っていく。
ようやく「花筏の赤ちゃん」を見つける。
花筏1570-41
場所は中里橋近く。
この場所はまだ水深が浅く、流れは速い。
沢山の花びらが集まる前に、下流へ流されていく。
水深の深くなる雅叙園近くに花びらは集まり、
フォトジェニックな花筏になる。

この場所で、見事な花筏ができるのは希。
花吹雪の舞う頃、風が吹けば、できるチャンスはある。
さて、今年 そんなチャンスあるのだろうか?
  1. 2023/04/16(日) 10:10:54|
  2. 桜 
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ

プロフィール

Alchemyst Sasaki

Author:Alchemyst Sasaki
未だフィルムカメラの沼から抜け出せない。
もう一年白黒フィルムで遊んでみるつもりでいる。

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

読み解く写真、心に残る写真を・・・ (139)
フィルムの眼 (165)
レンズの眼、カメラの眼 (59)
写真の技法 (152)
写真にとり憑かれた人達 (4)
青写真 (1)
新幹線の見える街 品川 (10)
映し出された世界 (30)
水辺の光景 (21)
立会川 (9)
勝島運河 (22)
旅行・観光 (7)
ある場所、ある瞬間 (170)
デジタルカメラは記録機器 (13)
デジタルで遊ぶ (30)
Silent City (9)
??? (31)
Street Photograph (27)
都会の景観 Tokyo (259)
思い出の写真 (25)
遥かなる寧夏 (35)
Night walk in Tokyo (41)
散歩 (334)
猫、犬、鳥 (10)
白木蓮 (31)
黒い花 怪しい花 (87)
樹、草、花  (104)
桜  (181)
ひまわり (46)
竹林 (11)
八つ手 (10)
百日紅(さるすべり) (29)
オールドレンズの密かな楽しみ (38)
人物 ポートレート 踊り (37)
Photo彩遊 (27)
品川宿 (21)
その他  (33)
オリンピック残映 (5)

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR